こばやし よしつぐ 小林 快次 | |
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![]() 2024年3月、北海道大学総合博物館にて | |
生誕 |
1971年12月23日(52歳)![]() |
居住 |
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国籍 |
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研究分野 |
層位学 古生物学 |
研究機関 | 北海道大学総合博物館 |
出身校 |
ワイオミング大学地質学地球物理学科(学部) サザンメソジスト大学地球科学科(大学院) |
博士課程 指導教員 | ルイス・L・ジェイコブス[1] |
他の指導教員 | Jason Lillegraven(学部)[1] |
博士課程 指導学生 | 林昭次[2] |
他の指導学生 | 田中康平[3] |
主な業績 | フクイサウルス(2003年)、ジアンチャンゴサウルス(2013年)、カムイサウルス(2019年)、ヤマトサウルス(2021年)、パラリテリジノサウルス(2022年)の記載 |
主な受賞歴 |
第71回北海道新聞文化賞学術部門 2018年度北海道文化奨励賞 令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 |
プロジェクト:人物伝 |
小林 快次(こばやし よしつぐ、1971年〈昭和46年〉12月23日[4] - )は、日本の層序学者、古生物学者。北海道大学総合博物館教授、大阪大学総合学術博物館招聘教授。日本古生物学会評議員[5]。「ファルコン・アイ」[6]や「ファルコンズ・アイ」の異名をもつ[7]ほか、日本の恐竜ファンの間では「ダイナソー小林」の愛称でも知られる[8]。
層位学と古生物学を研究分野とし、モンゴルやカナダなど海外での発掘調査に携わる。また、日本で発見された新属新種の恐竜4種の記載論文筆頭著者でもある。
1971年(昭和46年)、福井県で生まれる[9]。小学生時代は城[10]や仏像に関心を持ち、過去の遺物と現代の自分との間に流れる時間の感覚を好んでいた[11]。中学では理科クラブに所属し[12]、平日の放課後や休日を使ってアンモナイトの化石を探して自宅で石を叩くという化石少年としての生活を送る[10]。高校は福井県立高志高等学校に進学し[13]、高校1年次に福井県内で実施された発掘調査に参加[12]。県内初となる恐竜の化石が発見され、これを機に恐竜にのめり込むようになる[12]。
福井県での発掘調査は横浜国立大学と福井県との共同研究であり、その機会に知り合った研究者と接点ができ、高校卒業後横浜国立大学に進学[12]。しかし、当時恐竜研究が日本よりもアメリカ合衆国やヨーロッパで進展していたこともあり、1年で横浜国立大学を退学して地学に強いワイオミング大学に入学[12]。3年間在学し[12]、1995年(平成7年)にワイオミング大学地質学地球物理学科を卒業[9]。その後はサザンメソジスト大学地球科学科に進学して修士号を取得[12]。
2004年(平成16年)に日本人として初めて恐竜の博士号を取得[9]。博士課程在籍中の研究テーマは中国とモンゴルの恐竜の進化とオルニトミモサウルス類の解剖学であり、この他に日本のイグアノドン類とゴニオフォリス科のワニ形類、テキサス州の哺乳類も研究対象とした[14]。なお、博士課程在籍中は呂君昌と共にルイス・L・ジェイコブスに師事しており、後に呂らと共に記載したコリトラプトル・ジェイコブシはジェイコブスへの献名である[15]。
福井県立恐竜博物館の設立に携わっており[13]、博士課程在籍中に同館学芸員も務めていた[14]。2006年度(平成18年度)からは北海道大学総合博物館で助手として勤め始め[16]、2007年度(平成19年度)から助教に就任[16]、2009年度(平成21年度)から准教授に就任[16]、2014年度(平成26年度)のみ、総合博物館から学内共同利用施設等に勤務先を替えたが[16]、翌年度には博物館に戻り[16]、2019年度(平成31年度)には教授へ昇任した[16]。また、2013年度(平成25年)からは大阪大学総合学術博物館招聘准教授にも就任し、2019年度から招聘教授[17]。2023年度(令和5年度)には穂別博物館特別顧問に就任[18][19]。
福井県立恐竜博物館に勤務する間、2003年(平成15年)には福井県の手取累層群北谷累層下部白亜系から産出したイグアノドン科の植物食恐竜を、フクイサウルスとして東洋一とともに記載した[20]。のちにフクイサウルスはハドロサウルス科に属することが判明した。
2006年(平成18年)から2010年(平成22年)にかけてのゴビ砂漠での発掘調査でチームがデイノケイルスの全身骨格を発掘している[21]ほか、2013年(平成25年)にはの江南省地質博物館 (Henan Geological Museum) の PU Hanyong を筆頭とする中国の研究機関に所属する中国人研究者チームとの共同研究でジアンチャンゴサウルスを発表している[22][23]。デイノケイルスは2019年(令和元年)7月のNHKスペシャル『恐竜超世界』で特集され[24]、関連事業である「恐竜博2019」の目玉展示の一つとされた[25]。
国内では北海道むかわ町で発見された「むかわ竜」と呼ばれるハドロサウルス科の恐竜の発掘調査・研究の専門家であることで知られる[26]。むかわ竜を新属新種とする記載論文を2019年9月に発表し、カムイサウルスと命名した[27]。カムイサウルスもまたテレビで特集が組まれた[28]ほか、「恐竜博2019」においてデイノケイルスと並ぶ目玉展示として紹介された[29]。
また、2004年(平成16年)に淡路島南東部(兵庫県洲本市南東部)の和泉層群北阿万累層(きたあま るいそう)で発見されていたハドロサウルス類の化石標本の分析にも2010年代後半から取り組んでおり、2021年(令和3年)4月に新属新種の恐竜「ヤマトサウルス」として記載・発表した[30]。
ほか多数
ラジオ番組では子ども科学電話相談の恐竜分野の解説者を担当している[53]。