岸田 衿子(きしだ えりこ、1929年〈昭和4年〉1月5日 - 2011年〈平成23年〉4月7日)は、日本の詩人・童話作家、翻訳家。『櫂』同人。
劇作家岸田国士の長女として東京府(現・東京都杉並区)に生まれる。妹は女優の岸田今日子。従弟に俳優の岸田森がいる。
立教女学院小学校、立教女学院女学校、東京芸術大学油絵科卒業。画家を志すも肺病を患い詩人になる。
1954年10月4日、谷川俊太郎と結婚。1956年10月、谷川と離婚。1963年、田村隆一と結婚。1969年7月、田村と離婚。
生前は群馬県浅間山麓に居を構えた。岸田自身は大人向けの文章を書くことはほとんどなかったものの、20代から一貫して幼児向けの絵本、またその翻訳や詩作等を中心とした活動を行った。『かばくん』など、親友である中谷千代子との挿絵の絵本が多い。
テレビアニメ『世界名作劇場』(フジテレビ)で放映された『アルプスの少女ハイジ』『フランダースの犬』『あらいぐまラスカル』『赤毛のアン』の4作品の主題歌の作詞を手掛けた。
2011年4月7日、髄膜腫のため神奈川県小田原市の病院で死去した。82歳没[1]。墓所は多磨霊園。
- 『樹 詩画集』(中村稔共著、ユリイカ) 1954年
- 『忘れた秋』(ユリイカ) 1955年 - 詩集
- 『らいおん物語』(書肆ユリイカ) 1957年 - 詩集
- 『かばくん』(中谷千代子絵、福音館書店) 1966年
- 『にほんたんじょう』(岩崎書店) 1967年
- 『ひとこぶらくだがまっていた』(長新太絵、小峰書店) 1968年
- 『ノアおじさんのはこぶね』(中谷千代子絵、岩崎書店) 1969年
- 『ジオジオのたんじょうび』(中谷千代子絵、あかね書房) 1970年
- 『あかちゃんのえほん』全5巻(長新太絵、ひかりのくに) 1970年
- 『あそびましょう』(主婦と生活社) 1972年
- 『ねぼうねこ』(堀内誠一絵、主婦と生活社) 1972年
- 『みんなありがとう』(堀内誠一絵、主婦と生活社) 1972年
- 『かえってきたきつね』(中谷千代子絵、講談社) 1973年 - 産経児童出版文化賞大賞受賞
- 『ジオジオのパンやさん』(中谷千代子絵、あかね書房) 1975年
- 『クレヨンの歌』(サンリオ出版) 1976年
- 『風にいろをつけたひとだれ』(青土社) 1977年
- 『ジオジオのかんむり』(福音館書店) 1978年
- 『なにをたべてきたの?』(佼成出版社) 1978年
- 『あかるい日の歌』(青土社) 1979年
- 『だれもいそがない村』(中谷千代子絵、教育出版センター) 1980年
- 『ぞうくんはむかしあかんぼでしたか』(偕成社) 1980年
- 『ソナチネの木』(安野光雅絵、青土社) 1981年
- 『木いちごつみ 子どものための詩と絵の本』(山脇百合子絵、福音館書店) 1983年
- 『木霊の娘』(角田正治撮影、松文館) 1983年
- 『こねこ』(荻太郎絵、福音館書店) 1985年
- 『草色の切符を買って』(青土社) 1987年
- 『おにまるとももこ うみへ』(堀内誠一絵、文化出版局) 1987年
- 『おにまるのヘリコプター』(文化出版局) 1987年
- 『ブルーベリーを摘んだ日々 ふたりの山小舎だより』(岸田今日子共著、徳間書店) 1988年、のち改題『ふたりの山小屋だより』(文春文庫)
- 『ハリエモンのくすりはおいしいか? ハリネズミの名医さん大活躍』(森やすじ絵、徳間書店) 1989年
- 『へんなかくれんぼ 子どもの季節とあそびのうた』(のら書店) 1990年
- 『かぞえうたのほん』(スズキコージ絵、福音館書店) 1990年
- 『かばくんのふね』(福音館書店) 1990年
- 『ぞうのパンやさん』(ひかりのくに) 1992年
- 『きょうのおべんとうなんだろな』(山脇百合子絵、福音館書店) 1994年
- 『森のはるなつあきふゆ オシギッパのもりでみつけた』(ポプラ社) 1994年
- 『いそがなくてもいいんだよ』(童話屋) 1995年
- 『ねこねこやなぎ』(福音館書店) 1996年
- 『このゆきだるまだーれ?』(福音館書店) 1997年
- 『みんなみーつけた』(福音館書店) 1998年
- 『せっけんつけてぶくぶくぷわー』(山脇百合子絵、福音館書店) 1999年6月
- 『野の花の道』(古矢一穂画、福音館書店) 2000年3月
- 『きいちごだより』(古矢一穂絵、福音館書店) 2001年6月
- 『たいせつな一日』(理論社) 2005年 - 詩集
- 『ぐぎがさんとふへほさん』(にしむらあつこえ、福音館書店) 2009年7月
- 『もじゃらんこ』(古矢一穂絵、福音館書店) 2011年1月
- 「父を語る、師を語る(岸田国士)」『季刊藝術』1977年7月に掲載 - 岸田今日子,古山高麗雄との鼎談
- 『砂の妖精』(ネスビット、前田豊司共訳、学習研究社)1968年
- 『あかいふうせん』(アルベール・ラモリス、偕成社)1968年
- 『ほらきこえてくるでしょ』(ラ ヴァーン・ジョンソン、偕成社) 1969年
- 『どろんここぶた』(アーノルド・ローベル、文化出版局) 1971年
- 『はろるどのふしぎなぼうけん』(クロケット・ジョンソン、文化出版局) 1971年
- 『月夜のこどもたち』(ジャニス・メイ・アドリー文、モーリス・センダック絵、講談社) 1972年
- 『はろるどとむらさきのくれよん』(クロケット・ジョンソン、文化出版局) 1972年
- 『はろるどまほうのくにへ』(クロケット・ジョンソン、文化出版局) 1972年
- 『ルシールはうま』(アーノルド・ローベル、文化出版局) 1974年
- 『かいぶつマックとまほうのかさ』(エレン・ブランス,アン・クック、文化出版局) 1974年
- 『はるなつあきふゆ』(ジョン・バーニンガム、ほるぷ出版) 1976年6月
- 『わゴムはどのくらいのびるかしら?』(マイク・サーラー、ほるぷ出版) 1976年9月
- 『わたしのかわいいめんどり』(アリス&マーチン・プロベンセン、ほるぷ出版) 1976年9月
- 『クリスマスはサンタ・クロースのひげだらけ』(ロジャー・デュボアザン、佑学社) 1978年12月
- 『あかいてぶくろみなかった?』(スティーブン=ケロッグ、偕成社) 1978年4月
- 『おつきさんどうしたの』(E・M・プレストン、岩波書店) 1979年9月
- 『トロットおばさんとねこ』(ポール・ガルドン、佑学社) 1979年10月
- 『カントリー・ダイアリー』(イーディス・ホールデン、前田豊司共訳、サンリオ) 1980年3月
- 『ケイト・グリーナウェイの遊びの絵本』(ケイト・グリーナウェイ、立風書房) 1980年8月
- 『なかないでくま』(フランク・アッシュ、佑学社) 1980年12月
- 『これならおとくいジェラルディン』(エレン・コンフォード、国土社) 1980年11月
- 『かえでがおか農場のいちねん』(アリス&マーチン・プロベンセン、ほるぷ出版) 1980年6月
- 『ぼくあかんぼなんかほしくなかったのに』(マーサ=アレクサンダー、偕成社) 1980年2月
- 『だれかあたしとあそんで』(マーサ=アレクサンダー、偕成社) 1980年4月
- 「のばらの村のものがたり」(ジル・バークレム、講談社)
- 『小川のほとりで のばらの村のものがたり』 1981年5月
- 『木の実のなるころ のばらの村のものがたり』 1981年5月
- 『春のピクニック のばらの村のものがたり』 1981年5月
- 『雪の日のパーティー のばらの村のものがたり』 1981年5月
- 『はる・なつ・あき・ふゆ のばらの村のものがたり』 1986年4月
- 『ウイルフレッドの山登り のばらの村のものがたり』 1986年10月
- 『海へいった話 のばらの村のものがたり』 1991年8月
- 『ウイルフレッドの山登り のばらの村のものがたり6』 1992年11月
- 『ひみつのかいだん のばら村のものがたり』 1993年11月
- 『ポピーのあかちゃん のばらの村のものがたり8』 1994年9月
- 『のばらの村 四季物語』 1995年4月
- 『カーリーおばさんのふしぎなにわ』(ルース・クラフト、あかね書房) 1981年6月
- 『ドタバタ・クリスマス』(スティーヴン・クロール、佑学社) 1981年12月
- 『7ひきのこうさぎ』(ジョン・ベッカー、文化出版局) 1982年9月
- 『月夜のこどもたち』(ジャニス=メイ=アドレー、講談社) 1983年12月
- 『ゆき、ゆき』(ロイ・マッキー、ペンギン社、はじめてひとりでよむ本) 1984年1月
- 『みみずくと3びきのこねこ』(アリス&マーチン・プロベンセン、ほるぷ出版) 1985年12月
- 『みんなわたしの 幼い子どもにおくる詩集』(ドロシー・バトラー編、百々佑利子共訳、のら書店) 1991年10月
- 『おうちをつくろう クシュラにおくる詩集』(ドロシー・バトラー編、百々佑利子共訳、のら書店) 1993年12月
- 『ネイチャー・ノート』(イーディス・ホールデン、前田豊司共訳、サンリオ) 1991年3月
- 『メアリ・ポピンズ』(パメラ・トラバース、河出書房新社) 1993年2月
- 『キューピーたちの小さなおはなし』(ローズ・オニール、岸田琴共訳 フレーベル館) 1999年7月
- 『こねこのミヌー』(フランソワーズ、のら書店) 2006年5月
- 『木いちごの王さま』(サカリアス・トペリウス、山脇百合子絵、集英社) 2011年2月