かわかみ ともこ 川上 とも子 | |
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プロフィール | |
本名 | 川上 倫子(かわかみ ともこ)[1] |
愛称 | とも蔵[2]、ともちゃん[2] |
性別 | 女性 |
出身地 | 日本・東京都[1] |
死没地 | 日本・東京都 |
生年月日 | 1970年4月25日 |
没年月日 | 2011年6月9日(41歳没) |
血液型 | O型[2] |
職業 | 声優 |
事務所 | ぷろだくしょんバオバブ(最終所属)[3] |
公称サイズ(時期不明)[1] | |
身長 / 体重 | 155 cm / 47 kg |
活動 | |
活動期間 | 1994年[注 1] - 2010年 |
デビュー作 | 男の子(『メタルファイター♥MIKU』 第3話)[4] |
川上 とも子(かわかみ ともこ、1970年4月25日[5] - 2011年6月9日[5])は、日本の女性声優。東京都出身[1]。声優デビュー時から[4]ぷろだくしょんバオバブに所属[3]。
家系が医学関係で、姉も医者だった[6]。幼少時は人を助ける仕事である医師に憧れていたが、1981年に放送開始したテレビアニメ『六神合体ゴッドマーズ』の影響で声優という職業を意識するようになる[6]。その頃、父を亡くしている[6]。高校は女子高で理数系に入学[6][7]。アルバイトもしておらず、その頃、演劇部に所属して芝居の勉強を始めて、そっちで頑張っていた[7]。公演は、学園祭ぐらいしかしておらず、普段は地道にエチュードをしていた[7]。高校入学の1986年、演劇部に所属するかたわら、ぷろだくしょんバオバブの付属俳優養成学校であったバオバブ学園[注 2]へ入所(3期生)、当時学園長であった富田耕生らの指導を受ける。同期に篠原あけみ、武政弘子、中博史、柳沢栄治。川上の先輩として子安武人[注 3]、後輩としていずれも川上より年上の山崎たくみ、岩坪理江、こおろぎさとみ、渡辺美佐[注 4]も在学時期が一部重なる[8]。芝居が好きになり、桐朋学園大学短期大学部[1]芸術学科演劇専攻[9](25期)、そして学科卒業後には専攻科演劇専攻[6]へ進学した。20歳のころの思い出は「大学の仲間たちと、わいわいがやがやしていたこと」と語っている。同期の朴璐美も演劇集団 円入団後に声優として活動しており、2005年に放送したテレビアニメ『うえきの法則』では主人公の植木耕助(朴)と森あい(川上)を演じたほか、アニメ『BLEACH』などでも共演している。
また、バオバブ学園在学中、音楽の講師を担当していた山本正之の目にとまり、山本のコーラスグループピンクピッギーズに参加[10]。声優デビュー後、および病気療養による休業中を含め[11]、山本の数多くの楽曲にバックコーラスとして参加している。
桐朋短大専攻科在学中、1994年7月22日に放送されたテレビアニメ『メタルファイター♥MIKU』第3話「みくちゃん 特訓する」の「男の子」役で声優としてデビュー[4][注 3][注 5]。専攻科卒業後の1995年、すでにぷろだくしょんバオバブに所属していたが、映像テクノアカデミアにも第1期生として入学、2年間在学した[12]。映像テクノアカデミアでは青山穣[13]、浅野まゆみ[14]、すずき紀子、乃村健次[15]と同期[注 6]。在学中の1995年放送の『ふしぎ遊戯』の張宿役[注 3]、および10月5日に放送を開始した『ドッカン!ロボ天どん』の菜部サラダ役が初レギュラー[16]。
1997年のテレビアニメ『少女革命ウテナ』の天上ウテナ役で初の主演、1999年公開の劇場版『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』でも天上ウテナ役で引き続き主演[注 3]。劇場版パンフレットでのインタビューによると、テレビシリーズのオーディションの際、原稿に目を通しただけでキャラクターを理解する前にオーディションが終わってしまい、カッコ悪いウテナを演じてしまったため、ウテナ役に決まったのは間違いではないかと思いビーパパス[注 7]を訪ねたところ、監督の幾原邦彦からその点が川上を選んだ理由だとの返事をもらい、初めてウテナと出会ったような感覚を味わったとのこと。また、制作現場であるビーパパスを訪れたことでアニメーションが多くの人の手と思いによって作られていることを意識することができ、スタッフとの交流によって声優という仕事に初めて自信が持てたと語っている[17]。幾原との親交は『少女革命ウテナ』放送終了後も続き、川上がラジオパーソナリティを務めるラジオ番組にゲストとしてたびたび出演。『川上とも子のメサCANネットワーク』に出演した際、リスナーから公募した愛称のなかから「とも蔵」を(川上本人の反対にもかかわらず)選び、名付け親となる。また、幾原の公式サイト「ikuniweb」において二人の交換日記形式のブログ、「イクニのメルとも蔵Blog」を川上の死去まで共有していた。
『少女革命ウテナ』以降、テレビアニメでは1999年『宇宙海賊ミトの大冒険』シリーズのミト役、2000年『タイムボカン2000 怪盗きらめきマン』のリップ(きらめきマン1号)役、2000年『学校の怪談』の宮ノ下さつき役[注 8]、2001年『ちっちゃな雪使いシュガー』のシュガー役、2001年『ヒカルの碁』の進藤ヒカル役、2003年『クロノクルセイド』のロゼット・クリストファ役、2004年『遙かなる時空の中で-八葉抄-』の元宮あかね役、2007年の『風の少女エミリー』のエミリー・バード・スター役でいずれも主演[注 9]。『ケロロ軍曹』では2004年の放送開始から2008年の休業までメインキャラクターの日向冬樹役でレギュラー。
2000年発売のゲーム『遙かなる時空の中で』ではオープニングアニメーションでのみの出演だったが、その後のメディア展開により、2002年OVA『遙かなる時空の中で-紫陽花ゆめ語り-』、2003年OVA『遙かなる時空の中で2-白き龍の神子-』、前述のテレビアニメ『遙かなる時空の中で-八葉抄-』、2006年公開の『劇場版 遙かなる時空の中で 舞一夜』、2007年放送のテレビアニメ『遙かなる時空の中で3 紅の月』、2010年放送のテレビアニメ『遙かなる時空の中で3 終わりなき運命』でいずれも主演、イベント「遙か祭」にもたびたび出演した[注 3]。また、ゲーム『AIR』のコンシューマー版、テレビアニメ版、および劇場版でいずれもメインヒロインの神尾観鈴役を演じている。
海外ドラマの吹き替えでは1997年放送の『対決スペルバインダー』の主人公であるポールの妹・クリスティーン役(ジョージナ・フィッシャー)が初レギュラー[注 3]。海外ドラマでは1997年放送の『おまかせアレックス』のアレックス・マック役(ラリサ・オレイニク)、1998年放送の『モエシャ』のモエシャ・ミッチェル役(ブランディ)、2005年放送開始の『アマンダ・ショー』のアマンダ役(アマンダ・バインズ)、外国映画では2000年にテレビ東京『20世紀名作シネマ』で放送の『ロミオとジュリエット』(ビデオグラムでも発売)のジュリエット役(オリヴィア・ハッセー)、2003年発売の『処女』(ビデオグラム版)のアナイス・パンゴ役(アナイス・ルブー)、同年発売の『ブルークラッシュ』(ビデオグラム版)のアン・マリー役(ケイト・ボスワース)でいずれも主演[注 9]。2000年発売の『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』(ビデオグラム版)ではサガ役(メリンダ・キンナマン)を演じた。その他、オーディオドラマ、吹き替え、アニメ、ゲームの出演作多数。
歌手としては1999年に幾原邦彦のプロデュースでフルアルバム『ADOLESCENCE DOLL』を発売、一部作詞・作曲も担当している。ほかにラジオCDなどの企画アルバムを4枚発売、キャラクターソング・イメージソング多数。2003年に放送されたテレビアニメ『ミッドナイトホラースクール』ではメインキャラクターのリディーほかを演じるとともに、シリーズ後期でオープニング主題歌「ハッピーミステリー」、エンディング主題歌「ABCの子供たち」を担当。2005年に放送されたテレビアニメ『あまえないでよっ!!』シリーズでもメインキャラクターの生稲雛美を演じるとともに、あまえ隊っ!!の一員として第1期シリーズオープニング主題歌「あふれてゆくのはこの気持ち」、および第2期シリーズ『あまえないでよっ!! 喝!!』オープニング主題歌「あまえないでよっ!!」に参加。
ラジオパーソナリティとしては1997年放送の『ZMAPのLIPS FACTORY』『ZMAP=ZMAP』に当初はゲストとして出演、そのままレギュラーとなり、ZMAPにも参加。同じく1997年[注 10]放送の『川上とも子のメサCANネットワーク』が初の冠番組[注 11]。その後継番組として1998年に放送を開始した『川上とも子のうさぎのみみたぶ』は地上波からインターネットラジオへと形態の変遷を経つつも、病気療養にともなう2008年の休止まで放送回数は500回を超え、10年近く継続した。2001年に放送したテレビ番組『Cyber Project TV』では小林由美子・野川さくらとともに司会を担当、ほかラジオパーソナリティとして出演した番組多数。また、1998年にツーファイブがドリーム・トレイン・インターネットの協力により配信した生放送のインターネットラジオ[注 12]『川上とも子のバーチャルキャンプ 山へ行こうだホイ』は日本国内でのインターネットラジオ・インターネットテレビとしては初期の番組であり[注 13]、生放送中の番組と連携するIRCによるチャットも提供されていた。
2008年8月に体調不良を訴えたことから精密検査を受け、16日に入院、19日に手術を受けた。自身のメールマガジン『川上とも子のうさぎのみみたぶ通信』では「手術は無事終わった」と報告したが[18]、実際には手術の時点ですでに進行がんであり、そのまま病気療養のため休業。メールマガジンも2008年10月に配信を休止した。
その後は2009年2月21日のテアトル新宿での『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』上映時のトークショー[19]で幾原邦彦が川上からのメッセージを紹介した例、『キネマ旬報』2009年3月下旬号での佐藤順一のインタビュー記事で川上が病気療養中であることを紹介した例[20][注 14]、2011年5月27日(26日深夜)のNHK-FM『とことんアニソンクラシックス』で『少女革命ウテナ』のオープニングテーマ曲「輪舞-revolution」を放送した際に案内役の緒方恵美が「言葉に詰まっちゃった」と前置きしつつ川上が療養中であることを紹介した例[21]などを除いて、川上の病気について公に言及される機会も少なく、具体的な病状が一般に伝えられる機会もなかった。
手術後は、自宅療養と入院による治療を繰り返しつつも、2010年までは後述するように複数の作品に出演。しかし、2011年6月に入り容体が急変し再入院、6月9日に東京都内の病院で死去したことが所属事務所、ぷろだくしょんバオバブの公式ブログにより発表された[22]。満41歳没。報道では病名が卵巣がんであったことが報じられている[23][24]。生涯独身で子供はいなかったため、喪主は母が務めた。
東京カテドラル聖マリア大聖堂で通夜が13日に、告別式が14日に行われた[11][25][26][27]。前述の幾原邦彦[27]や、川上が子供のころからファンで、川上を紹介したテレビ番組にもゲスト出演した水島裕[28]のほか、桐朋短大での同期(25期)の清水直子[29]・朴璐美[30][25]、所属事務所でも養成所(バオバブ学園)でも後輩だった船木まひと[26]、長期にわたる共演を通じ親交があった千葉進歩[31]・西村ちなみ[32]、デビュー時期が近く[注 15]、デビュー当初からたびたび共演し、『ケロロ軍曹』や『BLEACH』で川上の代役を務めた桑島法子[33]、同じく『ポケットモンスター ダイヤモンド&パール』で代役を務めたゆきのさつき[34]、レーシングカートチーム「ロボットレーシング」のチームメイトでもあった水樹奈々[35]など、数多くの声優や関係者がブログやTwitterなどで川上の死を悼むメッセージを公表した。
2011年10月9日放送の『ポケモンスマッシュ!』第52回の「ポケモンライブラリー」では、川上がゲスト主役のカズチ役を演じた『ポケットモンスター アドバンスジェネレーション』第38話「プラスルとマイナン! 山の灯台!!」が再放送された[36]。遺作となった2011年11月18日発売[37]のOVA『技の旅人』の本編最後(エンディングの直前)に、「IN MEMORY OF TOMOKO KAWAKAMI」とメッセージが表示されている[38]。
2012年3月2日に発表された第六回声優アワードでは[39][40]、「表彰すべき特別な活動」に対する賞[41]として声優アワード特別賞(絵本読み聞かせキャラバン隊)を受賞した[42]。
2010年まで、病気療養中にも一部の作品に出演していた。以下は休業期間中に発表された出演作品の一覧で、病気療養以前に収録したものも含まれる。
2008年
2009年
2010年
2011年
愛称の「とも蔵」はラジオ番組『川上とも子のうさぎのみみたぶ』の前身番組『川上とも子のメサCANネットワーク』で初めて1人でパーソナリティをつとめるのだから愛称があった方がいいという番組スタッフの提案で公募され、『少女革命ウテナ』の監督である幾原邦彦が無理矢理決定した。その後自称にもなり、業界内でも定着した。中学生時のニックネームは「かわこ」だった。声優デビュー後は「ともちゃん」と呼ばれることが多く、デビュー当初より川上を知る声優やスタッフは今でも「ともちゃん」と呼ぶこともある。また、当時は「川上」と自称していた。
マーブルと名付けたウサギを飼っていたことがあり、『うさぎのみみたぶ』というタイトルはここから取られている。2003年4月14日にマーブルを亡くした後は、アポロと名付けた犬を飼っていた。川上は4月15日生まれのアポロを、マーブルの生まれ変わりとみなしていた。
自動車が趣味(特にF1レース)であり、「とも蔵号」と名付けられた自家用車もレーシングカー仕様だった。サーキットで走行したこともあったが、本人はスピードが遅いと発言していた[注 3]。自動車以外の趣味としてスキー、アウトドアを挙げていた[3]。好きなアーティストはorange pekoeなど。またデビュー以前に親交のあった山本には「歌を作ってもらうのが夢だった」と語り、ラジオCDのアルバムで実現した。
資格は普通免許、中型自動二輪免許、華道草月流4級。特技はスキー、ピアノ[3]。
声優ユニット「あまえ隊っ!!」のメンバーの1人。
男性に求めるのは「正義」とのこと。2005年に発売された『極上生徒会』DVD第5巻の特典映像「第5回極上クイズ王決定戦」で自分が結婚相手に求めるものを問われた際に即答した。
愛読書は『新約聖書』および『旧約聖書』で、本人いわく「愛眠の友」とのこと。2008年に病気療養に入った後にカトリックの洗礼を受けている。洗礼名は「セシリア」[29]。
川上の病気療養中や死後、持ち役を引き継いだ人物は以下の通り。
ただし、他の声優も総入れ替えされた作品(『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』のギギ・アンダルシア〈後任:上田麗奈〉など)はこの趣旨から外れるため、この表には記載しない。
太字はメインキャラクター。
2012年以降の作品は全て生前の収録音声を使用したライブラリー出演。
※はインターネット配信。