数学において、巡回加群(じゅんかいかぐん、英: cyclic module)とは、1つの元で生成される加群のことである。
環 R 上の左加群 M が巡回加群であるとは、ある x ∈ M が存在して、
となることである。右加群についても同様に定義される。
R を環とする。左 R-加群 M が巡回加群であるための必要十分条件は、M が RR の剰余加群となることである。具体的には、M = Rx のとき、準同型定理より
となる。ただし、
である。
巡回 Z-加群の部分加群は再び巡回加群であるが、一般の環上の巡回加群の部分加群は巡回加群とは限らない[2]。
- ^ たとえば R = M = Z[x] とすると、その部分加群 2M + xM は巡回加群ではない。