「帰れソレントへ」(かえれソレントへ、ナポリ語: Torna a Surriento)は、イタリアのソレントに捧げられた代表的なナポリ民謡(カンツォーネ)の1つである。
この曲は1902年9月15日にソレントを訪れた、時の首相ジュゼッペ・ザナルデッリのために作曲された。市長は賓客のための曲を、ジャンバッティスタ・デ・クルティス(作詞)とエルネスト・デ・クルティス(作曲)の兄弟に要請した。後の1960年にエルヴィス・プレスリーが「サレンダー」と言うタイトルで英詞で歌ってアメリカでもNo.1を獲得するヒットとなった。
なお、「帰れソレントへ」の和訳は何種類かあり、徳永政太郎、芙龍明子などによって日本語に訳詞されているほか、訳者不明の和訳もある。
曲は一貫してホ調である[1]。開始と終止においてはホ短調であるが、リフレインの途中に、曇天の中の晴れ間のようにホ長調に転ずる箇所が二つある。
なお、学校の教科書には歌いやすいようにハ調などに調を下げたものがに掲載されている。
4分の3拍子。序奏には最後の節(ナポリ語: "Ma nun me lassà,/Nun darme stu turmiento!/Torna a Surriento,/Famme campà!" イタリア語: "Ma non mi lasciare,/Non darmi questo tormento!/Torna a Sorrento,/Fammi vivere!")(E-F♯-D♯-C♯-E、D♯-E-F♯-D♯-C♯-B-B~)の部分の旋律が用いられる。
歌詞はナポリ語であり、イタリアオペラなどで聞かれる標準イタリア語とは多少異なる。
三大テノールやルチアーノ・パヴァロッティのコンサートではよく歌われた(コンサートの最後やアンコールが多かった)。
1993年に放送されたテレビドラマ『白鳥麗子でございます!』のオープニングテーマとして使われた。『王様のブランチ』でもはしのえみ(ナポリの姉妹都市である鹿児島市出身)が登場するときに挿入される。
帰れソレントへの楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト