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惣流・アスカ・ラングレー / 式波・アスカ・ラングレー | |
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『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズ・『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズのキャラクター | |
登場(最初) |
テレビアニメ第八話(惣流) 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』(式波) |
作者 |
庵野秀明 貞本義行(デザイン)ほか |
声優 | 宮村優子 |
プロフィール | |
別名 |
セカンドチルドレン(惣流) 第2の少女(式波) |
生年月日 | 2001年12月4日(惣流) |
年齢 | 14歳(惣流) |
性別 | 女性 |
身長 | 157cm(式波) |
血液型 | A型(惣流) |
肩書き |
エヴァンゲリオンパイロット NERV所属大尉→WILLE戦時特務少佐(式波) |
使用兵器 | エヴァンゲリオン弐号機(2号機)ほか |
惣流・アスカ・ラングレー(そうりゅう アスカ ラングレー、Soryu Asuka Langley)は、日本のアニメーション作品『新世紀エヴァンゲリオン』やその派生作品に登場する架空の人物で、同作のヒロインの一人である。リメイク作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』においては式波・アスカ・ラングレー(しきなみ アスカ ラングレー)。詳細は#新劇場版を参照。担当声優は宮村優子。
ヒロインの1人であり、帰国子女。エヴァンゲリオン(EVA)弐号機パイロット。上司兼保護者はNERV戦術作戦部作戦局第一課 課長・葛城ミサト。同居人は家主の葛城ミサト、碇シンジ、ミサトのペットで温泉ペンギンのペンペン。
ヒロインの1人で、第8話「アスカ、来日」にて初登場。設定上の髪色は金[注 2]だが実際は茶色。帰国子女[4]。二人目の適格者=セカンドチルドレン。日本人とドイツ人のクォーター(母がハーフ)で国籍はアメリカである。容姿端麗という設定で作中でも男子にモテる描写がある[4]。活発明朗・勝気な性格で表層的には高い自尊心を持ち、エース・パイロットとしての能力を誇示して生きてきた。一人称は基本的に「あたし」。二人称は通常は「あんた」でアニメ版の一部で「あなた」を使う。口癖は「あんた、バカぁ?」[1]。4歳の時にエヴァンゲリオン操縦の二番目の適格者として選出され、以降、セカンドチルドレンとして英才教育を受けたエリートである。14歳にして飛び級で大学を卒業[1]。EVA弐号機とのコンタクトはドイツ語を基準にしているが、日本語も流暢に話すことができるが漢字などの読み書きは出来ないことから日本のテスト問題をそもそも理解出来ず、成績は悪い[5]。
母親は惣流・キョウコ・ツェッペリン。父親はキョウコの死後、再婚している。
終盤には複雑な生い立ちと、内包していた脆さから、悲惨な運命をたどる。
幼少期に母親が精神崩壊を起こし、ある人形をアスカだと思い込むようになる。自分が実の娘であることに気が付けない母親に対して、アスカはエヴァンゲリオンのパイロットになることで、母親を振り向かせようと決意する。しかしその思いは果たされず、アスカが弐号機の専属パイロットに選ばれた日、母親はその人形と共に首吊り自殺をする(アスカの母親はアスカと心中したつもり)[6]。幼少期に母親からの愛情を受けることなく、愛して欲しかった母親の手によって(自分の仮初めが)殺害されたという事実は彼女のトラウマとなり「自分はEVAのパイロットであり特別な存在である」ということに依存するメンタルをもつようになる。EVAのパイロットとしての訓練を重ねるとともに英才教育を受け、14歳で飛び級で大学を卒業したのちに来日し、シンジたちがいる学校に転入する[7]。
来日後は上司である葛城ミサトと初号機パイロットである碇シンジと同居[8]。序盤はエリートパイロットとして着実に使徒殲滅において成果を挙げるが、シンジにシンクロ率を追い抜かれ、さらに使徒に立て続けに敗北することでEVAのエースパイロットという依存の根拠を失い精神的に不安定となり、シンクロ率も低下する。加えて第15使徒アラエルとの戦闘中に精神攻撃を受け、封印していた自分の辛い過去を曝し出された結果強い心的外傷を負い、自分が苦しんでいる際に救助を試みることすらしなかったネルフの対応に対して、ネルフは自分の価値を綾波レイのそれより低く見ていると感じてしまいさらに自己を見失う。それらが影響してEVAとのシンクロ率は2桁を切り弐号機を起動することすら不可能になった[9]。心の拠り所を失い精神が崩壊し、物言わずベッドに横たわるだけの廃人と化した。
劇場版では弐号機内の母親の魂に気付き、自分を見てくれなかったと思っていた母が実は常にそばにいて自分を守っていてくれたことを理解し、過去のトラウマから解き放たれ復活。戦略自衛隊を壊滅させた後に投下されたEVA量産型9体を殲滅寸前まで追い込むが、EVA量産型一体によりロンギヌスの槍(コピー)で頭部を貫かれ活動を停止、復活したEVA量産型に鳥葬のように機体を食らいつくされる[10]。その後、補完計画が破綻した際は真っ先にL.C.L.の海から帰還して、シンジの前に現れた。
快活で主体性・自立心が強く、非妥協的、異常なほどプライドが高く、自己中心的な性格である。一方で自己肯定感は欠如しており、周囲に対し過敏で傷つきやすい面を持つ。
望んだ相手(母親)に自分を見てもらえなかったことによって欠けた自己肯定感を、他人に認めてもらうことで満たそうとする面が強く、そのためには周りから必要とされる価値ある自分でいなければならないという一種の強迫観念があり、一見強気で自信に満ちているが、実際は非常にもろい人格を形成。自らの中に強さと高い能力を求め、特にEVAのパイロットの適格者・チルドレンであることに対しては、自分が他者よりも優れている証明になると考えているため、EVAシンクロ用のインターフェイスヘッドセットを髪留めとして常に着用するほどの拘りを持っている[1]。
自主性を持たないものを嫌い、等身大の自分を評価してもらうことを強く求める。そのためシンジに対しても好意を持ち愛を求めるが、彼が自らにとって都合の良い逃避先として消去法で自分を求めてきた際には強く拒絶した[10]。
宮村優子はアスカについて「今で言うところのツンデレ。異性として気になるのはシンジだけど、なかなかそれを表に出すことが出来ない[11]」と評している。
劇中後半での精神崩壊への過程や、EVA量産型との戦闘における鬼気迫る表情、追加されたシーンも含め補完計画中に吐露されたシンジへの独占的な執着心などから、「ヤンデレでは?」との指摘もあり、『ヤンデレ大全』(出版社:インフォレスト)においても記載がある。
主にテレビ版での対人関係を記述する。
ガギエル戦は簡略化されており、太平洋艦隊の援護があったとはいえ単独で撃破しており、その様子を後にシンジたちがビデオで観るという形になる。それに伴い、シンジとの出会いも、トウジとケンスケ共々街を歩いている時にゲームセンターで出会うという話に変更されている。
シンジとは衝突しながらも親交を深めており、自分の出自を告白したり、シンジが自らアスカに説教したりと、原作以上に自然体で打ち解け合っている。ただし一方、原作で示唆されたシンジへの想いについては曖昧に描かれている[注 6]。
正式な父親はおらず、精子バンクにより生まれている。実は、母親が夫との子に恵まれなかった結果、夫が他の女性との間に子をもうけ、その代償行為として不妊治療でもうけている。ドイツに養母(親戚の女性)がいるが、「うわべだけは仲がいいだけ」である。
原作に比べ、猫かぶりな面が表面化していると同時に、加持への想いが強調されており、彼に向かって面と告白するシーンがあるが、受け入れてはもらえなかった。それが一因で(原作と同じく)心理的に追い詰められていき、渚カヲルの早期の登場によりEVAパイロットとしての地位の危うさを思い知らされた直後、使徒アラエルの精神攻撃により廃人となる。病室で彼女を起こそうとしたシンジに襲いかかって首を絞めようとするが、これはかつて幼い彼女自身が廃人となった母親に絞め殺されそうになったことの繰り返しとなった。
戦略自衛隊のNERV侵攻の際、旧劇場版と同じく弐号機の中に自らの母の存在を見つけ復活。量産機を単騎で迎え撃つも多勢に無勢で危機を迎える。その時、シンジの初号機が駆けつけて事なきを得るが、再起動した量産機が弐号機に再び襲い掛かり再び死の危機に陥る。これに激怒したシンジはアスカ救出のために奮闘するが、その行動によって初号機のシンクロ率が250%まで跳ね上がり、暴走してしまう。劇場版のように弐号機ごと嬲り殺されることは無かったものの、その際に巻き起こった爆風に弐号機ごと飲まれた後、加持の幻想に抱きしめられながらL.C.L.還元され補完された。
最終回では補完が拒否された新世界において、彼女自身の生まれ変わりにあたる少女が登場する。それに関し、『Cut』 (カット) 2014年12月号の貞本エヴァインタビューによると「最終回に出てくるアスカは、これまでの本編でのアスカではなくて、次の新しい世界でも知りあえるであろう魅力的な女性の象徴として出している」とのこと。
『新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド2nd』(漫画:林ふみの)では、原作とは変わらぬ立場にあるが、レイとは不仲ではなくなっている。最終的にはシンジと結ばれた。
『碇シンジ育成計画』(漫画:高橋脩)では、シンジの幼馴染として登場。彼に好意を抱いているが素直にそれを表せない、いわゆるツンデレの部分が強調されている。レイとはシンジを巡って三角関係であり対立することもあるが、同作では彼女を普通に名前で呼んでおり、不仲というわけではなく親しい友人同士にある。
『新世紀エヴァンゲリオン 学園堕天録』(漫画:眠民)では、漫画版に近いキャラクターとなっている他、「両親は健在」などの設定が追加されている。
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『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』に初登場。日本姓が「式波」と改められた。
EVA2号機のパイロット(“第2の少女”)で、ドイツ出身[13]の帰国子女。一人称は「あたし」、二人称は「あんた」。テレビ版と同じく「あんたバカぁ?」が口癖。身長157cm[14]。
勝ち気な性格と気持ちをストレートに反映した言動で[13]、旧世紀版の社交的な性格とは異なり独りでいることを好み、学校ではクラスメイトと関わろうとせず、携帯ゲーム機(ワンダースワン)をプレイしていることが多い。
旧世紀版ではレイとは終始疎遠だったが、当作では気を配る描写などもあり微妙に異なっており、テレビ版では大きな依存心を持っていた加持とは面識自体がなく、異性への興味はシンジのみとなっている。
出自に関する設定が旧世紀版から大きく変更されており、旧世紀版に存在する母親に関する描写が新劇場版シリーズでは描かれていなかったが新劇場版完結編『シン・エヴァ』で明らかとなる(後述)。
ユーロ空軍のエースで、階級は大尉。使徒との戦いのみを心の拠り所としており、当初はレイを「えこひいき」、シンジを「七光り」と呼び馬鹿にするが、第8の使徒との戦いなどを経てシンジたちへの見方や人生観を変化させ、他者とのふれあいによって笑うことができるようになった自分を発見した。転居当初、自室でパペットを用いて「私は特別」「1人でやるしかない」と自分に語りかけるシーンがあり、そのパペットは3号機の起動実験の時も待機室に持ち込まれ、「ASUKA」の刺繍が入っている。
第8の使徒戦後、独りでは何も出来なかったことを認め、徐々に心を開くようになり、シンジに対して、呼び方を「バカシンジ」とし、自分を「アスカ」と呼ぶことを許す。さらにレイにも弁当を渡すシンジの姿を見て露骨な焼きもちを見せたり、シンジ好みの味の料理を作ろうとするなど、シンジへの好意や独占欲を見せるようになった。本部エレベーター内でのレイとの対話では、「碇司令のおすまし人形」と思っていた彼女が、シンジに真摯な思いを寄せていると考えるようになる。その後、レイがシンジとゲンドウの和解のために食事会を予定したその日がEVA3号機の機動実験と重なることを知り、自ら3号機の実験パイロット役を志願する。3号機搭乗の直前、自分は孤高に生きているが、他人と触れ合うのも悪くないとの考えをミサトに打ち明け、起動直前のエントリープラグの中では「そっか、私笑えるんだ」とつぶやく。その直後3号機は第9の使徒によって侵食され、ダミーシステム制御に切り替えられた初号機によって使徒として処理され、アスカはエントリープラグごと初号機に噛み砕かれた。この戦いの後、生存は確認され、身体の侵食痕は消えたものの精神汚染の恐れがあるとの理由により厳重に隔離され、その後本編内での登場は無かった(五体満足かどうかの描写もなかった)。
『ヱヴァンゲリヲン:破 全記録全集』に収録の途中稿の第9の使徒による侵食シーンには、テレビ版と同様の過去(母親に関するトラウマ)を匂わせる記述がある。
『破』から14年経過しているが、本人曰く「エヴァの呪縛」の影響により、外見は14歳のときのまま。左目を黒い眼帯で隠しているが、眼球の損傷の直接的な描写はなく、Mark.09に連れ去られるシンジを睨む際には使徒封印用呪詛文様の青い十字の光を帯びていた。『破』から14年後、現在はフォースインパクトを目論むNERVへ反抗する武装組織「WILLE(ヴィレ)」に所属、改修されたエヴァ改2号機のパイロットを務め、エヴァ8号機のパイロットである真希波・マリ・イラストリアスとは、任務においてパートナーを組んでおり、お互いに「コネメガネ」「姫(お姫さま)」と呼び合う。
シンジに対しては怒りを見せ、状況が呑み込めていないシンジを「ガキシンジ」「バカガキ」と呼び、一方的になじったりガラス越しに殴ったりしたが、他のWILLEクルーとは違いサードインパクトとは別の理由によるものである。その一方で危機的状況に陥った際には思わずシンジの名を呼んだり、脱出したシンジのエントリープラグに肩で息をしながら駆けつけたりなど、シンジへの思慕を示唆する描写もなされている。
シンジがカヲルと共に第13号機でセントラルドグマに向かおうとしていた際には、マリと共に追撃し、第13号機およびアヤナミレイ(仮称)の駆るEVANGELION Mark.09と交戦、AAAヴンダーの乗っ取りを画策するMark.09を阻止するため、改2号機を獣化第4形態(第2種)へ変形させるが、乗っ取りまでの時間が差し迫っていたためやむなく改2号機を自爆、自身はエントリープラグでの脱出によって、フォースインパクトの停止後も生き延び、マリによって第13号機から強制射出されたシンジを発見すると、ヴィレによる救助を求めるため、カヲルが目の前で死んだことで虚脱状態に陥ったシンジを蹴り飛ばし、腕を引いて徒歩で赤い大地へ旅立った。
『Q』の予告編には左目を眼帯で覆い、『破』で着用していたものとは若干異なるプラグスーツで、青空をバックに笑顔で登場した。
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今作にて「式波アスカ」についての真相が明かされる。出自に関する設定は旧版から大きく変更されており、「式波アスカ」とは、EVAパイロットおよび補完計画の道具として造られたクローン人間、シキナミシリーズの1人(選別された生き残り)であることが判明する。そのため両親はおらず、母親に関するトラウマの設定も無くなっている。多数のクローンとの生存競争に勝つため、EVAを誰よりも乗りこなすことだけを自らの存在価値とし、ユーロ空軍のエースに上り詰めた。しかし心の底では自分を認めてくれる他人の存在を求めており、パペットはその衝動を押しとどめるために自分に言い聞かせるのに使っていた。
終盤、マイナス宇宙の浜辺で目覚めたアスカ[注 7]は、「ケンスケによろしく」と送り出すシンジによって13号機のエントリープラグごと第3村のケンスケ宅の庭先に帰還した。
一方、13号機にアスカを取り込んだ「オリジナルのアスカ」の詳細は劇中では触れられていない。また、シンジやレイ、カヲル、マリが帰還した「ネオンジェネシス」の世界のシーンでは、駅の向かいのホームのベンチにアスカらしき女性が座っている。
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レイ同様、セガからセガサターン用ソフトとして発売されていたゲームシリーズを始め、多くのゲーム作品では原作(アニメ版)の印象を忠実に再現したキャラクターとして登場しており、イメージもほぼ同一となっている一方、『新世紀エヴァンゲリオン 綾波育成計画withアスカ補完計画』など、原作の印象とは異なるアスカをメインに据えたキャラクターゲームも登場している。
「惣流」は大日本帝国海軍航空母艦蒼龍から、「ラングレー」はアメリカ合衆国海軍航空母艦ラングレーから、「アスカ」は和田慎二の漫画の主人公から[注 9][17]。
新劇場版の「式波」については、海上自衛隊のあやなみ型護衛艦「しきなみ」から[18]。
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