揚州チャーハン(ようしゅうチャーハン、またはヤンジョウチャオファン、広東語:yang chow chao fan 中国語: 揚州炒飯)は、チャーハンの一種。さまざまな具材が入っており、日本で言う「五目チャーハン」はこれと似ている。中国江蘇省揚州で発達したといわれている。
発祥については諸説あり、はっきりしない。
卵以外の具材を加える現在の揚州チャーハンの原型が成立したのは明代だと言われている[2]。
清代に揚州の太守を勤め書家でもある伊秉绶(いへいじゅ)[3]がこれを広めて、また揚州出身の料理人も全国に普及させたという。
現在において、揚州炒飯とは広東料理における代表的なメニューであり、名称になっている揚州地域での料理のものではない。そのため、このメニューを食すには単に中華料理店ではなく、広東料理を専門とする料理店に行く必要がある。 本場における香港マカオや各都市のチャイナタウンでの広東料理店において、揚州チャーハンとはいわゆる”一般的なチャーハン”を実質的に意味する。
単に現地で”炒飯”だけだと、炒められた飯という意味合いの方が強く不自然な表現となる。
そのため、上海や北京、台湾などのレストランでオーダーしても本場の料理ではないことが多く、むしろ中国以外の海外におけるチャイナタウンや広東省出身者の多いシンガポールなどの中華料理店の方が本場に近いものが食せる場合が多い。
イタリアの寿司屋や日本料理屋などでは、中国人が経営しているところでこのチャーハンがメニューに乗っている場合が多い。「日本料理屋」と書いていて中国人が経営している場合(大半はall you can eatという食べ放題システムがある)には、酸辣湯などのほかの中華料理も置いてある。
日本のチャーハンとは異なり、
揚州チャーハンは中国料理(厳密に広東料理)の定番で、本場香港で一番ポピュラーなものは、具材として卵、
日本の中華料理店でも、近年レタスチャーハンというメニューが増えてきているが、これはそれらを真似たことに由来すると思われる。
2015年に江蘇省揚州市は新たに揚州チャーハンの基準を制定し、制定された基準を満たさないものには揚州チャーハンを名乗れないとした[5]。この基準は、揚州市品質監督局が発表した地方基準であり、一定の強制力をもつ[5]。
基準では使用する米のランクを定め、新鮮な鶏卵を主たる食材とし、水で戻した干しナマコ、鶏もも肉など8種類の材料を用いて、決まった手順で炒めて作る必要がある[5]。
この他に以下のような基準が定められている[6]。
この基準の制定について疑問の声も挙がっているが、揚州市調理協会事務局長は、揚州チャーハンが持つ「卵の香り、米飯の香り、料理としての香り」の3つが失われたならば、それは本物の揚州チャーハンでないと説明する[5]。