昆虫館(こんちゅうかん、英: insectarium)とは、生きている昆虫を展示する博物館である。昆虫園、昆虫生態館ともいう[1]。昆虫館はクモ、カブトムシ、ゴキブリ、アリ、ハチ、ヤスデ、ムカデ、コオロギ、バッタ、ナナフシ、サソリ、カマキリなど様々な種類の昆虫や節足動物を常設展示している。展示物は陸生の節足動物や類似の動物を研究する昆虫学者、クモ学者や他の科学者にとっては仕事として重要であり、昆虫の種類、生息地といった昆虫について学べることに集中できる。
蝶園はチョウとガを展示している特殊な昆虫館である。さらに、これらは多くの動物園、植物園、ネイチャーセンター、自然史博物館、科学館のように季節に応じたチョウを展示している。
ヨーロッパにおける昆虫館が「生きた昆虫」を紹介するテラリウム形式なのに対し、日本における昆虫館は名和昆虫博物館(1907年開館)、平山昆虫博物館(1930年開館)、宝塚昆虫館(1939年開館[注釈 1])など、いずれも最初は「標本展示」から始まった[4]。1954年に宝塚昆虫館が生きた虫を見せるテラリウム形式の「生態展示」を始め、その後、豊島園昆虫館、国立科学博物館付属自然教育園、多摩動物公園なども生態展示を開始した[5]。
1990年には矢島稔が中心となり全国昆虫施設連絡協議会が設立された[6]。2021年6月時点で22の施設が加盟している[7]。
日本に所在する昆虫館を県別に記載する。便宜を考え、昆虫標本を多く所蔵する博物館や、蝶やカブトムシなどが観察できる施設等も一覧に含めた。