星雲賞 | |
---|---|
受賞対象 | SF作品およびSF活動 |
国 | 日本 |
初回 | 1970年 |
公式サイト | http://www.sf-fan.gr.jp/awards/ |
星雲賞(せいうんしょう)は、前暦年に発表もしくは完結した、優秀なSF作品およびSF活動に贈られる賞[1]。毎年行われる日本SF大会参加登録者の投票(ファン投票)により選ばれる。
ワールドコン(世界SF大会)のヒューゴー賞を範に、1970年に創設された、日本でもっとも古いSF賞。「星雲賞」という名前は、1954年に刊行された日本最初のSF雑誌と言われる『星雲』に由来する。ネビュラ賞の日本語訳ともかけている。
最初は小説と映画演劇に関する部門だけだったが、その後メディアやコミック、アート、ノンフィクションなどの部門が追加された。2018年現在は「日本長編部門」「日本短編部門」「海外長編部門」「海外短編部門」「メディア部門」(第10回までは「映画演劇部門」)「コミック部門」「アート部門」「ノンフィクション部門」及び「自由部門」(平成14年の改訂で追加)がある。
なお、「特別賞」は第13回の「宇宙塵」を除き、すべてSFファンダムに多大な功績のあった人物が死去した際に追贈されている。ただし2011年の小松左京の星雲賞特別賞の受賞以降、死去者について星雲賞から授賞されなくなり、日本SF大賞の功績賞で顕彰されている。
集計・授賞などの運営事務は日本SFファングループ連合会議が担当する。副賞の選定は当該年度の日本SF大会実行委員会が実施する。毎回、趣向を凝らした副賞が贈られる。たとえばDAICON4の時には、開催地の大阪にちなんで、特大の瓦煎餅であった。
2014年から「レトロ星雲賞」(レトロヒューゴー賞にならい、星雲賞開始以前の年度の作品を年度別に顕彰する)が全日本中高年SFターミナルの主宰で行われている。
星雲賞の選考は以下の手順で実施されている[1]。
なお、参考候補作は投票の助けとするためのリストであり、厳密にはノミネーションではない。規約上は参考候補作以外でも受賞資格のある作品に対しては投票可能で、たとえば2018年のノンフィクション部門のように実際に受賞した例もある[2][3]。ただし、「雑誌掲載、または公開時に参考候補作にあがらなかった場合に限り、単行本またはメディア媒体収録時点でも対象となる」という条項にあるとおり、参考候補作は受賞資格に影響を与える。
小説部門・コミック部門・ノンフィクション部門については規約上、電子媒体で発表された作品の扱いが定められていないが、2015年の日本短編部門ではウェブ発表のみの作品「海の指」が参考候補作となり、受賞した。
- | 年度 | 作品名 | 製作者・監督 |
---|---|---|---|
第1回 | 1970年 | プリズナーNo.6(TV) | デヴィッド・トンブリン制作 |
まごころを君に(映画演劇部門) | ラルフ・ネルソン監督 | ||
第2回 | 1971年 | 謎の円盤UFO(TV) | ジェリー&シルヴィア・アンダーソン夫妻制作 |
第3回 | 1972年 | アンドロメダ… | ロバート・ワイズ監督 |
第4回 | 1973年 | 時計じかけのオレンジ | スタンリー・キューブリック監督 |
第5回 | 1974年 | ソイレント・グリーン | リチャード・フライシャー監督 |
第6回 | 1975年 | 宇宙戦艦ヤマト(TV) | 松本零士総監督 |
第7回 | 1976年 | スタア | (福田恆存・荒川哲生演出) |
第8回 | 1977年 | 該当作なし | - |
第9回 | 1978年 | 惑星ソラリス | アンドレイ・タルコフスキー監督 |
第10回 | 1979年 | スター・ウォーズ | ジョージ・ルーカス監督 |
第11回 | 1980年 | エイリアン | リドリー・スコット監督 - 「メディア部門」に変更 |
第12回 | 1981年 | スター・ウォーズ/帝国の逆襲 | ジョージ・ルーカス製作総指揮 |
第13回 | 1982年 | 該当作なし | - |
第14回 | 1983年 | ブレードランナー | リドリー・スコット監督 |
第15回 | 1984年 | ダーク・クリスタル | ジム・ヘンソン&フランク・オズ監督 |
第16回 | 1985年 | 風の谷のナウシカ | 宮崎駿監督 |
第17回 | 1986年 | バック・トゥ・ザ・フューチャー | ロバート・ゼメキス監督 |
第18回 | 1987年 | 未来世紀ブラジル | テリー・ギリアム監督 |
第19回 | 1988年 | 王立宇宙軍 オネアミスの翼 | 山賀博之監督 |
第20回 | 1989年 | となりのトトロ | 宮崎駿監督 |
第21回 | 1990年 | トップをねらえ!(OVA) | 庵野秀明監督 |
第22回 | 1991年 | 銀河宇宙オデッセイ(TV) | NHK製作 |
第23回 | 1992年 | ターミネーター2 | ジェームズ・キャメロン監督 |
第24回 | 1993年 | ママは小学4年生(TV) | 井内秀治総監督 |
第25回 | 1994年 | ジュラシック・パーク | スティーヴン・スピルバーグ監督 |
第26回 | 1995年 | ゼイラム2 | 雨宮慶太監督 |
第27回 | 1996年 | ガメラ 大怪獣空中決戦 | 金子修介監督・樋口真嗣特技監督 |
第28回 | 1997年 | ガメラ2 レギオン襲来 | |
第29回 | 1998年 | ウルトラマンティガ(TV) | 円谷プロダクション制作 |
第30回 | 1999年 | 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness- | 佐藤竜雄監督 |
第31回 | 2000年 | カウボーイビバップ(TV) | 渡辺信一郎監督 |
第32回 | 2001年 | 高機動幻想ガンパレード・マーチ(ゲーム) | SCEI・アルファシステム |
第33回 | 2002年 | 仮面ライダークウガ(TV) | 東映・テレビ朝日 |
第34回 | 2003年 | ほしのこえ | 新海誠 |
第35回 | 2004年 | ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 | ピーター・ジャクソン監督 |
第36回 | 2005年 | プラネテス | 谷口悟朗監督 |
第37回 | 2006年 | 特捜戦隊デカレンジャー(TV) | 東映 |
第38回 | 2007年 | 時をかける少女 | 細田守監督 |
第39回 | 2008年 | 電脳コイル | 磯光雄監督・電脳コイル製作委員会 |
第40回 | 2009年 | マクロスF | 河森正治総監督・菊地康仁監督 |
第41回 | 2010年 | サマーウォーズ | 細田守監督 |
第42回 | 2011年 | 第9地区 | ニール・ブロムカンプ監督 |
第43回 | 2012年 | 魔法少女まどか☆マギカ | 新房昭之監督・宮本幸裕シリーズディレクター |
第44回 | 2013年 | モーレツ宇宙海賊 | 佐藤竜雄監督 |
第45回 | 2014年 | パシフィック・リム | ギレルモ・デル・トロ監督 |
第46回 | 2015年 | 宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟 | 出渕裕監督・別所誠人チーフディレクター |
第47回 | 2016年 | ガールズ&パンツァー 劇場版 | 水島努監督・「ガールズ&パンツァー 劇場版」製作委員会 |
第48回 | 2017年 | シン・ゴジラ | 庵野秀明総監督・樋口真嗣監督&特技監督 |
第49回 | 2018年 | けものフレンズ | たつき監督 |
第50回 | 2019年 | SSSS.GRIDMAN | 雨宮哲監督 |
第51回 | 2020年 | 彼方のアストラ | 安藤正臣監督 |
第52回 | 2021年 | ウルトラマンZ | 田口清隆監督 |
第53回 | 2022年 | ゴジラ S.P <シンギュラポイント> | 高橋敦史監督 |
第54回 | 2023年 | シン・ウルトラマン | 樋口真嗣監督・「シン・ウルトラマン」製作委員会 |
※第9回から創設
- | 年度 | 作品名 | 作者 |
---|---|---|---|
第9回 | 1978年 | 地球(テラ)へ… | 竹宮惠子 |
第10回 | 1979年 | 不条理日記 | 吾妻ひでお |
第11回 | 1980年 | スター・レッド | 萩尾望都 |
第12回 | 1981年 | 伝説 | 水樹和佳子 |
第13回 | 1982年 | 気分はもう戦争 | 矢作俊彦、大友克洋 |
第14回 | 1983年 | 銀の三角 | 萩尾望都 |
第15回 | 1984年 | 童夢 | 大友克洋 |
第16回 | 1985年 | X+Y | 萩尾望都 |
第17回 | 1986年 | アップルシード | 士郎正宗 |
第18回 | 1987年 | うる星やつら | 高橋留美子 |
第19回 | 1988年 | 究極超人あ〜る | ゆうきまさみ |
第20回 | 1989年 | 人魚の森 | 高橋留美子 |
第21回 | 1990年 | So What? | わかつきめぐみ |
第22回 | 1991年 | 宇宙大雑貨 | 横山えいじ |
第23回 | 1992年 | ヤマタイカ | 星野之宣 |
第24回 | 1993年 | OZ | 樹なつみ |
第25回 | 1994年 | DAI-HONYA | とり・みき |
グラン・ローヴァ物語 | 紫堂恭子 | ||
第26回 | 1995年 | 風の谷のナウシカ | 宮崎駿 |
第27回 | 1996年 | 寄生獣 | 岩明均 |
第28回 | 1997年 | うしおととら | 藤田和日郎 |
第29回 | 1998年 | SF大将 | とり・みき |
第30回 | 1999年 | ルンナ姫放浪記 | 横山えいじ |
第31回 | 2000年 | イティハーサ | 水樹和佳子 |
第32回 | 2001年 | カードキャプターさくら | CLAMP |
第33回 | 2002年 | プラネテス | 幸村誠 |
第34回 | 2003年 | クロノアイズ | 長谷川裕一 |
第35回 | 2004年 | 彼方から | ひかわきょうこ |
第36回 | 2005年 | ブレーメンII | 川原泉 |
第37回 | 2006年 | 陰陽師 | 夢枕獏・岡野玲子 |
第38回 | 2007年 | ヨコハマ買い出し紀行 | 芦奈野ひとし |
第39回 | 2008年 | 20世紀少年、21世紀少年 | 浦沢直樹・長崎尚志 |
第40回 | 2009年 | トライガン・マキシマム | 内藤泰弘 |
第41回 | 2010年 | PLUTO | 浦沢直樹・手塚治虫 |
第42回 | 2011年 | 鋼の錬金術師 | 荒川弘 |
第43回 | 2012年 | 機動戦士ガンダム THE ORIGIN | 安彦良和 |
第44回 | 2013年 | 星を継ぐもの | J.P.ホーガン・星野之宣 |
第45回 | 2014年 | 成恵の世界 | 丸川トモヒロ |
第46回 | 2015年 | もやしもん | 石川雅之 |
第47回 | 2016年 | シドニアの騎士 | 弐瓶勉 |
第48回 | 2017年 | こちら葛飾区亀有公園前派出所 | 秋本治 |
第49回 | 2018年 | それでも町は廻っている | 石黒正数 |
第50回 | 2019年 | 少女終末旅行 | つくみず |
第51回 | 2020年 | バビロンまでは何光年? | 道満晴明 |
ニンジャバットマン | 久正人 | ||
第52回 | 2021年 | きみを死なせないための物語 | 吟鳥子 |
鬼灯の冷徹 | 江口夏実 | ||
第53回 | 2022年 | 絶対可憐チルドレン | 椎名高志 |
第54回 | 2023年 | チ。-地球の運動について- | 魚豊 |