プレイ人数 | 2 |
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対象年齢 | 制限なし |
準備時間 | 1分未満 |
プレイ時間 | 5-15分 |
運要素 | 高 |
必要技能 | 駆け引き、戦略 |
暗棋 | |
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各種表記 | |
繁体字: | 暗棋 |
簡体字: | 暗棋 |
拼音: | ànqí |
発音: | アンチー |
暗棋(アンチー、あんき)は、半棋または盲棋とも呼ばれ、2人で行う中国の盤上遊戯である。4x8の升目、またはシャンチーの盤の半分を用いる。ゲームにかかる時間は通常10分から20分であるが、高度なゲームは1時間以上かかることもある。暗棋はソーシャルゲームであり、真剣な競技としてよりは、遊びとして行われる。このゲームのより本式な版が闘獣棋・軍棋などに発展した可能性がある。
暗棋専用の盤は存在しないが、シャンチーの盤の半分を使って遊ぶのが普通である(通常は河の片側だけを使用する)。
暗棋はシャンチーの駒を使用する。駒を裏返したときに、駒の裏から何の駒であるかがわからないようにしなければならない。裏側に国際化した絵が描いてある駒は使えない。各競技者は、7種16枚の駒を動かす。普通の駒では、片方の競技者の駒が赤く、もう一方の競技者の駒が黒い。文字はここに書かれているものと異なる場合がある。詳細はシャンチーを参照。
駒の名前 | 駒の数 | 注 |
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帥(シュワイ)・将(ジャン) | × 1 | 最高位。兵以外のすべての駒を取ることができる。 |
仕・士(シー) | × 2 | 台湾ルールでは2番目に強い。 |
相・象(シャン) | × 2 | |
俥・車(チュー) | × 2 | 香港ルールでは2番目に強い。 |
傌・馬(マー) | × 2 | |
兵(ピン)・卒(ツー) | × 5 | 最低位だが、帥(将)を取ることができる。 |
炮・砲(パオ) | × 2 | 台湾ルールでは特別な能力を持つ。 |
32枚の駒をまぜて、裏返しのまま盤の升目に置く。駒はシャンチーが線の交点に置くのと異なり、将棋やチェスとおなじように升目の中に置く。
ひとりがまず1枚の駒をめくって表に向ける。先手が表に向けた駒の色が、先手側の色となる。もうひとりが次の手を指し、あとはゲーム終了まで交代に手を指す。
片方の競技者が駒を動かせなくなると、そこでゲームは終了し、動かせなくなった側の負けになる。もっとも多いのは、すべての駒が取られて、動かす駒がなくなってしまう場合である。しかし、すべての駒が敵の駒に囲まれてしまって動けなくなる場合も存在する。
3種類の手がある。競技者は駒を表返すか、駒を動かすか、敵の駒を取ることができる。1回に複数の駒を取れる変種も存在する。
裏返った駒がある場合、それをめくることができる。めくってみるまでは、その駒が自分の駒か敵の駒かはわからない。表になった駒は動かしたり、ほかの駒を取ったり、取られたりすることができる。裏返った駒を取ることのできる変種も存在する。
競技者は、自分の色の、表になった駒だけを動かすことができる。
シャンチーと異なり、すべての駒で動きは同じである。駒は縦横に1マスずつ動かすことができる。駒の進路に別な駒がすでにいる場合、その駒を取ることができる場合をのぞいて、そこに移動することはできない。
すべての駒は、動くときと取るときで同じ動きをする(台湾ルールでの炮を除く)。
競技者は、表になった自分の色の駒で、表になった敵の色の駒を取ることができる。取った駒は盤上から除いて、取られた駒がもといた場所には取った駒が置かれる。
駒には強さの順位があり、帥(将)がもっとも強く、兵(卒)がもっとも弱い。1つの例外をのぞいて、強い駒で弱い駒を取ることはできるが、逆はできない。たとえば、車は馬を取れ、将は車も馬も取れるが、馬で車を取ったり、馬や車で将を取ったりすることはできない。唯一の例外は帥(将)と兵(卒)の場合で、将は卒を取れず、卒は将を取ることができる。この逆転は軍人将棋に似ている。自分と同じ順位の駒は取ることができる。
香港ルールの駒の順位は以下のとおりである: 将、車、馬、炮、士、象、卒。この順位はおおむねシャンチーの駒の価値に対応している(馬と炮のどちらが価値が高いかは議論の余地があるが)。駒を取るときの動きは、単に動かすときと変わらない(上下左右に1マスずつ動く)。
台湾ルールでは、駒の順位は以下のとおりである: 将、士、象、車、馬、卒。この順位はシャンチーの駒の初期配置をもとにしている。ただし車と馬の順位は逆になっている。炮以外の駒では、駒を取るときの動きは単に動かすときと変わらない(上下左右に1マスずつ動く)。炮は特殊で、通常の駒の順位に含まれていない。炮はどの種類の駒も取ることができるが、兵(卒)をのぞく任意の駒から取られる。炮が駒を取るときの動きはシャンチーとおなじで、縦横にいくらでも直進して、中間にあるひとつの駒を飛びこえて取る。炮と取られる駒の間には、中間のひとつの駒以外の駒があってはならない。中間にある駒は敵の駒でも味方の駒であってもかまわないし、表になっていても裏返っていてもかまわない。炮はどんな駒でも取ることができるが、必ず中間に駒がなければならない。したがって、炮はすぐ隣の升目にある駒を取ることができない。
炮で駒を取るルールについては、ほかにもさまざまな変種ルールをつけ加えることができる。
大陸ルールは台湾と同様であることが多い。
千日手は、ひとりの競技者が循環した動きを強制した場合に起きる。典型的な千日手は、片方がくりかえし敵の駒を攻撃するが、それが取れない場合である。千日手の判定は地域差がある。
千日手が許されるゲームは、五分の戦いが増える傾向がある。一方的なゲームが、千日手を避けるために駒を捨てることにより、しばしばおもしろい試合に変化する。
コンピュータ上の暗棋プログラムでは、駒をめくったり取ったりしないまま互いに数十手進行すると、自動的に引き分けになることがある。
象虎獅豹狗狼猫鼠は暗棋の変形で、シャンチーの駒のかわりに闘獣棋の駒を用いる。盤は4×4の16マスのものを使う。駒の順位は闘獣棋と同じで、それ以外のルールは基本的に暗棋と同様である。
ほかに、軍棋でも最初に駒を裏返しておいて、暗棋と同様にめくっていく変種が存在する。