『月刊コミックジーン』(げっかんコミックジーン)は、日本の出版社であるKADOKAWA メディアファクトリーより発行されている月刊漫画雑誌。2011年6月15日に創刊第1号(7月号)が発売された。
創刊発表[編集]
株式会社メディアファクトリー時代の2010年12月4日に「2011年4月の創刊」を発表[4]。発表時のキャッチコピーは「〜覚醒(めざ)めよ感動遺伝子(ジーン)!!ドラマティック∞スタイリッシュ∞コミック!!〜」で、「「少女誌=女子読者」「少年誌=男子読者」というこれまでの図式にとらわれない新雑誌を目指す」雑誌とされていた[4]。連載のラインナップは、2010年12月29日に開催されたコミックマーケット79で配布された「コミックジーン超創刊!!特製パンフレット」でも発表[5][6]。パンフレットはポケットティッシュとともに全国の提携専門書店でも配布された[6]。また、同月から本誌の公式サイトにて、壁紙やフラッシュムービーの配信、連載作家のインタビューなどを掲載し、創刊に先がけた「3ヶ月ぶっ通し覚醒前夜祭-コミックジーン・イヴ-」を開催[6]。
創刊まで[編集]
2011年1月25日にpixivとコラボレートし、「ジーン学園制服デザインイラストコンテスト」を開催[7]。イラストレーターのオサムが描く本誌の公式キャラクターが着用する制服のデザインを募集する企画であった[7]。当初は2011年4月に創刊と発表されていたが[4]、同年3月11日に発生した東日本大震災の影響を受け、3月22日に発売延期を発表[8]。本誌の公式サイトでは、連載作家による東日本大震災の応援メッセージが公開された[8]。3月31日、創刊日が6月15日になったことを発表[9]。雑誌のコンセプトは創刊時編集長の土方隆の中では遠藤海成ありきでのものであり[10]、4月1日には公式サイトにて、遠藤の特設ページが開設された[11]。
創刊を記念して、4月15日から4月24日まで「コミックジーンカフェ」を東京都秋葉原のキュアメイドカフェにて開催[12]。本誌に連載が予定されていた遠藤海成の『まりあ†ほりっく』のスピンオフや、霜月かいりの『BRAVE10 S ブレイブ・テン・スパイラル』の作品のキャラクターにちなんだメニューが展開された[12]。
2011年6月15日に創刊[13]。創刊号の価格は税込み490円であった[1]。創刊時の編集長の土方隆によると、「中学生がおこづかいの中からがんばって出せる値段」で、ワンコイン以下で購入可能なこの価格設定にされた[14]。土方によると、当時のメジャー誌以外では最安値の価格で、創刊時は少しずつ値段を上げるつもりはなく、「基本的にはずっとこの値段」で、「お得になるように」付録をつけるという考えであった[14]。創刊号から3号は、3点の付録が付属された[15]。
創刊時の看板作品は遠藤海成の『黒犬O'clock』で[1]、創刊号の表紙にも同作のイラストを使用[13]。表紙に記載されたキャッチコピーは「覚醒(めざ)めよ感動遺伝子(ジーーーン)!」であった[16][14]。中二要素入りであるが、「感動」と「ジーン」をかけるなど、後づけであるがダジャレが使用されており、遠藤によると「感動遺伝子」や「超創刊」といった単語の「ダサい、アチャー感がいい」キャッチコピーとなっている[14]。創刊を記念して、6月19日にアニメイト秋葉原にて遠藤のサイン会を開催[17]。
創刊後[編集]
創刊○周年の号では、連載作家たちによる直筆サイン色紙のプレゼント企画を展開[18]。2017年の6周年[19]、2018年の7周年[20]、2019年の8周年[21]、2020年の9周年[22]、2021年の10周年[23]、2022年の創刊11周年[24]、2023年の創刊12周年[18]、2024年の13周年で企画が行われた[25]。
そのほか2017年6月15日の創刊6周年では、東京都の渋谷マルイ8階イベントスペースにて、「ジーン 6 フェスティバル〜コミックジーン創刊6周年アニバーサリーショップ〜」を展開[26]。ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』の衣装や『SERVAMP-サーヴァンプ-』のクロの等身大スタンディパネルなどが展示された[26]。2021年6月15日に創刊10周年を迎えた際は[27]、同日、10周年企画の一環として、中村悠一がナレーションを務める記念PVを公開[27]。そのほか、特設サイトやTikTokアカウントも開設された[27]。2023年11月18日からは、創刊12周年を記念して東京都アニメイト池袋本店の3階にて、展示とオンリーショップを開催[28]。
同誌発のオリジナル作品のアニメ化には『BRAVE10』、『オレん家のフロ事情』、『SERVAMP-サーヴァンプ-』、『恋するシロクマ』(ただし、劇場ぷちアニメ)、『あっくんとカノジョ』、『ぼくのとなりに暗黒破壊神がいます。』、『殺し愛』、実写化に『ニーチェ先生〜コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた〜』がある。
コンセプトは「女子向けの少年漫画雑誌」[1]。雑誌名は英語で遺伝子を意味する「Gene」から取られており、[要出典]『コミックフラッパー』や『月刊コミックアライブ』からのスピンオフ・移籍作品が多い。[独自研究?]
創刊時の編集長の土方隆によると、本誌は少年誌であるため、作品にはヒロインも登場するが「基本的には主人公は男」である[10]。土方は「少年誌は、主人公の少年たちがどうやってがんばっていくかっていう過程を見る」ものであると考える[10]。土方によると「読者が少年であればそれを自分に置き換える」が、少女の場合は「同様に主人公の少年に自分を投影する場合」や「「もし自分が少女でなかったら主人公たちの仲間になって一緒に戦っているかもしれない」って想像して楽しむ場合」、また「ファン目線で、校庭でがんばっている男子を応援する場合」もあるという[10]。主人公が男ばかりの作品でも「男ハーレム」にすると乙女ゲームのようになってしまい、少年誌ではなくなるため、本誌のコンセプトからは外れる[10]。乙女ゲームの市場の規模は大きく、そういう作品で面白いものを描く漫画家もいるが、「中二病の人がそれを求めるのか」という議論の末に、創刊時には「そういう企画は全部ボツ」になっている[10]。
創刊時は「みんなで楽しむ雑誌」にしたい土方の考えにより、2人や3人で応募が可能な読者プレゼントの企画が存在していた[14]。
一時はカゲロウデイズのコミカライズを筆頭に、ボーカロイド楽曲に関連するメディア展開が他より多く見受けられた。[独自研究?]
歴代編集長[編集]
連載作品[編集]
連載中の作品[編集]
※2024年7月号現在。
連載終了作品[編集]
2011年[編集]
2012年[編集]
- アクエリオンEVOL(原作:河森正治・サテライト、漫画:あおぎり):2012年2月号 - 2014年7月号
- あかやあかしやあやかしの(原作:HaccaWorks*、作画:七生):2012年3月号 - 2016年7月号
- うた変。(杉田圭):2012年5月号 - 2012年10月号
- 新次元アセンション(渡辺瑞樹):2012年6月号 - 2013年10月号
- ダブルゲージ(沙雪):2012年6月号 - 2014年8月号
- カゲロウデイズ(原作:じん、漫画:佐藤まひろ):2012年7月号 - 2019年3月号
- ラノベ王子☆聖也(さかもと麻乃):2012年7月号 - 2013年4月号
- あおくび大根 生ですの。(こめ助):2012年10月号 - 2013年5月号
- RACK-13係の残酷器械-(荊木吠人):2012年10月号 - 2019年7月号
- 煉國のカルタグラ(高橋燎央):2012年10月号 - 2013年8月号
- アンドロマリウス(幸路):2012年11月号 - 2013年10月号
- いまさらノストラダムス(善内美景):2012年11月号 - 2013年10月号
- 俺アリス〜男女逆転〜(原作:ビジュアルワークス、漫画:狩野アユミ):2012年11月号 - 2013年12月号
- 囚人と紙飛行機 少年パラドックス(原作:猫ロ眠@囚人P、漫画:紅村岬):2012年11月号 - 2013年10月号
- 僕と先輩の鉄拳交際(原作:成田駿、作画:おそら):2012年11月号 - 2014年5月号
2013年[編集]
2014年[編集]
- SSS!(原作:やまだ有見、漫画:hatsuko):2014年1月号 - 2015年6月号
- シャントラ —絶対依存の歌姫—(原作:囚人、漫画:木虎こん):2014年1月号 - 2015年4月号
- ドロボウナイトトリック(原作:ゆちゃP、漫画:幸路、シナリオ協力:猪原賽、キャラクター原案:hatsuko|HND/hatsuko):2014年1月号 - 2014年10月号
- 霧雨が降る森(原作:真田まこと、漫画:名束くだん):2014年4月号 - 2015年11月号
- 黙示録アリス(原作:鏡貴也、漫画:ようこ)、キャラクター原案:加藤勇樹):2014年4月号 - 2015年7月号
- なんくる!(さだうおじ):2014年5月号 - 2015年11月号
- にんぶるどん(加藤ミチル):2014年6月号 - 2015年3月号
2015年[編集]
- 第九のマギア(漫画:漣一弥、監修:堀江宏樹):2015年2月号 - 2016年1月号
- BUDDY ANTIQUE-バディ・アンティーク-(マツリ):2015年4月号 - 2016年2月号
- セカイでいちばんアイしてる(島陰涙亜):2015年5月号 - 2016年2月号
- Sストな藤原くん(高松翼):2015年6月号 - 2016年5月号
- ほねほね探偵ホームズ(鳴希りお):2015年6月号 - 2016年2月号
- ハルナナナ〜榛名さん家の7人のお兄ちゃん〜(缶爪さわ):2015年7月号 - 2016年9月号
- 花魁地獄(幸路):2015年9月号 - 2016年12月号
- 銭谷くんの恋は金次第(季野このき):2015年9月号 - 2016年8月号
- 宵待リビング×デッド(笹木あおこ):2015年10月号 - 2016年8月号
- 殺し愛(Fe):2015年11月号 - 2023年2月号[41]
- 殺戮の天使(原作:真田まこと、漫画:名束くだん):2015年11月号 - 2020年10月号[42]
- 大魔法使いなんです…よね?(U-temo):2015年11月号 - 2016年2016年11月号
2016年[編集]
- 飢囚獣—ガンドッグ—(ようこ):2016年2月号 - 2017年4月号
- 魔王様としゅんくん(monaca):2016年2月号 - 2023年12月号
- レムレスブルーの午前2時(原作:心太、漫画:おの秋人):2016年4月号 - 2017年1月号
- 春日坂高校漫画研究部(原作:あずまの章、漫画:島陰涙亜、キャラクター原案:ヤマコ):2016年5月号 - 2017年8月号
- さつてん!(原作:真田まこと、漫画:negiyan):2016年5月号 - 2021年4月号[43]
- ヤモリ先輩といっしょでいいんじゃね?(さだうおじ):2016年5月号 - 2017年4月号
- クズ×キリ男子〜俺たちのカースト最下層ライフ〜(藤山はるいち):2016年6月号 - 2018年4月号
- キンプリ!(漫画:高松翼、協力:キングオブプリズム製作委員会):2016年7月号 - 2017年6月号
- NIRVANA-ニルヴァーナ-(じん×沙雪):2016年7月号 - 2018年4月号
- あやかしパレードゲーム(霜月かいり):2016年8月号 - 2018年4月号
- ゲームオーバードーズ(伊吹有):2016年8月号 - 2017年7月号
- なむあみだ仏っ!(原作:ビジュアルワークス、漫画:結城あみの):2016年8月号 - 2017年4月号
- ばけもの夜話づくし(マツリ):2016年8月号 - 2019年6月号 ※『コミックNewtype』へ移籍
- 職人男子 神田くん(木下さとし):2016年9月号 - 2017年9月号
- バチカン奇跡調査官(原作:藤木稟、漫画:日野杏寿、キャラクター原案:THORES柴本):2016年9月号 - 2019年1月号
- キョウト彩奪ギャングスタア(拓平):2016年10月号 - 2017年6月号
- とぅ君とあたしの八千日間(こしせ):2016年10月号 - 2017年11月号
2017年[編集]
- 春告と雪息子(原作:弓部早苗 (melt Lab.)、漫画:hagi):2017年6月号 - 2018年11月号
- ぼくらの選択(漣ミサ):2017年6月号 - 2018年12月号
- 戦刻ナイトブラッド(原作:『戦刻ナイトブラッド』プロジェクト、漫画:おの秋人):2017年7月号 - 2018年10月号
- 美少年戯譚(かぐらひより):2017年7月号 - 2018年7月号
- 俺の推しが世界一輝いている 〜2.5次元舞台おっかけ男子の活動記録〜(缶爪さわ):2017年8月号 - 2019年4月号
- 人外CPかたろぐ。(笹木あおこ):2017年8月号 - 2018年12月号
- 龍の歯医者(原作:舞城王太郎、漫画:ようこ):2017年10月号 - 2018年1月号
- デビルデザイアーズ!!(拓平):2017年11月号 - 2018年3月号
- 偉人ですか? 英雄ですか? 死んでもらっていいですか?(下瀬川ひなる):2017年12月号 - 2019年5月号
- 神様の子守はじめました。(原作:霜月りつ、漫画:季野このき):2017年12月号 - 2019年4月号
- :radical(原案:間汐、原作協力:SUNPLANT、漫画:蓮乗寺メイ):2017年12月号 - 2019年3月号
2018年[編集]
- exENDs-エクスエンズ-(原作:まなーん、漫画:トリ):2018年1月号 - 2019年4月号
- 御茶ノ水ロック(原作:TVドラマ『御茶ノ水ロック』、漫画:七生):2018年1月号 - 2018年11月号
- ゆびきりばこ(結城あみの):2018年1月号 - 2018年10月号
- 5★G★B-ファイブ・ジーナー・ブラザーズ-(桑佳あさ):2018年5月号 - 2019年4月号
- 暗殺者ROSE-アサシンロゼ-(原作:紗結、漫画:おだやか):2018年6月号 - 2019年3月号
- 四見塚の怪異さん(原作:HIJIKI、漫画:緑川葉):2018年6月号 - 2019年3月号
- シゴトオサメ -職業病事件帳-(磐秋ハル):2018年7月号 - 2019年6月号
- トライナイツ(原作:矢野俊策、漫画:衿沢千束):2018年7月号 - 2019年9月号
- キリザキ君は。(原作:幕末志士、漫画:わんにゃんぷー):2018年9月号 -
- アルネの事件簿(原作:春紫、漫画:稲空穂):2018年12月号 -
2019年[編集]
- 錆色のアーマ(漫画:hagi、原案:「錆色のアーマ」プロジェクト):2019年2月号 - 2019年11月号
- 白蛇嬢にキスください。(よはち):2019年3月号 - 2020年2月号[44]
- 終末の貞子さん(漫画:夏見こま、監修:KADOKAWA):2019年5月号 - 2019年8月号
- ぼくらの七日間戦争(原作:宗田理、漫画:笹木あおこ、キャラクター原案:はしもとしん):2019年5月号 - 2019年8月号
- 警視庁 特務部 特殊犯罪対策室 第七課 トクナナ File.0(原作:TVアニメ「トクナナ」、漫画:漣ミサ、キャラクター原案:黒乃奈々絵):2019年6月号 - 2020年4月号[45]
- BLACK BABYLON -ブラック・バビロン-(日野杏寿):2019年6月号 - 2020年5月号[29]
- ブロードキャスト(原作:湊かなえ、漫画:くらの):2019年6月号 - 2020年4月号[45]
- 君の横顔しか見れない(十屋つぐみ):2019年9月号 - 2020年7月号[46]
- 劇場版アニメ ぼくらの7日間戦争(原作:宗田理、ストーリー原案:ぼくらの7日間戦争製作委員会、漫画:笹木あおこ):2019年9月号 - 2020年1月号
- バズ恋レシピ生活(原作:リュウジ、漫画:杜若わか):2019年9月号 - 2020年7月号[46]
- 滅亡世界で悪の科学者と愛を育まないといけないようです(磐秋ハル):2019年9月号 - 2020年9月号
- ほうき世界のアレアとイアラ(赤瀬よぐ):2019年11月号 - 2020年10月号[42]
2020年[編集]
2021年[編集]
2022年[編集]
- アラクノマニア(荊木吠人):2022年1月号[57] - 2022年10月号
- 永久少年 Eternal Boys(原作:満福芸能プロダクション、漫画:ちゃんさな):2022年5月号[32] - 2023年8月号
- 談虎色変-虎を談じて色変ず-(螢):2022年8月号[48] - 2023年1月号
- エージェント・エンジェル(外世とか):2022年10月号[49] - 2023年6月号[33]
- ピエタとトランジ(原作:藤野可織、漫画:キスガエ):2022年10月号[49] - 2023年12月号
- 八百万しんせん食堂(伊戸川チェル):2022年11月号[58] - 2023年4月号
2023年[編集]
映像化作品[編集]
アニメ化[編集]
実写化[編集]
レーベル[編集]
掲載作品の単行本は、ジーンコミックス(MFコミックス ジーンシリーズレーベル)より発行される[65]。2011年11月24日より東京、名古屋、大阪などの地域でジーンコミックスのCMを放送[65]。小野大輔がCMを担当した[65]。レーベルは同年11月26日に創刊[65]。創刊第1弾は6タイトルが選出され、遠藤海成の『黒犬O'clock』第1巻、原作:Tennenouji・渦八の『ラッキードッグ1 BLAST』第1巻、藤山海里の『虚構の王』第1巻、狩野アユミの『独裁グリムワール』第1巻、藍屋球の『アンティマギア』第1巻、原作:新海誠・ひだかあさひの『星を追う子ども アガルタの少年』第1巻が刊行された[65]。
関連誌・ウェブサイト[編集]
- ジーンピクシブ
- 2014年10月27日よりpixivコミックで配信のウェブコミック配信サイト[66]。
- ジーンLINE
- 2018年4月27日よりLINEマンガで配信のレーベル[67]。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]