本田 博太郎(ほんだ ひろたろう、1951年2月8日[2] - )は、日本の俳優、書家[3]。茨城県水戸市出身。前事務所マツ・カンパニーは2024年5月末日を以て解散。その後、合同会社久保田企画に所属。長男は俳優の本田大輔。
茨城県水戸市に4人兄弟の末っ子として生まれ、9歳の時に母を亡くし、男手一つで4人の子育てをする父のもとで育つ。夜に父に連れられて行った近所の映画館で、ドロドロした人間の業や悲哀を描いた巨匠監督の映画を見るのが唯一の楽しみだったという[4][5]。
役者になることを夢見て、高校卒業後まもなく家出同然で上京。小さな劇団を立ち上げて閉店後の喫茶店を借りて芝居の上演など続けた後、文学座演劇研究所を経て劇団青俳に所属した。幼いころ映画で見た三國連太郎に憧れて、芸名を本名の「博史」から「博太郎」へと変えた。1977年には日活ロマンポルノ『性と愛のコリーダ』で映画に初出演した。一方で10年ほどにわたるアルバイト生活の中で多くの職業を経験し、後の演技の土台となるさまざまな社会経験を積んだ[3][6][4][5]。
若くして結婚し子供が生まれ、日々の生活に追われて夢を追い続ける気持ちが揺れ始めた1979年、28歳の時に「この舞台を最後にしよう」と臨んだ蜷川幸雄演出の舞台『近松心中物語』で、公演中に突然腰を痛めたため降板した主演の平幹二朗の代役に当時無名だった本田が大抜擢されて翌日からの公演を務め上げ、28歳という当時の帝国劇場での最年少座長記録も同時につくり一躍脚光を浴びた。続く同年8月の蜷川演出の舞台『ロミオとジュリエット』とあわせて、第17回ゴールデン・アロー賞新人賞を演劇部門で受賞した[3][4][5][7]。
1980年、たのきんトリオ出演の『ただいま放課後』の熱血教師・ドンガメ先生(寺泉憲とのダブル主演)役を演じ、世間に知られるようになる。この頃まで多く存在した新劇出身アイドルのような位置から次第に悪役や喜劇的な役柄にシフトしていった。
1981年には工藤栄一に認められ、『必殺仕舞人』『新・必殺仕舞人』に主演メンバーとして参加し、代表作となる。
2時間ドラマでは、複数回、狩矢警部役で出演。
善人役から悪役まで幅広く演じる日本を代表する名バイプレーヤーの1人[3]。声を生かしてナレーションを務めることもある。
自分の出演作品の毛筆題字を数多く手掛け、最近では書家としても活躍して活動の幅を広げている[6]。その一環として、時代劇『髪結い伊三次』や、『能登の花ヨメ』、『砦なき者』、『父からの手紙』、『ぶるうかなりや』などの題字を書いている。
- 晩年の岡本喜八監督にも気に入られ、利重剛と共に喜八一家最終メンバー的な存在となり[7]、監督の葬儀告別式では司会進行を担当した(生前の岸田森からは喜八一家メンバー心得アドバイスを受けている)。
- 現在に至るまで金子修介監督とも付き合いが長い。
- 奥山佳恵を見ながら涙ぐんで上半身裸になる男性を演じたアコム、オダギリジョーと共演したライフカード等のCMでの怪演も注目された(ライフカードのCMは俳優の名前を実名で呼ぶ伝統があるが、この伝統を破って役名を与えられた初の俳優でもある)。
- その硬軟を自然に演じ分ける芸風は、彼の名を冠した楽曲「本田博太郎〜magical mystery UPAAAAAAAAA!!!!!〜」(作詞:宮藤官九郎、作曲:富澤タク)を唄う、劇団大人計画から派生したロックバンドグループ魂に取り上げられており、同曲のPVにもノリノリで出演。その八面六臂ぶりを遺憾なく発揮した[6]。
- 『時をかける少女』(南野陽子版)、『君の手がささやいている』など、いくつもの作品で父親役を演じているが、『エラいところに嫁いでしまった!』では、ほとんどのセリフを「うーん」しか言わないというユニークな父親役を務め、話題になった。
- 特技は剣道と柔道[8]。趣味は書で[1]、緒形拳の書の個展を見たことを契機に「少しでも近づけたら」と力を注ぎ、『眠狂四郎』や『悪いやつほどよく眠る』などのテレビドラマの題字を手がけるまでになった[7]。
- 1979年の舞台『近松心中物語』で平幹二朗の代役に大抜擢される前は全く芽が出ず、その時には既に子供が2人いたのでこの舞台を最後に俳優を辞めて郷里に帰るつもりだった。
- 普段の本田は愛妻家で、愛犬家。
- 連続企業爆破テロ 40年目の真実(2015年5月22日、フジテレビ系列)
- 獣のように(1990年) - 朝比奈
- 髑髏戦士スカルソルジャー(1992年) - 伯牙天慌
- 青い豹 シリーズ(1994年)
- 青い豹 最も危険なヒットマン(1994年)
- 青い豹2 88は殺しのナンバー(1994年)
- 本気!シリーズ(1994年 - 2003年) - 染夜壮志
- 難波現金問屋 とんぼりの竜(1995年)
- 仕切り屋五郎(1995年)
- サンクチュアリ PART2(1995年) - 狩谷久雄(民自党代議士)
- 極道の2号たち(1996年) - ジョニー
- ROZE 殺戮の女豹(1996年) - 武藤
- 仁義なき野望2(1997年) - 山根組長
- 仁義11・北陸極道狩り(1997年) - 藤代組若頭 赤津
- 首領への道シリーズ(1998年 - 2005年) - 飯島刑事
- 新 湾岸ミッドナイト(1998年)
- 平成残侠伝 血闘(1999年) - 寺田
- ナニワの用心棒(1999年) - 佐久間
- 侠道5・6(2001年) - 蔵元代議士
- 実録・最後の総会屋(2001年) - 島原(総会屋)
- 全国制覇テキ屋魂(2001年) - 橋本誠二
- 龍が如く〜序章〜(2005年) - 東城会系風間組組長 風間新太郎
- 死刑確定 IV・V(2006年) - 野田大吾
- ^ テレビ朝日系「必殺仕舞人」エンディング。
- ^ a b TBS系テレビドラマ木曜座「夜の花火」挿入歌。
- ^ a b “本田 博太郎”. 日本タレント名鑑. VIPタイムズ社. 2016年11月27日閲覧。
- ^ 日外アソシエーツ株式会社編『新訂 現代日本人名録2002.4 ひろーわ』日外アソシエーツ株式会社、2002年1月28日、410頁。
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- ^ a b c “ひとりごと 本田博太郎”. ZAKZAK (産経デジタル). (2006年1月21日). http://www.zakzak.co.jp/hitorigoto/20060121.html 2016年11月27日閲覧。
- ^ a b c “職人として役を演じる。勝負はこれから 本田 博太郎(ほんだ ひろたろう)さん”. 常陽リビング. (2013年1月4日). http://www.joyoliving.co.jp/topics/201212/tpc1212054.html 2016年11月27日閲覧。
- ^ a b c “スタジオパークからこんにちは”. TVでた蔵 (2012年2月7日). 2013年8月9日閲覧。
- ^ a b c 香取俊介 (2014年8月1日). “ぴいぷる 【本田博太郎】思い出深い岡本喜八監督との仕事”. zakzak by 夕刊フジ. https://www.zakzak.co.jp/people/news/20140801/peo1408010830001-n1.htm 2016年11月27日閲覧。
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- ^ 仲村トオル主演、江上剛氏の『ラストチャンス再生請負人』連ドラ化 - ORICON NEWS(2018-05-18 07:08)
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- ^ “即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト 「ビズリーチ」テレビCM第2弾 10/29(土)放送開始”. ビズリーチ (2016年10月28日). 2016年11月20日閲覧。
- ^ 電撃オンライン. “ダークファンタジー世界を切り裂く“黒の騎士”――グラスホッパー・マニファクチュアの新作『Black Knight Sword』が明日1月10日に配信”. 電撃オンライン. 2023年9月23日閲覧。
- ^ 伊集院光とらじおと