東京貨物ターミナル駅 | |
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旧駅社屋の全景。跡地にはマルチテナント型物流施設「東京レールゲート」のWEST棟が完成している(2011年3月) | |
とうきょうかもつターミナル Tōkyō Kamotsu Terminal | |
◄浜松町* (7.1 km) (7.6 km) 川崎貨物► | |
所在地 | 東京都品川区八潮3丁目3-22 |
所属事業者 | |
所属路線 |
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キロ程 | 7.1 km(浜松町起点) |
電報略号 | タミ |
駅構造 | 地上駅 |
開業年月日 | 1973年(昭和48年)10月1日 |
備考 | 貨物専用駅・旅客乗降不可 |
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東京貨物ターミナル駅(とうきょうかもつターミナルえき)は、東京都品川区八潮三丁目にある日本貨物鉄道(JR貨物)・東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅である。旅客列車の設定はないがJR東日本の旅客駅の扱いとなっている。
当駅は、1973年(昭和48年)10月の東海道本線支線(通称:東京貨物ターミナル支線)汐留駅 - 塩浜操車場(現・川崎貨物駅)間が開業と同時にその区間内途中の東京臨海部の埋立地に開業した貨物駅[1][2][3][4][注 1]で、開業当時はコンテナホーム2面3線のみで、機能はフレートライナー専用ターミナルであった[2][注 2]。1979年(昭和54年)10月にコンテナホーム6面11線に施設が拡大して、全面開業に至った[2]。
東海道本線を中心に日本各地からの貨物列車が多く発着し、隅田川駅と並ぶ東京の二大貨物駅である他、貨物駅として日本最大の面積を持つ駅であり、当駅は一部の貨車の常備駅に指定されており、「東タミ」が貨車に記されている。
元々は国鉄による、東京 - 大阪間を5時間半程度で結ぶ東海道新幹線建設に際し、新線の建設時から同区間で旅客運行が完全に終了となる夜間の時間帯を使って、新幹線と同等の輸送時間で結ぶ「夜行貨物列車」の運行構想があった[5][注 3]。これに際し、1958年(昭和33年)に国鉄幹線調査会が答申して国鉄の新幹線総局計画審議室などが、実現に向けた検討をおこなった[6][7]。その後、実際に計画に沿って大阪側(現在の大阪貨物ターミナル駅)を含めた、貨物ターミナル建設用の広大な土地買収に動いていた。また、従来から使われていた国鉄所有の各種10 ft級コンテナを一周り大きくして、新たに1971年(昭和46年)に登場した新型12 ft 級のC20形コンテナは、在来線のコンテナ列車および進行中の「夜行貨物列車」にも、在来線への積載方向(長手方向)とは異なる縦方向(積み込み口のある片妻ドア側)にして積載できるようにと、コンテナの運用効率と投資負担の軽減を兼ねて開発された[6][7]。
しかし、その後の国内のインフレの影響で、東海道新幹線自体の建設費が当初の計画より2倍近くに膨れ上がった事情のほか、超高速運行にともなう架線やレールなどの設備の集中的な維持管理時間帯の捻出、あるいは独り歩き出来る乗降客とは違って「鎮座しているコンテナ」自体の取り扱い作業に時間が掛かり、結果的には時間短縮の効果が少ないなど旅客輸送効果とは根本的な違いのため、貨物輸送計画を断念した[6][7][注 4]。
その後、不要となった広大な貨物新幹線用地は、現在の東京貨物ターミナル駅や、隣接する電気機関車・ディーゼル機関車用の車両基地などに転用されて、1973年(昭和48年)10月1日に開業したのが始まりである。ただし、当初から現在のような大規模な施設や設備は無く、時代の流れに沿って随時、増改築を繰り返し現在の規模に育っていった。
また、1960年代に計画された東京外環状線構想では、当駅には大井操車場が併設される予定であった。
地上駅。駅構内は、北側から順に着発線群・留置線群、大井機関区の検修庫、コンテナホームの順に配置されている。コンテナホームは5面10線存在する。また、西端のホーム上にコンテナ検修庫が備えられている。
駅西側に隣接して東海道新幹線の大井車両基地があり、そこに併設されている保線基地にレールを引き渡すクレーンがホームの西側に置かれている。一方で駅東側には東京臨海高速鉄道東臨運輸区も隣接している。
構内の東側には、遊休地を活用した複合物流施設「エフ・プラザ東京」が、A棟からL棟までの合計11棟置かれている。A棟は佐川急便、B棟はヤマト運輸、C1棟はリリカラ、C2棟はダイワコーポレーション、D棟は近鉄エクスプレス、E棟は東邦薬品、F棟は札幌通運、G棟は日本運輸倉庫、H棟とI棟はシンシア、J棟はDHL、L棟は日本通運が使用している。また、JR貨物グループの東京貨物開発のコンテナ複合施設(大井事業所)がコンテナホームの南側にあり、これらにも複数のテナントが入っている。
2006年3月から改良工事が行われ、2007年3月ダイヤ改正から新ホームの使用を開始した。改良前は6面10線のホームがあったが、西側から2番目にあったホーム(コンテナ4番線、旧・17番線)の幅が15メートルと狭く、車両の回転が困難であったためホームは使用せず荷役線が留置線として使用されていた。改良工事は、最も東側にあるホームの幅(コンテナ6番・7番ホーム)を25メートルから35メートルに拡幅し、その東側に荷役線1線(6番線)を新設した。狭い上記のホームは撤去し、その跡地に留置線3線(コンテナ1番線 - 3番線)を設置した。新設された荷役線、留置線はそれぞれ延長560m、コンテナ列車26両編成(1300t)に対応。コンテナホーム拡幅面積は6500平方メートル。この工事により有効時間帯の列車増発、列車引き渡し時刻の繰り上げ、荷役線出線時刻の繰り下げが可能となり、ダイヤが乱れた際も駅構内での列車の発着調整が容易になり、ダイヤの乱れを従来より早く収束できると期待された。
(2014年3月15日改正時点)
2011年度の車扱貨物の取扱量は、発送が15トン、到着が2,248トン。コンテナ貨物の取扱量は、発送が1,212,506トン、到着が1,402,002トンであった。近年の年間発着トン数は下記のとおり。
年度 | 総数 | 車扱貨物 | コンテナ貨物 | 出典 | |||
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発送トン数 | 到着トン数 | 発送トン数 | 到着トン数 | 発送トン数 | 到着トン数 | ||
1990年 | 1,601,409 | 2,149,845 | 231,111 | 202,243 | 1,388,298 | 1,947,602 | [統計 1] |
1991年 | 1,631,045 | 2,107,067 | 207,844 | 203,627 | 1,423,201 | 1,903,440 | [統計 2] |
1992年 | 1,531,006 | 1,967,041 | 179,833 | 183,554 | 1,351,173 | 1,783,487 | [統計 3] |
1993年 | 1,443,016 | 1,777,845 | 149,592 | 152,858 | 1,293,424 | 1,624,987 | [統計 4] |
1994年 | 1,348,023 | 1,591,648 | 120,279 | 124,379 | 1,227,744 | 1,467,269 | [統計 5] |
1995年 | 1,387,850 | 1,714,320 | 125,388 | 126,689 | 1,262,462 | 1,587,631 | [統計 6] |
1996年 | 1,390,148 | 1,776,464 | 111,877 | 113,467 | 1,278,271 | 1,662,997 | [統計 7] |
1997年 | 1,353,861 | 1,733,407 | 82,209 | 85,296 | 1,271,652 | 1,648,111 | [統計 8] |
1998年 | 1,204,306 | 1,492,904 | 36,696 | 41,907 | 1,167,610 | 1,450,997 | [統計 9] |
1999年 | 1,162,916 | 1,528,948 | 2,926 | 4,373 | 1,159,990 | 1,524,575 | [統計 10] |
2000年 | 1,221,328 | 1,582,847 | 838 | 2,018 | 1,220,490 | 1,580,829 | [統計 11] |
2001年 | 1,199,503 | 1,511,208 | 868 | 2,166 | 1,198,635 | 1,509,042 | [統計 12] |
2002年 | 1,236,657 | 1,488,769 | 620 | 1,974 | 1,236,037 | 1,486,795 | [統計 13] |
2003年 | 1,267,783 | 1,545,573 | 124 | 1,258 | 1,267,659 | 1,544,315 | [統計 14] |
2004年 | 1,366,790 | 1,618,213 | 1,600 | 1,366,790 | 1,616,613 | [統計 15] | |
2005年 | 1,380,361 | 1,559,129 | 1,762 | 1,380,361 | 1,557,367 | [統計 16] | |
2006年 | 1,389,865 | 1,557,062 | 1,708 | 1,389,865 | 1,555,354 | [統計 17] | |
2007年 | 1,401,176 | 1,534,152 | 1,848 | 1,401,176 | 1,532,304 | [統計 18] | |
2008年 | 1,326,129 | 1,396,661 | 1,996 | 1,326,129 | 1,394,665 | [統計 19] | |
2009年 | 1,237,937 | 1,346,322 | 1,408 | 1,237,937 | 1,344,914 | [統計 20] | |
2010年 | 1,240,568 | 1,362,201 | 800 | 2,228 | 1,239,768 | 1,359,973 | [統計 21] |
2011年 | 1,212,521 | 1,404,250 | 15 | 2,248 | 1,212,506 | 1,402,002 | [統計 22] |
2014年9月、当駅構内南側の敷地面積約103,000㎡の土地を対象とする「東京貨物ターミナル駅高度利用プロジェクト」が発表された[14]。
総事業費は見込み段階で約350億円となっており、JR貨物として初めてとなるマルチテナント型物流施設「〔『(仮称)エフ・プラザ東京M棟』改め〕東京レールゲートWEST」・「〔『(仮称)エフ・プラザ東京N棟』改め〕東京レールゲートEAST」計2棟を新築するほか、駅事務所の地上5階建てへの建て替えならびに立体駐車場の設置を行う「(仮称)東京貨物ターミナル駅事務所他施設整備事業」を、当該プロジェクトの一環として、前記物流施設2棟建設に先立って遂行する[13][15][16][17]。
このうち、先行実施される駅事務所建て替え等の事業分については、安藤ハザマが28億5000万円にて実施設計・施工主として落札(受注)、2017年10月末の竣工を目指して進捗している。続いて前記物流施設2棟の建設に着手、先ず2018年1月に「東京レールゲートWEST」建設を開始し2019年8月の竣工を予定、その後、同年10月に「東京レールゲートEAST」着工、2022年7月に竣工。
なお、前記物流施設2棟のうち後発で建設される「東京レールゲートEAST」は、開発事業パートナーとして別途迎える三井不動産との共同事業の形を採ることになっている(先に建設される「東京レールゲートWEST」[18]はJR貨物単独事業扱い)[16][19]。