核濃縮(かくのうしゅく、pyknosisまたはkaryopyknosis、pycnosisの表記も多い ピクノーシス)は、ネクローシス[1]あるいはアポトーシス[2]を遂げる細胞の核におけるクロマチンの不可逆的濃縮(凝縮)である。核濃縮に続いて核崩壊(核の断片化)が起こる。ピクノーシス(ギリシア語で「濃くする」という意味のpyknonoに由来)は赤血球および好中球(白血球の一種)の成熟においても観察される。成熟中の正染性赤芽球(metarubricyte、赤血球成熟の一段階)は核を除く前に核濃縮し、網赤血球になる。成熟中の好中球は核を複数の連結した分葉へと濃縮する。この分葉核は細胞がその生涯を終えるまで細胞中にとどまる。
濃縮した核は副腎の網状帯でしばしば見られる。また、パラケラチン化上皮中の最外層の角化細胞でも見られる。