数学のカオス理論において、標準写像(ひょうじゅんしゃぞう、英: standard map)あるいはチリコフ=テイラー写像(Chirikov-Taylor map)またはチリコフ標準写像(Chirikov standard map)として知られるものは、幅が の正方形からそれ自身への上への面積保存カオス写像である[1]。それは撃力回転子(英語版)のポアンカレ切断面として構成され、次で定義される:
写像の非線型性は K とともに増加し、それに伴って、適切な初期条件に対してはカオス的挙動を観測することが可能になる。これは様々な値の に対する標準写像が導く異なる軌道を集めた、本記事の図に示されている。その大部分の軌道は周期的あるいは準周期的であるが、緑色のものはカオス的であり、相空間の広大な領域において明らかにランダムな点の集合として発展するものである。特に刮目すべきものは、当てにならないこともあるが、カオス領域において極めて一様な分布である。すなわち、カオス的領域の中でさえも、拡大図で示されるように、反復では決して到達されない小さな島が無限個存在しているのである。
Chirikov, B.V.. Research concerning the theory of nonlinear resonance and stochasticity. Preprint N 267, Institute of Nuclear Physics, Novosibirsk (1969) (in Russian) [Engl. Transl., CERN Trans. 71 - 40, Geneva, October (1971), Translated by A.T.Sanders]link
Chirikov, B.V.. A universal instability of many-dimensional oscillator systems. Phys. Rep. v.52. p.263 (1979) Elsvier, Amsterdam