『武士道修行は楽じゃない』(Tom and Chérie、1955年9月10日)はトムとジェリーの作品のひとつ。
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
舞台は王朝時代のフランス。ネズミ銃士隊長のジェリーは、美しい雌ネズミ・リリーに恋焦がれていた。そしてウットリした面持ちでラブレターをしたためると、それを見習い銃士のニブルスに託す。しかしニブルスが一歩穴倉から出ると、そこで待ち構えていたネコ銃士のトムが決闘を申し込んでくる。恐れを成して穴倉に戻ったニブルスだが、銃士としての心構えを楯に使いを押し付けるジェリーは、無理やり戸外にニブルスを追い出してしまう。
圧倒的な体格差で迫るトムを出し抜き、何とかリリーの元にたどり着いたニブルス。ラブレターに目を通したリリーはケラケラ笑いながら返事を書く。ニブルスは帰り道もまたトムに襲われ、コテンパンにされてしまう。ニブルスの苦労などつゆ知らず、返事に喜んだジェリーは再度ラブレターを書き、託されたニブルスは外に出るや決闘を申し込まれ…。
何度もボロボロにされながらキューピッド役を務めるニブルスだが、結局ジェリーはふられてしまった。しかしジェリーは性懲りもなく、別の雌ネズミにラブレターをしたためる。またしても手紙を託されたニブルスが外へ出ると、例の如くトムが決闘を申し込んでくる。
またしてもトムは「構えろ!」と申し込むが、ニブルスはそんなトムに「もうウンザリだ!(新吹き替え版では「構えろ、構えろ、構えろ!?べーだ!」)」と言い残して去っていくのだった。
この作品では、ジェリーは部下の心を考えない悪者として描かれている。
原題の"Tom and Chérie"の"Chérie"はフランス語で「かわいいあの子」の意味であり、ジェリー(Jerry)の名前に引っ掛けただけでなく、ジェリーが色惚けしている有様を如実に表した表現となっている。
本作と『武士道はつらい』の二作は邦題で共に「武士道」が含まれているが、原題ではそれに相当する西洋の「騎士道(Chivalry)」相当の単語がどちらも使用されていない。また、本作に登場するジェリーの所属組織"Mouseketeer"はこの2作以外には『パーティ荒し』に登場する。トムとジェリーの騎士シリーズは他にもパーティ荒らし武士道修行はつらいなどの作品などがある。
TBS系及び他系列で1964年~1990年頃まで時折放映された。