津嘉山 正種(つかやま まさね、1944年〈昭和19年〉2月6日[2][4] - )は、日本の俳優、声優。妻はオペラ歌手の成田絵智子。身長176 cm、体重77 kg。
沖縄県那覇市出身[4]。幼少時、沖縄戦でアメリカ軍が上陸後に設置した収容所に入れられた経験を持つ[5]。沖縄県立那覇商業高等学校卒業[4]。琉球放送に勤務する傍ら、地元の劇団創造で活動し、上司の薦めで上京。1964年に劇団青年座に入団する。舞台の大道具などを作成する裏方を志望したが、劇団員募集時に裏方を募集しておらず俳優として入団した[注 1]。当時青年座に所属する演出家が洋画のアテレコも演出も手掛け始め、「やってみるか」と声を掛かけられ、1970年頃から洋画や外国テレビドラマの吹替え、アニメーションなどの声優として活動を開始する[6]。
1980年に、蜷川幸雄演出、平幹二朗主演の『NINAGAWA マクベス』に出演した。1985年の再演で準主役格のバンクォーを演じた。1987年ロンドン公演で平の休演時にマクベスを代演して成功し、日本の凱旋公演で再び主演を務めた。
1982年4月から、横内正の後任としてNHK-FMの深夜番組『クロスオーバーイレブン』でナレーターを担当。2001年3月の番組終了まで、番組最長の19年間担当した。
1988年4月に趣味である麻雀の最中にクモ膜下出血で倒れ、療養とリハビリを経て同年の舞台『テンペスト』で復帰した。以後も青年座の中心俳優の一人として、舞台、映像で活躍する。
2005年7月1日に体調不良により、出演予定であった青年座の公演『夢・桃中軒牛右衛門の』の桃中軒牛右衛門役を降板、軽度の脳梗塞と判明した[注 2]。2005年8月15日から8月19日までNHK-FMでオンエアされた特別番組『よみがえる伝説〜クロスオーバーイレブン2005』で復帰した。舞台への復帰は井上ひさし作の原爆告発劇『父と暮せば』。「語り継いでいかなければならない作品。僕は芝居でなく、語りでこの作品に挑戦し、語りを極めてみたい」と朗読劇を全国で続けている。通常の舞台も2006年5月の『殺陣師段平』から復帰している[7]。
2006年1月1日に劇団青年座演技部から座友に移籍[8]した。
2009年3月23日に3度目の脳卒中発作を起こし、出演予定の舞台を降板した[9]。同年中にテレビドラマで復帰した。
テレビドラマ・映画ではニヒルな権力者役を多く演じており、定番である。
洋画の吹き替えでも活躍し、ケビン・コスナー、ロバート・デ・ニーロ[6][10][11]、リーアム・ニーソン、リチャード・ギア、ガブリエル・バーンなどが持ち役で、マイケル・ダグラス、ハリソン・フォード、エルヴィス・プレスリー、エド・ハリス、ブルース・リーなども担当する。屋良有作、玄田哲章、大塚明夫と同様にアーノルド・シュワルツェネッガーとスティーブン・セガール両者も吹き替えている。
特に1990年から2000年代まで専属(フィックス)で担当したコスナーの吹き替えは同業者間で評価が高く[12]、津嘉山に憧れて声優を目指した小山力也は、コスナーの日本における人気は津嘉山の吹き替えによる影響が大きかったのではないかと分析している[13][14]。小原雅人も同じく津嘉山がコスナーを吹き替えた『ボディガード』を観たことが、声の役者をはじめるきっかけの一つになったと公言している[15]。なお、津嘉山自身も2021年1月のザ・シネマの特集『月刊吹替声優 声優【津嘉山正種】×俳優【ケビン・コスナー】』[16]にて、「ケビン・コスナーは私にとって、これからも当て続けていきたい俳優です」とコメントしている[注 3]。
映画『男はつらいよ』シリーズではオープニングシーン(絵かき・サックス奏者などセリフのない役)に常連出演し、『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』で本編に出演した。
麻雀が趣味で、テレビアニメ『闘牌伝説アカギ 〜闇に舞い降りた天才〜』のDVD特典用映像で出演者の萩原聖人らと鷲巣麻雀を打つ様子を撮影した際に、親倍をツモり上げて解説者に「物の怪のようなアガり」と評された。
- 三文オペラ(1973年、西武劇場/青年座 作:ベルトルト・ブレヒト 台本・演出:石澤秀二)
- 復讐者の悲劇(1975年、西武劇場/五月舎 作:シリル・ターナー 演出:木村光一)
- NINAGAWA マクベス(1980、1985、1987年、東宝 作:ウィリアム・シェイクスピア 演出:蜷川幸雄)
- 欲望という名の電車(1983年、青年座 作:テネシー・ウィリアムズ 演出:石澤秀二)
- なぜか青春時代(1987年、パルコ 作:清水邦夫 演出:蜷川幸雄)
- 黒蜥蜴(1990年、新派 脚本:三島由紀夫 演出:坂東玉三郎、福田逸)
- LOVE LETTERS(1991年、パルコ 作:A.R.ガーニー 演出:青井陽治)
- 気になるルイーズ[22](1993年、博品館劇場 作:ジーン・ストーン、レイ・クーニー 演出:宮田慶子)
- 幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門(1994年、青年座 作:清水邦夫 演出:石澤秀二)
- GHETTO/ゲットー(1995年、ひょうご舞台芸術 作:ジョシュア・ソボル 演出:栗山民也)
- シャドー・ランズ(1996年、ひょうご舞台芸術 作:ウィリアム・ニコルソン 演出:栗山民也)
- 華岡青洲の妻(1997年、中日劇場 原作:有吉佐和子 潤色・演出:鴨下信一)
- 海の沸点(1997年、地人会 作:坂手洋二 演出:栗山民也)
- 草原の恋歌-若き日のジンギスカン-(1997年、明治座 脚本:窪田篤人 演出:市川猿之助)
- 無法松の一生(1998年、青年座 脚本:西島大 演出:鈴木完一郎)
- 盟三五大切(1998年、青年座 原作:四世鶴屋南北 台本・演出:石澤秀二)
- 野望と夏草(1998年、新国立劇場 作:山崎正和 演出:西川信廣)
- 棋人(1999年、新国立劇場 作:過士行 演出:林兆華)
- 大菩薩峠(1999年、青年座 作:八木柊一郎 演出:鈴木完一郎)
- ペギーからお電話!?(2001年、ひょうご舞台芸術 作:アラン・プレイター 演出:鵜山仁)
- 櫻の園(2002年、新国立劇場 作:アントン・チェーホフ 演出:栗山民也)
- 夜への長い旅路(2000年、新国立劇場 作:ユージン・オニール 演出:栗山民也)
- ハムレット(2003年、世田谷パブリックシアター 作:ウィリアム・シェイクスピア 演出:ジョナサン・ケント)
- アントニーとクレオパトラ(2004年、エイコーン 作:ウィリアム・シェイクスピア 演出:アレクサンドル・マーリン)
- 殺陣師段平(2004年、青年座 作:長谷川幸延 補綴・演出:鈴木完一郎)
- 喪服の似合うエレクトラ(2004年、新国立劇場 作:ユージン・オニール 演出:栗山民也)
- KITCHEN キッチン(2005年、Bunkamura 作:アーノルド・ウェスカー 演出:蜷川幸雄)
- The Guys-消防士たち-(2007年、産經新聞社 作:アン・ネルソン 演出:菊地一浩)
- わが魂は輝く水なり(2008年、Bunkamura 作:清水邦夫 演出:蜷川幸雄)
- 人類館(2008年、青年座 作:知念正真 演出:菊地一浩 企画・演出協力:津嘉山正種)※ひとり語り「沖縄の魂」シリーズ第1弾として2018年に再演
- 10カウント(2010年、青年座 作:津嘉山正種 演出:栗田芳宏)
- 黄昏(2010年、青年座 作:アーネスト・トンプソン 演出:伊藤大)
- 国境のある家(2012年、青年座 作:八木柊一郎 演出:黒岩亮)
- システィーナ歌舞伎『主天童子』(2012年、松竹 作・演出:水口一夫)
- 天切り松 闇がたり「闇の花道」(2013年、青年座 作:浅田次郎 脚本・演出:栗田芳宏)
- 招かれざる客(2015年、青年座 作:ウィリアム・ローズ 翻訳:たかしまちせこ 台本・演出:津嘉山正種)
- 俺の酒が呑めない(2016年、青年座 作:古川貴義 演出:磯村純)
- 朝食まで居たら?(2016年、俳優座劇場/青年座 作:ジーン・ストーン、レイ・クーニー 翻訳台本:たかしまちせこ 演出:伊藤大)
- かあちゃん(2017年、青年座 作:山本周五郎 脚色:高木達 演出:津嘉山正種)
- 象の死(2018年、青年座 作:齋藤瑞穂 補綴:津嘉山正種 演出:菊地一浩)
- 沖縄の魂-瀬長亀次郎物語(2019年、青年座 作:謝名元慶福(原案)、津嘉山正種(構成台本) 演出:菊地一浩)※ひとり語り「沖縄の魂」シリーズ第2弾
- ある王妃の死(2022年、青年座 作:シライケイタ 演出:金澤菜乃英)
- 戦世を語る(2022年、青年座 作・演出:津嘉山正種 演出協力:菊地一浩)※ひとり語り「沖縄の魂」シリーズ第3弾
- 命口説(2023年、青年座 作:謝名元慶福(原案)、津嘉山正種(構成台本) 演出:津嘉山正種)※ひとり語り「沖縄の魂」シリーズ第4弾
- ロミオとジュリエット(2023年、CATプロデュース 作:ウィリアム・シェイクスピア 翻訳:松岡和子 演出:井上尊晶)※声の出演
- 10カウント ある老ボクサーの夢(2024年、青年座 作・演出:津嘉山正種 演出協力:菊地一浩)※ひとり語り「沖縄の魂」シリーズ第5弾
- ネスレ日本『ネスカフェ・サンタマルタ』(2001年)
- 大和ハウス工業『企業』(2009年) - 監督 役
- 明治『XYLISH・ディープミント』(2012年)
- NTTドコモ『はじめてスマホプラン』(2021年 - ) - おじいちゃん 役
太字はメインキャラクター。
- エド・ハリス
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- エルヴィス・プレスリー
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- ガブリエル・バーン
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- ケビン・コスナー
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- サム・エリオット
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- ジェフ・ブリッジス
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- ジャン・マレー
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- ジョン・マルコヴィッチ
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- チョウ・ユンファ
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- ティモシー・ダルトン
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- ハリソン・フォード
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- ピーター・フォンダ
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- ブルース・リー
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- マイケル・ダグラス
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- ライアン・オニール
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- リーアム・ニーソン
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- リチャード・ギア
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- リチャード・チェンバレン
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- ロバート・デ・ニーロ
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- 1976年
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- 1981年
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