黒白無常 | |||||||
繁体字 | 黑白無常 | ||||||
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簡体字 | 黑白无常 | ||||||
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無常(むじょう)は、中国の民間信仰における死神の一種[1]。寿命を迎えた人間の魂を捕らえる冥界の役人[1]。福を招く財神とされる場合もある[2]。黒色と白色の二人組とされる場合が多く、黒白無常(こくはくむじょう)などとも呼ばれる[1]。
大谷 2023によれば、本来は仏教の用語だった「無常」が、死を象徴する語として通俗化した後、民間信仰中の死神(魂を捕らえる冥界の役人、勾魂使者ともいう)の名称になったと推測される[1](詳細後述)。
無常には多くの別名がある。
地域によって特徴が異なる[12]。しばしば見られる特徴として以下がある。
無常の起源は不明確である[21]。文献に見える限りでは宋代から、六朝志怪小説以来存在する「勾魂使者」の別名に「無常」が加わった[注釈 3][22]。清代中期の乾隆年間頃から、無常が勾魂使者の新種として独立し、現在知られる特徴が徐々に形成された[注釈 4][22]。特徴形成の背景に、妖怪の摸壁鬼や山魈との混交があった、と推測される[25]。
魯迅は無常マニアでもあり、『無常』という随筆を書いている(『朝花夕拾』所収)[注釈 5][26][27]。
21世紀現代でも、福建を中心とする中国大陸各地や台湾、東南アジアの華人社会で信仰されている[28]。主に城隍廟や東嶽廟といった地獄関係の廟に無常の塑像が祀られており[28]、これらの廟の祭り(迎神賽会)では無常の被り物が練り歩いている[29]。また祭祀演劇の「目連戯」(目連救母)にも登場する[30]。
ゲーム『IdentityV 第五人格』[26]や『返校』[31]、ドラマ『山河令』[26]といった中国の娯楽作品にも登場する。日本では漫画『ネクログ』に登場する[32]。