王 安憶(おう あんおく、1954年3月6日—)は、中華人民共和国の小説家。代表作に小説『長恨歌』。現在は中国作家協会副主席を務めるほか、復旦大学の兼任教授である。
原籍は福建省同安県で、1954年3月6日に江蘇省南京市に生まれた。母は作家の茹志鵑、父は劇作家・演出家の王嘯平[1]。
1955年、作家である母の茹志鵑の中国作家協会上海分会への転属にともない上海に転居した[1]。
文化大革命の時、1970年から安徽省蚌埠市五河県の農村に下放され労働に従事。
1970年、安徽省五河県の農業生産隊に入り積極分子大会の代表に選ばれる。
1971年、中国共産主義青年団に加入。
1972年、江蘇省徐州地区文芸工作団に入り、楽団でアコーディオンを担当。
1975年より、作品の発表をはじめる。
1976年、処女作『向前進』は『江蘇文芸』掲載された。
1978年上海に帰り、『児童時代』の編集部に転任。
1980年に中国作家協会第五期文学講習所で学習。
1981年には徐州某楽団指揮の李章と結婚。同年、『児童時代』を退社。同年に発表した短篇小説『本次列車終點』が第一回全国優秀短篇小説賞を受賞した。
1983年、アイオワ大学で「国際創作計画」の文学活動。
1985年、中篇小説『小鮑莊』は『中国作家』雜誌掲載された。『小鮑莊』が第四回全国優秀中篇小説賞を受賞。
1986年に招かれて訪米。
1987年、上海作家協会創作室に転職。
1996年、『長恨歌』は発表の後、第五回茅盾文学賞を受賞した。
2001年に第一回マレーシア花蹤世界華文文学賞を受賞。
2004年に発表した短篇小説『髮廊情話』が第三回魯迅文学賞優秀短篇小説賞を受賞した。
2013年にフランス芸術文化勲章を獲得した[2]。
[3]
- 『蒲公英』
- 『独語』
- 『走近世紀初』
- 『旅徳的故事』
- 『乘火車旅行』
- 『重建象牙塔』
- 『王安憶散文』
- 『窗外与窗里』
- 『漂泊的語言』
- 『母女同游美利堅』
- 『街灯底下』
- 『終着駅 80年代中国女流文学選2』、現代中国文学翻訳研究会訳、NGS、1987
- 『現代中国文学選集 王安憶』、佐伯慶子訳、徳間書店、1989
- 『富萍 コレクション中国同時代小説6』、飯塚容・宮入いずみ訳、勉誠出版、2012
- 『長恨歌』、飯塚容訳、アストラハウス、2023
1979年、『誰是未來的中隊長』、全国児童文学二等賞。
1981年、『本次列車終點』、第一回全国優秀短篇小説賞。
1981、82年、『流逝』、全国優秀中編小説賞。
1985年、『小鮑莊』、全国優秀中篇小説賞。
1996年、『紀実与虚構』、台湾聯合報讀書人最佳書賞文学類。
1996年、『長恨歌』、中国時報開卷好書賞十大好書中文創作類。
1998年、『長恨歌』、第四回上海文学芸術賞。
2000年、『長恨歌』、第五回茅盾文学賞。
2001年、『富萍』、中国時報開卷好書賞十大好書中文創作類。
2001年、第一回星洲日報花蹤世界華文文学賞。
2002年、『上種紅菱下種藕』、中国時報開卷好書賞十大好書中文創作類、台湾聯合報讀書人最佳書賞文学類。
2004年、『髮廊情話』、第三回魯迅文学賞優秀短篇小説賞。
2005年、『遍地梟雄』、亜洲周刊中文十大好書。
2008年、『啓蒙時代』、第二回紅楼夢賞審査員賞。
2008年、『啓蒙時代』、華語文学伝媒大賞年度小説家賞。
2011年、『天香』、年度優秀女性文学賞。
2012年、『教育的意義』、華文最佳散文賞。
2012年、『天香』、第二回施耐庵文学賞。
2012年、『天香』、第四回紅楼夢賞最優秀賞。
2013年、フランス芸術文化勲章。
- 杉江叔子「王安憶の都市小説」、名古屋大学大学院国際言語文化研究科国際多元文化専攻、2011年。
- 高島俊男「王安憶のいる弄堂あわせてこの美人作家のルーツについて」『季刊中国』第17巻、1986年、58-67頁。
- 釜屋修「夢追い作家の蛻変王安憶の『小鮑荘』」『日本の科学者』第23巻、彩流社、1988年。
- 佐伯慶子「王安憶の『小鮑荘』」『中国文学論叢』第14巻、桜美林大学、1989年、187-216頁。
- 宮入いずみ「王安憶の『叔叔的故事』」『人文学報』第253巻、東京都立大学 (1949-2011)人文学会、1994年、169-183頁。
- 葛城明子・荒木猛「王安憶作品研究」『長崎大学教養部紀要(人文科学篇)』第35巻、1995年、147-164頁。
- 宮入いずみ「王安憶『紀実与虚構―創造世界方法之一種』について」『人文学報』第273巻、東京都立大学人文学会。
- 中山文「王安憶「神聖祭壇」の女性たち」『神戸学院大学人文学部紀要』1997年、163-177頁。
- 中山文「王安憶「神聖祭壇」論―孤立と自立」『野草』第57巻、中国文芸研究会、1996年、63-80頁。
- 阪本ちづみ「王安憶『長恨歌』―可愛的上海小姐」『季刊中国』第53巻、『季刊中国』刊行委員会、1998年、69-76頁。
- 和田知久・森岡優紀・上村香織・新谷秀明「中国作家紀行99インタビュー四編・人への回帰―王安憶」『野草』第66巻、中国文芸研究会、2000年、50-74頁。
- 中森志乃「王安憶論―作品分析に見る近代都市上海」『東京大学修士学位論文』2001年。
- 劉小俊「王安憶『我愛比爾』の意義」『野草』第69巻、中国文芸研究会、2002年、134-146頁。
- 劉怡「王安憶の描く上海―『長恨歌』を中心に」『人文学報』第331巻、東京都立大学人文学会 河出書房、2002年、143-160頁。
- 石井恵美子「沈之瑜と家族―王安憶の随筆から」『日本中国当代文学研究会会報』第17巻、2003年、66-72頁。
- 松村志乃「王安憶『香港の情と愛』論」『日本中国当代文学研究会会報』第17巻、2003年、1-7頁。
- 劉小俊「保姆たちの家への渇望―王安憶『富萍』と『鳩雀一戦』について」『ジェンダーからみた中国の家と女』、関西中国女性史研究会編東方書店、2004年、251-273頁。
- 松村志乃「『西洋』への追求―王安憶『我愛比爾』試論」『日本中国当代文学研究会会報』第20巻、2006年、1-13頁。
- 劉小俊「王安憶の再評価―『我愛比爾』と『上種紅菱下種藕』を中心に」『同志社女子大学学術研究年報』第58巻、2007年、43-51頁。
- 松村志乃「王安憶と「尋根」」『中国研究月報』第62巻、2008年、32-45頁。
- 松村志乃「転換期における王安憶の文学観―『心霊世界 王安憶小説講稿』を中心に」『中国研究月報』第64巻、2010年、17-31頁。
- 濱田麻矢「『野草』85号合評 王安憶『香港的情与愛』における老魏のトポフィリア」『野草』第86巻、中国文芸研究会、2010年、135-137頁。
- 松村志乃『王安憶論 : ある上海女性作家の精神史』中国書店 2016年
|
---|
2000年代(第1回・第2回) |
---|
第1回(2006) |
|
---|
第2回(2008) |
最優秀賞 | |
---|
審査員賞 | |
---|
最終候補作 |
張煒『刺猬歌』/ 鉄凝『笨花』/ 曹乃謙『闇夜におまえを思ってもどうにもならない』
|
---|
|
---|
|
|
2010年代(第3回 - 第7回) |
---|
第3回(2010) |
最優秀賞 | |
---|
審査員賞 |
李永平『大河尽頭』上巻 / 刁斗『我哥刁北年表』/ 畢飛宇『ブラインド・マッサージ』
|
---|
最終候補作 | |
---|
|
---|
第4回(2012) |
|
---|
第5回(2014) |
|
---|
第6回(2016) |
|
---|
第7回(2018) |
|
---|
|
|
2020年代(第8回 - ) |
---|
第8回(2020) |
|
---|
第9回(2022) |
最優秀賞 | |
---|
審査員賞 |
董啓章『後人間喜劇』/ 陳冠中『北京零公里』/ 閻連科『中国のはなし 田舎町で聞いたこと』
|
---|
最終候補作 | |
---|
|
---|
第10回(2024) |
|
---|
|
|
|
---|
1980年代 - 1990年代(第1回 - 第4回) |
---|
第1回(1982年) | |
---|
第2回(1985年) |
李準『黄河東流去』/ 張潔『沈重的翅膀』(改訂版)/ 劉心武『鐘鼓楼』
|
---|
第3回(1991年) | |
---|
第4回(1997年) | |
---|
|
2000年代 - 2010年代(第5回 - 第10回) |
---|
第5回(2000年) | |
---|
第6回(2005年) | |
---|
第7回(2008年) | |
---|
第8回(2011年) | |
---|
第9回(2015年) | |
---|
第10回(2019年) | |
---|
|
2020年代 - 2030年代(第11回 - 第15回) |
---|
第11回(2023年) | |
---|
|