男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎 | |
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監督 | 山田洋次 |
脚本 |
山田洋次 朝間義隆 |
原作 | 山田洋次 |
出演者 |
渥美清 中井貴一 竹下景子 森口瑤子 梅野泰靖 |
音楽 | 山本直純 |
撮影 | 高羽哲夫 |
編集 | 石井巌 |
配給 | 1983年12月28日 |
公開 | 松竹 |
上映時間 | 105分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
配給収入 | 12億5000万円 |
前作 | 男はつらいよ 旅と女と寅次郎 |
次作 | 男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎 |
『男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎』(おとこはつらいよ くちぶえをふくとらじろう)は、1983年12月28日に公開された日本映画。男はつらいよシリーズの32作目。上映時間は105分。観客動員は148万9000人[1]。配給収入は12億5000万円[2](10億8000万円[1]とも)。
寅次郎が旅先で見た夢では、社長・さくらたちが寅次郎の結婚のために花嫁を探し、翌日が結婚の日どりとなっていた。ところが、とらやに帰ってきた寅次郎にはさくらたちは気がつかず、偽の寅次郎(演:レオナルド熊)が帰ってきて、一同が大歓迎する。
備中高梁の地に立ち寄った寅次郎。博の亡き父の墓参りをしていたところ、寺の和尚(松村達雄)と出会い、意気投合。和尚と一緒にいた、美しくしっかりした出戻りの娘・朋子(竹下景子)に一目惚れしたことが、大きな原因であった。さらに、二日酔いの和尚の代理で法事に出て法話がウケたこともあって、寺に住み着く事になった。
さくらたち一家は博の父の三回忌のために菩提寺に集まるが、法事が始まり、坊主のかっこうの寅次郎がいるのに気付き、驚く。さくらは「まさか悪いことでもしてるんじゃないでしょうね」と涙ながらに心配したが、寅次郎は「これにはいろいろわけがあるんだ。泣くなっつーの」と返す。
寺を継ぐはずが、大学をやめて東京の写真スタジオで働くという長男の一道(中井貴一)を、和尚は勘当同然に追い出す。一道には、病弱な父を支えて酒屋を切り盛りしているひろみ(杉田かおる)という恋人がいた。「今夜中に東京に行く」と告げて電話を切った一道を、ひろみが追う。二人は、列車の窓越しに激しく手を振って別れたのだった。
さて、寅次郎は、後継ぎを失った寺の娘の朋子の再婚相手として、町で噂になるほどになっていた。ある夜、入浴中の和尚が朋子に対して「寅さんを婿養子に貰うか。今度結婚するなら、いっそ寅さんみたいな人がええと言っとったろ」と話しかけるのを耳にし、恥じらいを見せる朋子の姿を目の当たりにして、翌朝、書き置きを残して東京に発つ。朋子の婿となるにふさわしい僧侶になれるよう、帝釈天の門を叩き、御前様のもとで修行を積む事を宣言する。[3]
そんな時、ひろみが一道を訪ねて上京する。一道はスタジオでの撮影中でなかなか外出できないが、いざとなったら寅次郎の実家のとらやを訪ねるようにひろみに言っておいたことが奏功して、そこでやっと再会できる。
一道の件の礼を言う口実で、朋子が柴又まで訪ねてきて、寅次郎と再会する。ひとしきり雑談をするまではいいが、二人きりになるとそわそわしてしまう寅次郎に、柴又駅まで送ってほしいと朋子は頼む。それでも和尚に土産を持たせたいと口実を見つけて、寅次郎はさくらに朋子を送らせる。結局、発車間際の一瞬しか話せなかったが、寅次郎は、思わせぶりに袖をつかみ、結婚したいとほのめかす朋子の気持ちに気付きながら、あえて冗談と受け止め笑ってごまかす。「じゃあ私の錯覚…」と、朋子は憂いに満ちた表情で首を振り、悲しげに去っていく。そして寅次郎もまた、旅に出るのであった。
佐藤(2019)、P.634より