直轄市(ちょっかつし、英: Direct-controlled municipality , 朝: 직할시 , 中: 直辖市 , 拼音: , 越: Thành phố trực thuộc Trung ương / 城舖直屬中央)は、省・道といった最上位の広域行政区画に属さず、それらと同格に位置づけられる行政区画で、中央政府の管轄を直接受ける市である。
中華人民共和国建国前の中華民国には南京、上海、漢口、青島、大連、瀋陽、ハルビン、西安、北平(現在の北京)、天津、重慶、広州の12の直轄市が存在した。
政府が台湾に移転した後の中華民国には、2014年末の時点で台北市、高雄市(旧高雄市+高雄県)、新北市(旧台北県)、台中市(旧台中市+台中県)、台南市 (旧台南市+台南県)、桃園市(旧桃園県)の6市がある。
中華人民共和国には北京市、上海市、天津市、重慶市の4市がある。
直轄市は、一般的に省より面積が小さいが、最も大きい重慶は、一番小さな省である海南省より広大である。また地方の省の中には直轄市より人口が少ないものもある。
大韓民国にはかつて、釜山・大邱・仁川・光州・大田の5直轄市があった。これらは全て1995年に広域市に改名された。なお特別市であるソウル、特別自治市の世宗(2012年7月創設)も、行政区画的には同等の権限がある。
朝鮮民主主義人民共和国には平壌直轄市がある。
かつてはこの他に開城・咸興・清津・羅津-先鋒(現:羅先)・南浦の5直轄市があったが、いずれも廃止された。その後、開城・南浦・羅先については「特別市」に位置付けられている。
ベトナムではハノイ、ホーチミン市、ダナン、ハイフォン、カントーの5市が中央直轄市とされ、第二級行政区に省直轄市も存在する。