やお かずき 矢尾 一樹 | |
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プロフィール | |
本名 | 矢尾 一樹[1][2][注 1] |
性別 | 男性 |
出身地 | 日本・石川県金沢市[4] |
生年月日 | 1959年6月17日(65歳) |
血液型 | A型[注 2][5][6] |
職業 | 声優、俳優、ナレーター[7] |
事務所 | マック・ミック[8] |
配偶者 | 林なつき |
公式サイト | 【プロフィール】矢尾一樹|株式会社マック・ミック |
公称サイズ(時期不明)[8] | |
身長 / 体重 | 177 cm / 57 kg |
声優活動 | |
活動期間 | 1984年[9] - |
ジャンル | アニメ、ゲーム、吹き替え、ナレーション |
デビュー作 | シュルギ・ナム(『BIRTH』)[10] |
俳優活動 | |
活動期間 | 1970年代 - |
ジャンル | テレビドラマ、舞台 |
矢尾 一樹(やお かずき、1959年〈昭和34年〉6月17日[4][9][11][12] - )は、日本の声優、俳優、ナレーター[7]。石川県金沢市出身[4]。マック・ミック所属[8]。
最初の妻は声優の冨永みーな、現在の妻は女優の林なつき[13]。
子供の頃は親が冗談で「あなたは拾ってきた子なのよ」と言うのを信じていたくらい家族の中で突然変異のような感じだったという[5]。当時はいたずらっ子であり、2015年時点でも変わらないようで劇団の先輩に、「一樹は昔と変わっていないよ」と言われるという[5]。幼少時は、友人と秘密基地を作ったり外で遊んだりと活発な子供で、テレビはあまり見ていなかった。また、父親が国家公務員ということもあり、3年ごとに転勤があったため、各地を転々としていた。中学2年生の頃に東京に転勤したことで、入居することになった官舎が狭かったことからテレビは置かないということになり、しばらくテレビのない生活を送る。その頃に4歳年上の姉と母親がミュージカルや芝居が好きだったため、矢尾も2人に同行し、見に行っていた。そんな中、当時ウィリアム・シェイクスピア劇を歌舞伎俳優が演じるのが流行しており、河原崎権十郎主演のシェイクスピア劇を観賞。その千秋楽での舞台挨拶を見た際に「舞台俳優になりたい」という思いを固める。國學院大學久我山高等学校を卒業し、國學院大學文学部哲学科[2][11]に進学すると同時に、同級生の女性の中に赤星昇一郎の妹がいたため、彼女の伝手を頼り、平光琢也が主宰する「劇団摩天楼」の稽古場に通うようになり、スタッフとして2、3作品に関わった後、役者として舞台に立つ[14]。同じ劇団の先輩に郷田ほづみがいた。
その後、同大学を中退[2]。そこの劇団は、小劇団としては人気のあった方だったが、赤字にならない程度で収入にはならなかった。しばらくは、アルバイトと並行しながら演劇活動を行うが、「このままじゃいけない」と思った矢尾は、スタッフに相談するとプロダクションを紹介され、テレビドラマや映画の仕事を得るようになる。その中でアニメのオーディションに受かり、1984年、OVA『BIRTH』のシュルギ・ナム役で声優デビューした[9][10]。当然、アテレコなど未経験で、主演ではあったものの右も左もわからない状態で、ディレクターの指示の中に含まれた専門用語さえわからなかったが、そこで共演した戸田恵子と八奈見乗児に助けられ、現在でも二人を恩師として尊敬している。
1985年にテレビアニメ『超獣機神ダンクーガ』に藤原忍役で出演。同作品は矢尾の中で一番記憶に残っている作品であり、アニメのキャラクターを演じるとはどういうことかがわかっていった作品だったと語っている[10]。また、忍のセリフでもある「やってやるぜ!」は矢尾の代名詞とも言えるものであり[10]、他作品でしばしば引用される。アーケードゲーム『カイザーナックル』では「やってやるぜ!」の他、「ダンクーガ!」と叫ぶシーンもある。この他、「YATTE YARUZE!」という曲があり、アルバム収録されている。
東京俳優生活協同組合[1]、エムカンパニー[15]、シグマ・セブン(2004年5月20日[16] - 2009年5月)を経て、2009年6月1日よりマック・ミック所属。
舞台にも数多く出演、音楽活動をしている[14]。
二枚目のヒーロー役、冷徹な悪役、コミカルなキャラクターまで様々な役を演じている[6][14]。転機になったのはデビュー当初演じていたさわやかヒーロー系から悪役、クセのある役が増えていったことである[5]。さわやかヒーロー系のキャラクターは必ず台本の最後がカタカナで3つ以上さわやかに笑うシーンで終わり、海で女の子と水をかけ合っているような、さわやかな笑いが非常に難しかった[5]。何かの作品で悪役の笑いをしていた時は、ものすごくしっくりきたという[5]。悪役だが、セリフ一つとってみても、色々な演技が試せることからきちんと筋が通っている役のほうが面白いという[5]。
趣味、特技は剣道二段、剣武道初段[8]、ギター、バスケットボールなど。
イベントなどで登場する際の派手目の衣装はほとんどが自前であり、毛皮製品や靴の収集が趣味である。声優界では「矢尾さんと言えば短パン(ショートパンツ)」と言われる程、普段着として穿いており、多少寒くても冬本番まで我慢する程である。
自他ともに認める酒豪。ラジオ番組で自身の曲の替え歌を募集した際に、リスナーからそれを揶揄するような内容の替え歌『夜更けの酔っ払い』を投稿されるが、内容を気に入り採用される(採用者には本人が本レコーディングしたその曲のテープを送るという企画だった)。なお、舞台期間中は禁酒したりと、状況に応じて控えている。
アルケミスト主催のイベントでも同社ゲームで共演した釘宮理恵になり切り、観客の爆笑を誘った。
『男はつらいよ』の寅さんこと車寅次郎のファンで、『忍者戦隊カクレンジャー』でニンジャマンを演じた時に「それをいっちゃーおしめーよー」と寅次郎のセリフをアドリブで挿入したところ、そのまま採用された。
富士見ファンタジア文庫から、彼をモデルとした小説作品『眠り姫からの手紙(ラブレター)-夢探偵・矢尾一気』(園田英樹作・1988)が出版されている。
飲みに出かけた先で『銀河英雄伝説』のパーティが催されていた際、「あれだけ出演声優がいる作品なら自分も出ているだろう」と飛び入り参加したが、実は出演していなかった。しかし、ずっと後になって『銀河英雄伝説外伝』ヒューズ役にてキャスティングされる。
2006年1月30日に、TVアニメ『ブラック・ジャック』の「karte:56 縫い目皮膚の提供者」でB・Jの幼馴染役、タカシとして出演したが、B・J役の大塚明夫とは実際に旧友(高校の同級生)であったという。「30歳までに街で声をかけられるような役者になれなければ引退する」とインタビューで答えていた。
『夕やけニャンニャン』の後番組として始まった学園バラエティー「桃色学園都市宣言」の「曙橋みすずや学園」に出演。当時30歳目前にして学ランを着て高校生の役を演じた。主人公の担任教師役は本木雅弘だったのだが、矢尾の方が年上である。役名は「藤原マサル」。マサルの字は初期に「勝」後期に「優」の両方でクレジットされた。
『ONE PIECE』の原作者の尾田栄一郎とは矢尾がジャンゴ役で出演してからの友人関係にあり、尾田を「栄一郎」と呼んでいる。彼がアニメで声をあてているフランキーは彼自身がモデルである。矢尾は、尾田を全国のオカマバーに連れていったことがボン・クレー誕生につながったと語っている[17]。
フランキーはコーラを好物・燃料としているが、本人は甘いものが苦手としている。田中真弓と『ONE PIECE』の企画で作ったレストランで周りに気付かれながらも食事をしていたところ、アイスティーを飲んだら子供に「あぁ、コーラじゃないんだ…!」と驚愕・失望されてしまった。矢尾自身もショックを受けたといい、子供の前ではコーラしか飲まないようにしているという[18]。矢尾は「フランキーに憧れている子供の夢を壊しちゃいけない」と語り、「フランキーを演じることによって、俺も成長させてもらったのかなと思う」と述べている[18]。
『ハーメルンのバイオリン弾き』のドラマCDと劇場版で演じた主人公のハーメルを気に入っており、アニメ化の際に「原作とは作風が違うから」と降ろされた時はかなり悔しがっていたらしい。
凄いと思う声優に肝付兼太(『NG騎士ラムネ&40』『燃えろ!!ロボコン』などで共演)を挙げており、肝付の没後の2017年に公開した『それいけ!アンパンマン』の劇場版『ブルブルの宝探し大冒険!』からホラーマン役の後任を担当している。引き継ぎ時のコメントで「肝さんの足下にも及ばないけど肝さんの大きな背中を追いかけながら演ってたら、肝さんが俺の背中を包んでくれた様な気がしまふた。」としている[19]が、引き継ぎ後しばらくしてのインタビューで矢尾は「やればやるほど、その偉大さに打ちのめされそうになります。(肝付の芝居は)自然ですよね。あのほんわかとした雰囲気が出せなくて苦労しています。気合いを入れれば入れるほどカチっとしてしまうんですよね……。本当にどうすれば肝付さんに追いつけるんだろう。今は、それを考えながら追いかけ続けています。58歳になって、いまだ挑戦の日々ですよ。」[20]と語っており、肝付に近づくために苦労していることを明かした。
『機動戦士Ζガンダム』で、主人公のカミーユ・ビダン役のオーディションに参加しているが不採用となり、シリーズ後半にゲーツ・キャパ他2役を演じている。この時も『機動戦士ガンダムΖΖ』のジュドー・アーシタ役のオーディションを受けに来たが、一度は不採用となり、代わりにこのゲーツ役を貰ったと後に本人が語っている。その後ジュドー役を射止めるが、当時のジュドーの演技に関してはかなり不本意だったとし、「下手糞」「演じ分けができてない」「もっと見せ場を上手く演じたかった」など後悔する発言が多い。
『機動戦士ガンダムF91』のザビーネ・シャル役を演じる予定があったものの、急遽変更になったことがある。本人も後にラジオ番組で「知らないうちに降板になっていた」と驚いていた。
『Ζ』『ΖΖ』以外のガンダム作品にも、ゲーム『SDガンダム GGENERATION』のケイン・ダナート役とグレイ・ストーク役、『機動戦士ガンダム00』のアーバ・リント少佐役で出演している。
太字はメインキャラクター。
シリーズ続巻タイトルは省略して表記(途中巻からの登場の場合は例外)