第42回先進国首脳会議 42nd G7 Summit 伊勢志摩サミット Ise-Shima Summit | |
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参加者による記念撮影(2016年5月26日) | |
開催国 | 日本 |
日程 | 2016年5月26日 - 5月27日 |
会場 | 志摩観光ホテル |
都市 | 志摩市(賢島) |
参加者 |
日本 フランス アメリカ合衆国 イギリス ドイツ イタリア カナダ 欧州連合 |
前回 | 第41回先進国首脳会議 |
次回 | 第43回先進国首脳会議 |
ウェブサイト | G7 伊勢志摩サミット |
第42回先進国首脳会議(だい42かいせんしんこくしゅのうかいぎ、英語: 42nd G7 summit)は、2016年5月26日から5月27日[2]に日本の三重県志摩市阿児町神明賢島で開催された先進国首脳会議。愛称は、伊勢志摩サミット(いせしまサミット)[1]。
8都市がサミット開催候補地に立候補していたが、日本の安倍晋三首相は2015年6月5日、三重県志摩市の賢島を開催地に選定したと発表した[3]。
志摩市が選定された理由として、会場となる賢島が風光明媚なこともさることながら、四方を水に囲まれた狭隘な島であり、人の出入制限が容易なこと、陸伝いの侵入攻撃を避けられること、三重県警察が伊勢神宮を参拝する要人警護の経験が豊富なことなどが挙げられており、警備面を重視した選定となった[4]。
これまでの日本開催のサミット開催地は、前年の4月までに選定するのが慣例で、かつて第一次安倍内閣の時に開催地が決まった北海道・洞爺湖サミットも、その前年の4月には決定していたが、今回は6月までずれ込み、安倍首相も「正直、選定には大変迷った」と報道陣に語った[4]。
伊勢志摩での開催に際し、三重県選出の川崎二郎元厚生労働大臣や民主党(2016年3月から民進党代表)の岡田克也代表からは、称賛や期待の声が寄せられた[5]。
他の候補都市としては、宮城県仙台市、新潟県新潟市、長野県北佐久郡軽井沢町、静岡県浜松市、愛知県名古屋市、兵庫県神戸市、広島県広島市があった[6]。
これらの都市に加え、北海道札幌市、茨城県つくば市、静岡県静岡市、京都府京都市、香川県高松市、大分県別府市、熊本県熊本市、宮崎県宮崎市が、閣僚会合の開催を巡って誘致合戦を繰り広げ[4]、以下の10会合が、各都市で開催されることが2015年(平成27年)7月3日に、日本国政府から発表された[7]。
なお、日本での閣僚会合開催数は、過去に日本で開かれたサミットでは最も多かった[7]。
閣僚会合 | 開催地 | 会場 | 日程 | 備考 |
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財務大臣会合[8] | 仙台市太白区 | ホテル佐勘 | 5月20日 - 5月21日 | |
農業大臣会合[9] | 新潟市中央区 | 朱鷺メッセ | 4月23日 - 4月24日 | |
科学技術大臣会合[10] | 茨城県つくば市 | つくば国際会議場 | 5月15日 - 5月17日 | |
環境大臣会合[11] | 富山市 | 富山国際会議場 | 5月15日 - 5月16日 | |
交通大臣会合[12] | 長野県軽井沢町 | 軽井沢プリンスホテル | 9月24日 - 9月25日 | |
保健大臣会合[13] | 神戸市中央区 | 神戸ポートピアホテル | 9月11日 - 9月12日 | |
教育大臣会合[14] | 岡山県倉敷市 | 倉敷アイビースクエア | 5月13日 - 5月15日 | |
外務大臣会合[15] | 広島市南区 | グランドプリンスホテル広島 | 4月10日 - 4月11日 | |
情報通信大臣会合[16] | 香川県高松市 | かがわ国際会議場 | 4月29日 - 4月30日 | |
エネルギー大臣会合[17] | 北九州市小倉北区 | リーガロイヤルホテル小倉 | 5月 - 1日5月 2日 |
このほか、関連行事として子供版「ジュニア・サミット in 三重」が、三重県桑名市のナガシマリゾートを主会場に、4月22日から4月28日まで開催された[18][19]。
G7のリーダーである各国の首脳および、欧州連合の代表者が出席した。菅義偉内閣官房長官は2015年6月23日の記者会見で、同日時点でロシアの招待に関して全く白紙であることを表明し[2]、最終的に招待されなかった。欧州委員会委員長は、1981年のサミット以来、すべての会合と意思決定に参加している。
先進7か国 開催国と首脳は太字で示している。 | |||
メンバー | 首脳 | 称号 | |
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日本 | 安倍晋三 | 内閣総理大臣 | |
フランス | フランソワ・オランド | 共和国大統領 | |
アメリカ | バラク・オバマ | 大統領 | |
イギリス | デーヴィッド・キャメロン | 首相 | |
ドイツ | アンゲラ・メルケル | 連邦首相 | |
イタリア | マッテオ・レンツィ | 閣僚評議会議長 | |
カナダ | ジャスティン・トルドー | 首相 | |
欧州連合 | ジャン=クロード・ユンケル | 委員会委員長 | |
ドナルド・トゥスク | 理事会議長 | ||
アウトリーチ会合招待者[20] | |||
招待者 | 首脳 | 称号 | |
ラオス | トーンルン・シースリット | 首相 | |
ベトナム | グエン・スアン・フック | 首相 | |
インドネシア | ジョコ・ウィドド | 大統領 | |
バングラデシュ | シェイク・ハシナ | 首相 | |
スリランカ | マイトリーパーラ・シリセーナ | 大統領 | |
パプアニューギニア | ピーター・オニール | 首相 | |
チャド | イドリス・デビ | 大統領 | |
国際連合 | 潘基文 | 事務総長 | |
経済協力開発機構 | アンヘル・グリア | 事務総長 | |
アジア開発銀行 | 中尾武彦 | 総裁 | |
国際通貨基金 | クリスティーヌ・ラガルド | 専務理事 | |
世界銀行 | ジム・ヨン・キム | 総裁 |
2016年(平成28年)2月10日時点では北朝鮮核問題と感染症対策が主要議題として扱われ、世界経済についても話し合われることとなった[21]。北朝鮮核問題は、2016年に強行された北朝鮮の核実験とミサイル発射を受けたもので、首脳宣言による国際世論の喚起を図ることを狙いとした[21]。加えてウクライナや中東問題、国際テロ組織や難民問題についても議論された[21]。感染症対策は、2014年の西アフリカエボラ出血熱流行やラテンアメリカを中心としたジカ熱の世界的流行を受けたもので、保健・衛生分野での日本のリーダーシップの発揮を狙いとした[21]。
2016年(平成28年)4月の外務省による公式発表では、「世界経済・貿易」、「政治・外交問題」、「気候変動・エネルギー」、「開発」、「質の高いインフラ投資」、「保健」、「女性」について議論するとされた[22]。
2016年5月27日午前、首脳宣言が採択された[23]。要点は以下の通り[23]。
首脳宣言の付属として6つの合意文書が採択された[23]。それらは以下の通り[23]。
27日午前、首脳宣言と6分野の付属文書を採択した[24]。
公式日程の初めの行事として、各国首脳とファーストレディらにより、神道の聖地である伊勢神宮の御垣内参拝と、伊勢神宮内での記念植樹が行われた(安倍首相は前日に下見を兼ねて参拝しており、当日は2度目の参拝)[25]。各国の首脳からは、「素晴らしい教訓と経験を与えてくれた」「聖なる場所に行くことができて感動した」などの声が相次いだ[26]。
なお、政府や伊勢神宮を管理する神宮司庁の公式見解としては、首脳たちが行ったのは「参拝」ではなく、「訪問」である。参拝は宗教儀礼に当たるため、政府の公式行事で行うことは政教分離に反すると判断された。実際、首脳たちは御垣内に入ったが、二拝二拍手一拝を行わなかった。