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筋弛緩モニタ(きんしかんモニタ、英: neuromuscular monitoring)は、筋弛緩薬のモニタリングを行う装置。
筋弛緩薬を使用する症例では、その効果を確かめるために筋弛緩のモニタリングを必要に応じて行う。特に、気管挿管などの深い筋弛緩状態を維持する必要があるときや、抜管時の回復状態の判定時に用いる[1] 。
客観的モニターと主観的モニターがある。
末梢神経刺激下に支配筋の活動電位、あるいは筋収縮の張力や速度をトランスデューサーで計測し、筋弛緩効果と筋弛緩からの回復を数値として客観的に評価できるモニター[2]。
主に術中に、簡易的末梢刺激装置で四連(TOF)刺激に対する反応数(TOFカウント)を観察し、筋弛緩薬投与のタイミングを計るのに用いられる。TOFカウントが1~2以下になるように筋弛緩薬と投与すれば、開腹手術時の至適筋弛緩が概ね維持される。
筋の動きを主観的に見たり、感じたりするのみであるため、評価に確実性がなく、特に筋弛緩からの至適回復を評価することは困難である[2]。
尺骨神経-母指内転筋、顔面神経-皺眉筋や眼輪筋、脛骨神経-母趾屈筋群、咬筋神経-咬筋、などの組み合わせが利用され、モニタリングする筋によって筋弛緩薬への反応が異なる。
皺眉筋でのモニタリングは横隔膜や喉頭筋の筋弛緩状態をよく反映するため、より早い気管挿管のタイミングを推定したり、バッキングや吃逆予防のために深い筋弛緩を維持したりすることに適する。
母指内転筋は回復が最も遅いため、筋弛緩からの十分な回復を評価することに適する[2]。
TOF比=T4収縮高/T1収縮高。
筋弛緩薬投与前はT1からT4の収縮力は同じであり、TOF比=1である。
非脱分極性筋弛緩薬による部分遮断時には減衰(fade)反応を観察できるが、脱分極性遮断時には基本的に減衰は認められない。TOF比>0.9が非脱分極性遮断からの至適回復の客観的指標とされる[2]。