![]() |
![]() | |||
---|---|---|---|
![]() | |||
![]() | |||
基本情報 | |||
国 |
![]() | ||
所在地 | 福岡県、佐賀県 | ||
種類 | 普通鉄道(在来線・幹線) | ||
起点 | 姪浜駅、山本駅 | ||
終点 | 唐津駅、伊万里駅 | ||
駅数 | 31駅 | ||
電報略号 | チヒセ[1] | ||
路線記号 |
![]() | ||
開業 | 1923年12月5日 | ||
一部廃止 | 1983年3月22日(博多 - 姪浜間、虹ノ松原 - 山本間) | ||
所有者 | 九州旅客鉄道(JR九州) | ||
運営者 | 九州旅客鉄道 | ||
車両基地 | 唐津鉄道事業部唐津運輸センター | ||
使用車両 | 使用車両の節を参照 | ||
路線諸元 | |||
路線距離 |
42.6 km(姪浜 - 唐津間) 25.7 km(山本 - 伊万里間) | ||
軌間 | 1,067 mm(狭軌) | ||
線路数 |
複線(姪浜 - 筑前前原間) 単線(上記以外) | ||
電化区間 | 姪浜 - 唐津間 | ||
電化方式 | 直流1,500 V 架空電車線方式 | ||
閉塞方式 |
複線自動閉塞式 (姪浜 - 筑前前原間) 単線自動閉塞式 (筑前前原 - 唐津間) 特殊自動閉塞式(軌道回路検知式) (山本-伊万里間) | ||
保安装置 | ATS-SK | ||
最高速度 | 85 km/h[2] | ||
|
筑肥線(ちくひせん)は、福岡県福岡市西区の姪浜駅から佐賀県唐津市の唐津駅まで、および唐津市の山本駅から同県伊万里市の伊万里駅までを結ぶ九州旅客鉄道(JR九州)の鉄道路線(幹線)である[3]。
かつては福岡 - 伊万里間の短絡線的性格を有し、博多駅 - 伊万里駅間を唐津市街地を通らないルートで結んでいた路線であったが、1983年(昭和58年)3月22日に姪浜駅 - 唐津駅間の電化および福岡市地下鉄空港線との直通運転開始にあわせて、博多駅 - 姪浜駅間と虹ノ松原駅 - 山本駅間が廃止され、後者が虹ノ松原駅 - 唐津駅間の新線[注釈 1]に経路変更されたことで、唐津駅を経由するルートで結ぶ路線となった。この時、唐津駅 - 山本駅間が唐津線との重複区間となったが、1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化に際して唐津駅 - 山本駅間が唐津線の単独扱いに戻ったため、筑肥線は姪浜駅 - 唐津駅間と山本駅 - 伊万里駅間の2区間に分断された路線となった。区間分断後も両区間は唐津線を介して接続されている。
伊万里駅では、かつてはその先の松浦線と接続していたので、博多駅 - 長崎駅間を結んだ急行「平戸」など、筑肥線と松浦線を直通運転する列車もあったが、1988年(昭和63年)に松浦線が第三セクターの松浦鉄道に転換されたことにより直通運転はなくなった。また、2002年(平成14年)に伊万里駅の駅舎改築とともに線路も分断された。
姪浜駅 - 唐津駅間は福岡市・唐津市双方への通勤・通学路線となっており、福岡市地下鉄空港線と相互直通運転を行うため、九州地方の国鉄(現在のJR九州)の路線としては、山陽本線の関門トンネル部に次いで直流電化された。同区間および同区間と直通運転をしている唐津線唐津駅 - 西唐津駅間は、JR九州内では唯一直流専用電車が運転されている。
また、姪浜駅 - 唐津駅間は唐津線唐津駅 - 西唐津駅間と合わせてIC乗車カード「SUGOCA」の利用エリアに含まれている。なお、他のSUGOCAエリアでは2011年(平成23年)3月5日よりTOICA・ICOCAとの相互利用を開始したが、当路線については接続する福岡市地下鉄線のはやかけんが相互利用に対応していなかった関係上、全区間でTOICA・ICOCAの利用対象外となっていた。2013年(平成25年)3月23日の交通系ICカード全国相互利用サービス開始に合わせ、SUGOCAを導入している全ての駅でTOICA・ICOCAの利用が可能となった。
2016年(平成28年)12月22日には、リアルタイム列車位置情報システム「どれどれ」が運用開始され、スマートフォンアプリ「JR九州アプリ」により、当線では下山門駅 - 西唐津駅間・西唐津駅 - 伊万里駅間におけるリアルタイムの列車位置情報がスマートフォンで閲覧できるようになった[4]。ただし、姪浜駅 - 下山門駅間は閉塞方式の都合で配信できない。
姪浜駅 - 周船寺駅間の各駅は福岡市に所在するが、福岡市内のJR九州の他の路線とつながっていないため、旅客営業規則上の「特定都区市内」における「福岡市内」のエリアには含まれていない。なお、博多駅 - 姪浜駅間が廃止されるまでは、これらの駅は「福岡市内」として扱われていた[注釈 2]。
全線が本社鉄道事業本部直轄となっている。ただし姪浜駅構内は福岡市交通局の管理下に置かれている。
各年度の平均通過人員(人/日)および旅客運輸収入は以下のとおりである。
年度 | 平均通過人員(人/日) | 旅客運輸収入 (百万円/年) |
出典 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
全区間 | 伊万里 - 唐津 | 唐津 - 筑前前原 | 筑前前原 - 姪浜 | 唐津 - 西唐津(参考) | |||
1987年度(昭和62年度) | 7,557 | 728 | 7,233 | 13,593 | 1,315 | [6] | |
2016年度(平成28年度) | 9,752 | 236 | 5,755 | 43,961 | 1,026 | 3,607 | [6][7] |
2017年度(平成29年度) | 9,959 | 227 | 5,859 | 44,975 | 1,066 | 3,720 | [8] |
2018年度(平成30年度) | 10,181 | 222 | 5,870 | 46,283 | 1,005 | 3,803 | [9] |
2019年度(令和元年度) | 10,207 | 214 | 5,878 | 46,445 | 1,024 | 3,867 | [10] |
2020年度(令和 | 2年度)7,417 | 180 | 4,016 | 34,282 | 766 | 2,585 | [11] |
2021年度(令和 | 3年度)7,834 | 184 | 4,206 | 36,310 | 766 | 2,865 | [12] |
2022年度(令和 | 4年度)8,657 | 196 | 4,728 | 39,960 | 765 | 3,288 | [13] |
平均通過人員が2,000人/日未満の線区(伊万里駅 - 唐津駅間)における各年度の収支(営業収益、営業費、営業損益)は以下のとおりである。▲はマイナスを意味する。
年度 | 収支(百万円) | 出典 | ||
---|---|---|---|---|
営業収益 | 営業費 | 営業損益 | ||
2018年度(平成30年度) | 39 | 232 | ▲193 | [14] |
2019年度(令和元年度) | 38 | 274 | ▲235 | [15] |
2020年度(令和 | 2年度)26 | 178 | ▲152 | [16] |
2021年度(令和 | 3年度)26 | 171 | ▲146 | [17] |
2022年度(令和 | 4年度)28 | 167 | ▲140 | [18] |
停車場・施設・接続路線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
高架駅の姪浜駅を発車した直後は、沿線にマンションやビルが見られるが、すぐに住宅街に変貌する。左手に福岡市地下鉄の姪浜車両基地を見ながら高架をくだり、下山門駅に到着する。しばらく北側には松林(生の松原)が広がる。生の松原を過ぎて博多湾が見えてきたところで、福岡市都心部から断続的に続いた市街地を外れ、下り線は電化時に山側に新規に作った単線トンネルを、上り線は複線化時に海側の旧単線トンネルを改修して再使用した長垂山を貫く長垂トンネルに入る。長垂トンネルを抜けると、福岡市西区内では西部の副次的中核地域である今宿駅に到着する。今宿駅を発車し高架区間に入ると、両側は伊都土地区画整理事業により整地された住宅街である。次第に周辺にビルやマンションが増え、高架島式ホーム1面2線の九大学研都市駅に到着。左手にはイオンモール福岡伊都が隣接している。九大学研都市駅を出てしばらくすると区画整理の事業地内を抜けて、右手に広がる住宅街を見ながら高架線を下り、周船寺駅に到着する。周船寺駅からは福岡前原有料道路の高架が確認できる。周船寺駅を発車してすぐに糸島市に入る。依然沿線には住宅街が広がっているが、徐々に田圃が見られるようになる。波多江駅を出ると、左手には溜池や田圃が多く見られるが、糸島高校前駅の手前まで来ると市街地となり、複線区間の終点となる筑前前原駅に到着する。乗り入れてきた福岡市地下鉄の列車はここで折り返す(2021年のダイヤ改正前は筑前深江駅で折り返す列車もあった)。
筑前前原の隣駅である単式1面1線の美咲が丘駅前後では国道202号と並行するが、まもなく離れて、島式1面2線の加布里駅、単式1面1線の一貴山駅を出ると、広大な田園風景が出現する。田園風景を駆け抜けると、筑前深江駅に到着する。筑前深江駅からは概ね国道202号と並行しながら右手に玄界灘を見ることができるが、トンネルやカーブが多く65km/h程度しか出せない状況が続く。大入駅、福吉駅、鹿家駅と過ぎて行くと県境に達し、佐賀県唐津市に入り、遠くに虹の松原が確認できる。二丈浜玉道路の橋梁と並行する玉島川橋梁を渡ると、まもなく国道202号と離れ、浜崎駅に到着する。浜崎駅を出るとすぐ、右手に虹の松原が近接する。そのまま片面1面1線の虹ノ松原駅を過ぎ、唐津市内の高架区間に入り、唐津市街に近づいてくる。まもなく高架島式1面2線の東唐津駅に到着。東唐津駅周辺では新東唐津駅土地区画整理事業が行われている。東唐津駅のすぐ先で長大な松浦川橋梁を渡る。松浦川橋梁では遠くに唐津城や唐津発電所の煙突が確認できる。橋梁を渡りきって、住宅地を眼下に見ながら和多田駅に到着する。和多田駅の北側は丘陵の住宅地となっている。和多田駅の先で唐津線と合流し、谷間の高架線を行く。谷間を抜けると右手に唐津市の中心部が見え、まもなく一部列車の終点となる高架島式2面4線の唐津駅に到着する。
山本駅を出るとしばらく唐津線と並走し、唐津線の線路を乗り越えて右へカーブする[3]。並走区間の途中に本牟田部駅があるが、ホームは唐津線側にのみ設置されており、筑肥線側にはない[3]。本牟田部駅を過ぎしばらくすると唐津線との並走区間が終わり、その後は旧相知町の山間部を走行する。佐里駅を過ぎると伊万里市に入る[3]。そのまま山間部を走ると山本駅 - 伊万里駅間で唯一列車交換可能な駅である大川野駅がある。そのまましばらく進行し、肥前長野駅を過ぎてしばらくすると、右にカーブして桃川駅、金石原駅、上伊万里駅と過ぎていき、伊万里市街地に入ると終点の伊万里駅に到着する[3]。現在は伊万里駅で線路は途切れているが、かつては松浦線と線路がつながっており、国鉄時代は伊万里駅を通じて筑肥線と松浦線の直通列車も存在していた。
福岡市地下鉄空港線と直通運転する福岡空港駅 - 筑前前原駅・筑前深江駅・唐津駅・西唐津駅間の列車のほか、福岡空港駅 - 筑前前原駅間の列車と対面接続する筑前前原駅 - 筑前深江駅・唐津駅・西唐津駅間の列車も運行されている。福岡市交通局が所有する福岡市地下鉄空港線用の車両は当線では姪浜駅 - 筑前前原駅間でのみ運行される[注釈 4]。2021年3月13日改正時点で[19]、姪浜駅が始発・終点となる筑肥線の定期列車は設定されておらず、姪浜駅 - 筑前前原駅間を運行する全列車が地下鉄空港線に直通する。事故や災害等でダイヤが乱れた場合は姪浜駅で折り返し、地下鉄と筑肥線で運行を分ける場合がある。筑前前原駅発着の初電・終電は地下鉄空港線の初電・終電を兼ねており、当線からも新幹線や航空便の始発便への乗り継ぎが可能となっている。
平日・土曜休日ともに福岡空港駅 - 唐津駅・西唐津駅間(平日朝の唐津行きは筑前前原駅で乗り換え)に1日5往復の快速列車が運行される。2003年3月15日に土曜・休日のみの運行で新設された当時は唐津・西唐津行きに「からつライナー」、福岡空港行きに「ふくおかライナー」の愛称が付けられていた。2007年3月18日の改正からは、平日にも快速の運転が行われるようになり、同時に愛称も廃止された。平日は筑前前原駅 - 東唐津駅間では途中筑前深江駅・浜崎駅のみに停車し、福岡空港駅 - 姪浜駅 - 筑前前原駅間と東唐津駅 - 唐津駅・西唐津駅間では各駅に停車する。土曜・休日は姪浜駅 - 東唐津駅間で途中の九大学研都市駅・筑前前原駅・筑前深江駅・浜崎駅のみに停車し、それ以外の区間は各駅に停車する。2014年3月15日の改正で平日に筑前前原発唐津行きの3両編成ワンマン運転の快速列車が1本新設された。
姪浜駅 - 筑前前原駅間は日中15分間隔・ラッシュ時4 - 10分間隔、筑前前原駅 - 唐津駅・西唐津駅間は日中20 - 30分間隔、ラッシュ時10 - 20分間隔である。福岡空港駅発着の列車と唐津駅・西唐津駅発着の列車は、筑前前原駅で対面接続を行う[注釈 5]。これにより両方向間において直通列車とほぼ遜色のない所要時間を確保している。福岡空港駅 - 姪浜駅 - 筑前前原駅間で運行される列車はすべて6両編成、筑前前原駅 - 筑前深江駅・唐津駅・西唐津駅間の列車は大半が3両編成で運行される。筑前前原駅で増解結を行い、福岡空港駅 - 姪浜駅 - 筑前前原駅間が6両編成、筑前前原駅 - 筑前深江駅・唐津駅・西唐津駅間が3両編成となる列車もあったが、2014年3月15日の改正で廃止された。2021年3月13日の改正より日中時間帯は筑前前原駅で運行が分割され、区間列車のみとなっている。また、西唐津駅への乗り入れも減少している。
全列車がワンマン運転を行うが、都市型ワンマンであり車内での運賃収受は行わない。6両編成の列車は電化開業時は車掌が乗務していたが、2021年3月13日のダイヤ改正より姪浜駅 - 筑前前原駅間、2024年10月1日より筑前前原駅 - 唐津駅・西唐津駅間でワンマン運転を開始した[注釈 6]。
西唐津駅・唐津駅 - 山本駅 - 伊万里駅間の列車が、日中はおおよそ2 - 3時間に1本、朝夕は1時間に1本の間隔で運転されている。ワンマン運転を実施しており、車内で整理券を発行し運賃収受を行う。唐津駅・西唐津駅では車内精算は行わない。車両は基本的にキハ125形が1両で運用されているが、朝など2両で運転されることもある。キハ47形が入ることもあったが、2020年3月のダイヤ改正で運用に入ることは無くなった。
1994年のダイヤ改正では快速列車の設定もあった(唐津駅 - 伊万里駅間の途中停車駅は山本駅・大川野駅・桃川駅)[20]。2002年1月時点では毎日運転の臨時列車として運行されており佐里駅にも停車していた[21]。
キハとあるのは気動車、特記ないものは電車
電車(姪浜駅 - 唐津駅間)・気動車(山本駅 - 伊万里駅間)とも佐賀鉄道事業部唐津車両センター所属の車両が充当される。
北九州鉄道からの買収後は、蒸気機関車や気動車が牽引する客車列車が運行されており[29]、蒸気機関車は1969年3月16日に東唐津駅 - 博多駅間の1往復が終了するまで運行された[30]。その後も姪浜駅 - 博多駅間の廃止までDE10形牽引の客車列車が1往復運行されていた。
キハ58系・35系は姪浜駅 - 唐津駅間の電化後も山本駅 - 伊万里駅間で運用。通常は3両編成で運行されていたが、通勤・通学のラッシュ時は8両編成になることもあった[31][注釈 7]。
当線の起源は、私鉄の北九州鉄道が博多駅 - 伊万里駅間に敷設した路線(1923年開通[33]、1935年全通)で、北九州鉄道の経営悪化から[34]、1937年に国有化され筑肥線となった。その後1983年まで非電化のローカル線であったが、同年3月に福岡市地下鉄空港線と相互直通運転を開始し、地下鉄と並行する博多駅 - 姪浜駅間の廃止、姪浜駅 - 唐津駅・西唐津駅間の電化、唐津付近で大規模な線路の付け替え(呼子線として建設した高架橋を流用)が行われて現在の姿となった(唐津付近の路線変更についての詳細は「唐津市#筑肥線の電化と新線開業」を参照)。
便宜上、本路線の列車が直通する唐津線の区間もあわせて記載する。
路線名 | 駅番号 | 駅名 | 営業キロ | 快速 | 接続路線・備考 | 線路 | 所在地 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
駅間 | 累計 | ||||||||
筑肥線 | JK01 | 姪浜駅 | - | 0.0 | ● | 福岡市地下鉄:![]() |
∥ | 福岡県 | 福岡市 西区 |
JK02 | 下山門駅 | 1.6 | 1.6 | ○ | ∥ | ||||
JK03 | 今宿駅 | 3.6 | 5.2 | ○ | 1975年までは総延長2.0kmの貨物専用線が分岐していた[76]。 | ∥ | |||
JK04 | 九大学研都市駅 | 1.3 | 6.5 | ● | ∥ | ||||
JK05 | 周船寺駅 | 1.6 | 8.1 | ○ | ∥ | ||||
JK06 | 波多江駅 | 2.0 | 10.1 | ○ | ∥ | 糸島市 | |||
JK07 | 糸島高校前駅 | 1.2 | 11.3 | ○ | ∥ | ||||
JK08 | 筑前前原駅 | 1.4 | 12.7 | ● | ∨ | ||||
JK09 | 美咲が丘駅 | 1.6 | 14.3 | | | | | ||||
JK10 | 加布里駅 | 1.1 | 15.4 | | | ◇ | ||||
JK11 | 一貴山駅 | 1.3 | 16.7 | | | | | ||||
JK12 | 筑前深江駅 | 3.4 | 20.1 | ● | ◇ | ||||
JK13 | 大入駅 | 3.2 | 23.3 | | | ◇ | ||||
JK14 | 福吉駅 | 2.8 | 26.1 | | | ◇ | ||||
JK15 | 鹿家駅 | 4.1 | 30.2 | | | ◇ | ||||
JK16 | 浜崎駅 | 5.2 | 35.4 | ● | ◇ | 佐賀県 唐津市 | |||
JK17 | 虹ノ松原駅 | 2.1 | 37.5 | | | | | ||||
JK18 | 東唐津駅 | 1.8 | 39.3 | ● | ◇ | ||||
JK19 | 和多田駅 | 1.6 | 40.9 | ● | | | ||||
JK20 | 唐津駅 | 1.7 | 42.6 | ● | 九州旅客鉄道:■唐津線(久保田方面)・■筑肥線(伊万里方面)[注釈 8] | ◇ | |||
唐津線 | |||||||||
JK21 | 西唐津駅 | 2.2 | 44.8 | ● | ※ |
路線名 | 電化方式 | 駅番号 | 駅名 | 営業キロ | 接続路線 | 線路 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
駅間 | 累計 | |||||||
唐津線 | 直流 | JK21 | 西唐津駅 | - | 9.6 | ※ | 唐津市 | |
JK20 | 唐津駅 | 2.2 | 7.4 | 九州旅客鉄道:![]() |
◇ | |||
非電化 | 鬼塚駅 | 3.7 | 3.7 | ◇ | ||||
山本駅 | 3.7 | 0.0 | 九州旅客鉄道:■唐津線(久保田方面) | ◇ | ||||
筑肥線 | ||||||||
肥前久保駅 | 5.1 | 5.1 | | | |||||
西相知駅 | 1.5 | 6.6 | | | |||||
佐里駅 | 1.6 | 8.2 | | | |||||
駒鳴駅 | 2.8 | 11.0 | | | 伊万里市 | ||||
大川野駅 | 1.9 | 12.9 | ◇ | |||||
肥前長野駅 | 1.4 | 14.3 | | | |||||
桃川駅 | 3.1 | 17.4 | | | |||||
金石原駅 | 2.3 | 19.7 | | | |||||
上伊万里駅 | 4.4 | 24.1 | | | |||||
伊万里駅 | 1.6 | 25.7 | 松浦鉄道:西九州線 | | |
この区間は1983年(昭和58年)3月22日、福岡市地下鉄1号線(現在の空港線)と引き替えで廃止された[33]。なお、廃止区間各駅のみならず、姪浜駅・今宿駅・周船寺駅も特定都区市内制度における「福岡市内」エリアから外れることになったため、地下鉄等の代替交通機関の運賃も併せて負担が増すこととなった。
駅名 | 営業キロ | 接続路線・備考 | 線路 | 所在地 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
駅間 | 累計 | ||||||
博多駅 福 | - | 0.0 | 日本国有鉄道:山陽新幹線・鹿児島本線 西日本鉄道:福岡市内線(1979年2月11日廃止) (九州新幹線・博多南線・福岡市地下鉄空港線・七隈線は当時未開業) |
∨ | 博多区 | ||
筑前簑島駅 福 | 1.6 | 1.6 | | | ||||
筑前高宮駅 福 | 1.1 | 2.7 | 西日本鉄道:大牟田線(西鉄平尾駅) 博多保線区姪浜支区筑前高宮検査長室を併設[79] |
◇ | 中央区 | ||
平尾駅 | 0.3 | 3.0 | (1941年8月10日廃止) | | | 大字平尾 (現在の中央区) | ||
小笹駅 福 | 1.8 | 4.8 | | | 中央区 | |||
鳥飼駅 福 | 2.4 | 7.2 | ◇ | 城南区 | |||
西新駅 福 | 1.7 | 8.9 | タブレット閉塞による単線路線の交換駅[80] | ◇ | 西区 (現在の早良区) | ||
筑前庄駅 | 1.2 | 10.1 | (1941年8月10日廃止) | | | (現在の早良区) | ||
姪浜駅 福 | 1.6 | 11.7 | 日本国有鉄道:筑肥線(東唐津・伊万里方面) (福岡市地下鉄空港線は当時未開業) |
◇ | 西区 |
この区間は1983年(昭和58年)3月22日、虹ノ松原駅 - 唐津駅間の開業とそれに伴う経路変更のため廃止された。なお、この経路変更により唐津線の唐津駅 - 山本駅間が筑肥線との重複区間に指定されたが、1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化と同時に唐津線の単独区間に戻っている。
駅名 | 営業キロ | 接続路線・備考 | 線路 | |
---|---|---|---|---|
駅間 | 累計 | |||
虹ノ松原駅 | - | 49.2 | 日本国有鉄道:筑肥線(博多方面) | | |
東唐津駅 | 3.0 | 52.2 | ※ | |
鏡駅 | 3.5 | 55.7 | | | |
久里駅 | 2.2 | 57.9 | | | |
山本駅 | 1.7 | 59.6 | 日本国有鉄道:筑肥線(伊万里方面)・唐津線 | ◇ |
![]() | この節で示されている出典について、該当する記述が具体的にその文献の何ページあるいはどの章節にあるのか、特定が求められています。 |