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精液採取(せいえきさいしゅ、英:semen collection)とはヒトや家畜などにおける人工授精のために雄の動物から精液を得る行為。
人工膣(artificial vagina)を用いる。 ウシやウマなどで主に行われる方法で、広く普及している。
一般的な人工膣はゴム内筒・ゴム外筒・硬質外筒の3重構造で、後者2つの間に湯を入れて膣内の温度を再現する。また、人工膣内に空気層を残すことで陰茎を直接挿入するゴム内筒内の圧力を調節する。この際「擬雌台」と呼ばれる台または「台雌」と呼ばれる雌に家畜を乗駕させて精液を横取りする。後肢の故障などで乗駕困難な個体ではその他の方法が取られる。ウマの場合前方に外陰部を露出させた雌馬を置くと擬雌台に乗駕しやすい。
直腸に電極棒を挿入し、人工的に射精させる方式。ウシの場合、3Vから15Vの範囲で断続的に電圧を上げていくと、低電圧で尿道球腺液、10 - 15Vで濃厚精子を含む精液分画を得られる。
直腸から腕を挿入して、精管膨大部と精嚢を交互にマッサージする方法。ウシで行われ、包皮内に射精することが多いために雑菌の混入が多く、精液量が多くても精子濃度が低い。
ブタで行われる方法で、雄豚が擬雌台に乗駕して陰茎を出し入れしはじめた頃を見計らい薄いゴム手袋を付けた手で陰茎を直接支持し、螺旋部を圧迫することで射精する。
対象者が思春期以降でありオナニーをすることができる場合、精液検査や人工授精の際、自宅または医療機関の「採精室」でオナニーにより採取する。これを、医学的には「用手法」という。
オナニーを習得していない若年者が小児がんの妊孕性温存療法などのために精液採取を行う場合は、オナニーの方法を教授したうえでオナニーをさせるか、人工膣法、精管膨大部マッサージ法、または全身麻酔下で電気刺激法によって射精させて採取する。