『腹ぺこブッチ』(Baby Butch、1954年8月14日)はトムとジェリーの作品の一つ。
野良猫ブッチは今日もゴミ箱から食料(イワシ・牛肉の缶詰や飲みかけのジュースなど)を漁っていた。そんな「生ゴミショッピング」を楽しむ彼は、ついでにトムの家のミルクや骨付きハムも失敬してやろうと考えるが、タイミングを逃し失敗。家の中を覗くと、冷蔵庫の中は卵に先ほど目をつけた骨付きハム、ミルクなどがギッシリ。そこでブッチは「かわいそうなみなし子」を装って家に侵入する作戦を思いつく。そして股に捨てられたワイシャツをオムツのように巻き、壊れたベビーベッドに横たわるとトムの家に上がりこむ。
「腹ぺこ赤ちゃん」を可哀想に思ったトムは、早速ミルク入りの哺乳瓶をブッチの口に咥えさせる。赤ちゃん向けのミルクなど飲む気にもならず戻してしまうブッチだが、正体がばれるわけにもいかずしぶしぶミルクを飲み続ける。そしてトムがいなくなった隙に骨付きハムを盗もうとするが、そのハムはジェリーも狙っていた上、ブッチを赤ちゃんだと信じ込んだトムが頻繁に世話を焼くものだから、なかなかハムにありつく事ができない。こうしてハムを巡ったトム・ジェリー・ブッチの三つ巴の戦いが繰り広げられる。
そうこうしているうちに、ブッチは骨付きハムの他、冷蔵庫の中にある全ての食べ物まで盗み出し、乳母車に乗って逃走を図る。しかし、ジェリーの扉を閉める妨害によって盗んだ食べ物を取り戻され、ブッチはそのまま家から追い出されてしまった。
その後、仲直りしたトムとジェリーは仲良くハムを分けて食べようとしていた。そこにはいつの間にかブッチの姿も。仕方なしにトムはブッチにもハムを分けてやろうと自分で切らせる。ところがブッチは小さく切った方を食べるように見せかけて、ハムの本体の方にかぶりついた。止めようとするトムとジェリーを阻止しながら、ハムを独り占めするブッチだった。
TBS系および他系列で1964年~1990年頃まで時折放映された。