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行動障害(こうどうしょうがい、英語: Emotional and behavioral disorders, EBD)とは、主に認知症患者や知的障害者が併発させる、飛び出しを含む自傷行動、殴打や噛みつき、物壊、異食、多動、何時間もの号泣や大声、弄便など不潔行為など周囲の者の生活に危害を及ぼす行動等をする他害、特定のモノや習慣に異常な執着などを示す障害[1][2][3][4][5]。感情・行動障害とも言われる[6]。これらの行動が著しく高い頻度と強度で生じており、処方を行なっても改善が見られず、知的障害者施設・家庭養育も困難なモノを強度行動障害と言われる[1][4]。強度行動障害は特に、中学生となった思春期の頃に自閉スペクトラム症(ASD。自閉症、アスペルガー症候群)を伴う重知的障害者が併発する傾向がある[4]。
軽度の行動障害かつ年齢10歳以上の場合はポジティブ行動支援 (positve behavior support: PBS) が可能とされている。PBSでは、望ましい行動の増加を目指した支援が行われる。望ましい行動が生起した際、即座に肯定的なフィードバック(賞賛・承認など)を行い、本人にとって望ましい行動の生起頻度を増やしていく[2]。 軽度知的障害者入所更生施設において多飲の行動障害を持つ自閉症患者には、望ましくない行動をとがめるのではなく、望ましくない行動の代わりとなる行動(代替行動)の形成を支援し、本人をサポートするのが良いとされる[7]。定型児に用いる叱咤などを用いない方法の代表格であり、軽度には認知療法・認知行動療法を軸に支援計画を立てていくことが望ましい[2]。
しかし、認知療法・認知行動療法は、重度の認知症や重度知的障害者を持つ人たちには不適当である[8]。知的障害かつ重度強迫性障害の場合は、施設内でも激しく暴れて他害・器物損壊するため、知的障害者専門施設でさえも退所を余儀なくされる。重度行動障害者は親族による自宅での介護となるが、冷蔵庫、電子レンジなど何でも投げるために買い替えや補修する事態となっている。重度行動障害の息子を持つ夫妻は、記憶するだけでも電子レンジ10台、シャワーヘッド5個、電子ピアノ3台を破壊されたこと、電磁調理器は毎月壊され、食器は割れたり壊れたりした数は覚えきれないと明かしている[4]。