ジャンル | サウンドノベル |
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対応機種 |
セガサターン(SS) PlayStation(PS) PlayStation Portable(PSP) iアプリ |
開発元 | チュンソフト |
発売元 | チュンソフト |
プロデューサー |
中村光一 小久保利己 |
ディレクター |
麻野一哉 山﨑修 平松正樹 近藤英明 毛利昌樹 落合信也 |
シナリオ |
長坂秀佳 山﨑修 岩片烈 平松正樹 横山至 |
プログラマー |
板野英史 大森田不可止 川田勝美 福澤正 |
音楽 |
難波弘之 加藤恒太 三俣千代子 林秀幸 森藤晶司 板倉真一 |
人数 | 1人 |
メディア |
CD-ROM2枚 UMD ダウンロード販売 |
発売日 |
1998年1月22日(SS) 1999年1月28日(PS) 2002年4月4日(PS/Best) 2005年10月11日(iアプリ) 2006年4月27日(PSP) 2007年8月30日(PSP/Best) 2012年3月27日(PSP/DL) |
対象年齢 | CERO:D(17才以上対象) |
コンテンツアイコン |
セクシャル 飲酒・喫煙 ギャンブル |
売上本数 |
12万本(SS)[1] 60,417本(PS) 2万本(PSP) |
その他 | 型式:T-34001G(SS) |
『街 〜運命の交差点〜』(まち うんめいのこうさてん)は、チュンソフトから発売されたアドベンチャーゲーム。
『弟切草』(1992年)、『かまいたちの夜』(1994年)に続く同社のサウンドノベルシリーズ第3弾である。シナリオの構想に5年もの歳月を費やしている[2]。開発はチュンソフトが行い、製作は中村光一、原作・監修は長坂秀佳、総監督は麻野一哉、音楽は難波弘之、加藤恒太他数名が担当している。
キャッチコピーは「戻りたい過去はありますか?」[3]。
最初にリリースされたセガサターン版のタイトルは『サウンドノベル 街 -machi-』(サウンドノベル まち)。その後システムを一部変更して新要素を追加したPlayStation版『街 〜運命の交差点〜』が『かまいたちの夜 特別編』、『弟切草 蘇生篇』と同時期に「サウンドノベル・エボリューション」シリーズとして1999年1月28日(廉価版は2002年4月4日)に発売された。また、2005年にはドワンゴから携帯アプリ版も配信されている。
2006年4月27日には新たに2人分の秘蔵シナリオや、サウンドテスト機能が追加されたPlayStation Portable版『街 〜運命の交差点〜 特別篇』がセガとチュンソフトのコラボレーションで発売(廉価版のSEGA THE BESTは2007年8月30日発売)。2012年3月27日にはPlayStation Storeで、PSP版のダウンロード販売が開始された(PlayStation Vitaには配信当初は非対応だったが、現在は対応済み)。
PSP版は一部シナリオで暴力内容を含んでいるためCEROレイティングでUMDが「18才以上対象」、PS Store版は「CERO:D(17才以上対象)」指定になっている。
渋谷の街を舞台に、8人の主人公とそれを取り巻く登場人物たちの複雑に絡み合った物語を描く群像劇である。基本的にそれぞれの主人公に面識はないが、ある主人公が何気なく行った行為が原因で、別の主人公がバッドエンドに陥るなど重大な影響を及ぼす場合がある。それを回避するためには、各主人公の関連性を読み解きながら、ザッピングで主人公を切り替えて正しい選択肢を選びシナリオを読み進めていく必要がある。そして、主人公8人をハッピーエンドに導くことがゲームの目的である[9]。
本作は実写を使用した作品であり、登場人物には俳優を起用している。発売当時は無名だった伊藤さおり(北陽)や窪塚洋介(当時の芸名・ヨースケ)、声優の谷山紀章、雪乃五月なども出演。登場人物の数は400人、使用した静止画の枚数は6000~7000枚にもおよぶ[10][9]。
ある主人公が選択した行動が、他の主人公に影響を及ぼすシステム。各主人公は互いに面識はないが、彼らは同じ渋谷という街の中で、同じ時間帯を共有している。ある行動や事象(フラグメント)にプレイヤーがどう対応するかによっては、他の主人公に偶然居合わせたり、影響を与えることがある[9][2]。
例えば、主人公Aのシナリオで2つの選択肢がある場合、選んだ選択肢が自分自身だけでなく主人公Cのシナリオに影響を与えたり、それを受けた主人公Cの行動が主人公Bをバッドエンドに導いたりすることがある。バッドエンドになった主人公Bのシナリオは、その原因となった主人公Aの行動を変えることで軌道修正され、読み進めることができるようになる[9]。
文章中に色の違う文字列が現れるが、これが「TIP(ティップ)」である。ボタンを押してそのTIPを選択することで別ページが開き、その語句の説明・解説が脚注形式で行われる。緑色(選択後は深緑)のTIPがこのゲームの登場人物に関する解説で、水色(選択後は青)は物や場所、一般に使用されている熟語・語句・事象の説明である[9]。
このシステムにより、本文中に余計な文章を織り込む必要がなくなると同時に、一般生活では用いられない難しい語句説明をその場で受けられるようになった。それだけでなく、主人公のシナリオに大きく絡まない登場人物や事象の細かい説明を、シナリオのテンポを崩すことなく付加している。
ある主人公のシナリオから、別の主人公のシナリオの特定の時間へ飛ぶ機能を「ZAP(ザップ)」と呼ぶ。そして、これを行うことをザッピング(主人公の交替)という。ZAPはTIPと同様に緑色の文字列で示されており、直接主人公同士が遭遇した際にその人物名がZAPになっている以外にも、特に関係のなさそうなTIPの解説中にお互いの状況の共通点を示すなどして仕組まれることがある。
シナリオを読み進めていると、画面に「つづく」と表示され、シナリオがそれ以上読み進められなくなってしまうことがある。この場合、別の主人公のシナリオを読み進め、そこで発見した「つづく」状態になっている主人公のZAPからザッピングすることで「つづく」が解除され、次のシナリオを読み進めることができる。
本編のストーリーは10月11日から15日までの5日間[注 1]で構成されており、1日のシナリオを最後まで読み進めると「○日目へつづく」と表示される。主人公8人の同日のシナリオを全て読み終えれば、翌日のシナリオへ進めるようになっている。
※以下のシナリオは、ある条件を満たすとプレイすることが可能になる。PS版ではNORMAL以上から遊ぶことができる。共に選択肢は存在しないが、他主人公の選択によりバッドエンドを迎えることがある。
※以下は、PSP版のみプレイできるシナリオ。なお、TIPやZAPは存在しない。
本作では様々な人物が登場し、複数のシナリオにまたがって登場する人物も多い。そのような人物は一番出番が多い、あるいは重要な役割を果たした主人公のシナリオに分類する。
No | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 売上本数 | 備考 |
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1 | サウンドノベル・エボリューション3 街 〜運命の交差点〜 | 1999年1月28日 | PlayStation | チュンソフト | チュンソフト | CD-ROM2枚組 | SLPS-01845〜6 | - | - |
2 | サウンドノベル・エボリューション3 街 〜運命の交差点〜 PS one Books | 2002年4月4日 | PlayStation | チュンソフト | チュンソフト | CD-ROM2枚組 | SLPS-91489〜90 | - | 廉価版 |
3 | 街 | 2005年10月11日[13][14] | FOMA900i以降(iアプリ) | チュンソフト | ドワンゴ | ダウンロード(iチュンソフト) | - | - | - |
4 | 街 〜運命の交差点〜 特別篇 | 2006年4月27日 | PlayStation Portable | チュンソフト | セガ | UMD | ULJM-05111 | - | 新規シナリオ追加 |
5 | 街 〜運命の交差点〜 特別篇 SEGA THE BEST | 2007年8月30日 | PlayStation Portable | チュンソフト | セガ | UMD | ULJM-05267 | - | 廉価版 |
6 | 街 〜運命の交差点〜 特別篇 | 2012年3月27日 | PlayStation Portable | チュンソフト | スパイク・チュンソフト | ダウンロード(PlayStation Store) | - | - | - |
特に表記が無い限り、セガサターン版との比較である。
特に表記が無い限り、PlayStation版との比較である。
特に表記が無い限り、PlayStation版との比較である。
作中には次回作への予告や伏線ともとれる内容が多数存在した。しかし、続編の企画は表れては消えるを繰り返しており、結果的に制作には至っていない(制作費を回収できるほどの売り上げがなかったことが主な原因であるという[1])。中村光一は『ゲームセンターCX』第1シーズンの第8回でのインタビューで、よゐこの有野晋哉から続編についての質問をされた際に製作への意欲を強く示したものの、当時出演した役者が現在では故人や引退した者も多く、再集結が困難なことも続編を作れない要因としてあげていた[19]。
2008年12月にチュンソフトより発売された『428 〜封鎖された渋谷で〜』は『街』で登場した固有名詞がいくつか登場したり、10年前の出来事として本作の内容が語られるなど、両作の世界設定が繋がっていることがほのめかされているが、ストーリーに直接的関係はない。刑事を引退し探偵となった雨宮桂馬がスピンオフ登場する案もあったが、『街』との関連性が強くなりすぎることと、桂馬のキャラクターが『428』の世界観と合わないとの理由で没になっている[20]。
セガサターン版には小冊子「チュンソフトニュース」が付属しており、以下の募集があった。
セガサターン版発売直後に出版された『「街」 公式ガイド ZAP'S』では、新シナリオを一般公募する企画が掲載されていた。『かまいたちの夜』でも同様の企画が展開され、応募されたシナリオで『あなただけのかまいたちの夜』が出版されている。本企画も相当数の応募があったようだが、『街』の販売本数が伸びなかったこともあり、チュンソフトのホームページで一部の作品が公開されたのみにとどまった。その後、PlayStation版が発売された際には『「街」 公式ガイド ZAP'S 増補版』が出版されたが、公募企画は掲載されていない。
制作予定だった『街2』のシナリオの第一稿はいくつか存在しており、その中でも完成に近かった2本がPSP版に追加シナリオとして収録されている[20]。
評価 | ||||||||||||||
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項目 | キャラクタ | 音楽 | お買い得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
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得点 | 3.7 | 3.7 | 3.8 | 3.5 | 4.0 | 4.2 | 22.9 |
『街 オリジナル サウンド トラック』 | |
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加藤恒太・難波弘之・三俣千代子 他 の サウンドトラック | |
リリース | |
録音 |
Studio Neuve タバック(ボーナスCD) |
ジャンル | ゲームミュージック |
時間 | |
レーベル |
ポニーキャニオン ファーストスマイル |
プロデュース |
江口勝敏 遠藤智博(ボーナスCD) |
『街 オリジナル サウンド トラック』は、ゲームソフト発売日の前日である1998年1月21日にリリースされた。
一部を除き、ゲーム中のBGMをほぼ全て収録。ゲーム中に使用された音源をそのままの曲と、MIDIアレンジによる曲がそれぞれ収録されている。全58曲。
2枚組となっており、スペシャルドラマ「ピンクなCD:青ムシSHOW」を収録した8センチCDがボーナスCDとして付属している。
文化放送・ラジオ大阪のラジオ番組『佐竹・林原の無法塾』内で本作のラジオドラマ「第Qの男 〜QはquestionのQ〜」が放送された。全12話。のちに全3巻のドラマCDとして発売されている。本編では脇役であった小糸亜弓やパトリック・ダンディが主役となっているほか、ゲームでの主人公達も登場するが、ストーリーや設定が若干異なる。
高校教師の小糸亜弓を突如口説いてきた"自称"米軍パイロットのパトリック・ダンディ。姿も言動もうそ臭く、しつこく迫るダンディを最初は疎ましく感じる亜弓だったが、だんだんダンディに惹かれていき、彼の言葉に踊らされていく。亜弓とダンディの恋の行方は?