鍋料理 | |
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発祥地 | 中国、北朝鮮、韓国、台湾、日本、南フランスなど |
地域 | 東アジア、地中海沿岸など |
鍋料理(なべりょうり)は、鍋で煮ながら食べる温かい料理[1]。食卓に鍋と熱源を備えて料理しながら食べる料理[2]。鍋物(なべもの)とも。会話中では「鍋」「お鍋」とも。
食卓に鍋と熱源(コンロ、アルコールストーブ、電熱器類など)を用意し食材を加熱しつつ温かい状態で食べる料理である[3]。特に寒い季節である冬に好まれる料理である[1]。
西洋料理では地中海沿岸のブイヤベースがあり、中国料理では火鍋子(ホーコーズ)がある[1](火鍋も参照)。韓国料理のチゲは「鍋料理」という意味である。日本料理の鍋料理としては、特に牛肉のすき焼、トリ(鶏肉)の水炊、寄せ鍋、ちゃんこ鍋などが有名である[1]。
一般的には複数人で囲んで食べるため一抱えほどの大きさの鍋を用いるが、小鍋で一人前で食すこともできる(たとえば宴会、会席料理などで提供されるし、一人暮らしの人が鍋料理をする場合も小鍋を使う)。
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近代以前の日本の住居には、台所にある竈(かまど)とは別に、調理のほか照明や暖房を兼ねた囲炉裏が用意されることが多く、そこで煮炊きした料理を取り分けて食べる事は日常的に行われていた。調理された煮物を各々に配膳せず鍋のまま供する方法は17世紀の中頃に記録に現れ始める。18世紀後半になって、囲炉裏の無い町屋や料理屋で火鉢やコンロを使用した『小鍋仕立て』という少人数用の鍋が提供され、鍋から直箸で何人かがつつくという現代見られる鍋料理が発達した[4]。 しかし、小鍋仕立ては竈神信仰や銘々膳、箱膳による食事スタイルなど、それまでの社会的習慣と相容れないものであり、一般の家庭には浸透しなかった[5]。
その後明治に入ってからの牛鍋の流行やちゃぶ台の普及などにより、鍋料理は一般家庭への普及がみられた。調理の近代化が進み調理の熱源が木炭からガスなどに転換するにつれて、加熱をしながら食べるという方式は飲食店での提供が主となったが、カセットコンロなどの発明と普及により、再び家庭でさかんに鍋料理が食べられるようになっている。
日本の鍋料理に使用する鍋として、最もポピュラーなのは陶器製の土鍋である。土鍋は熱伝導性が低いため火がじっくりと通り、長時間の煮込みでも焦げ付いたりする危険性が低いために鍋料理に適しており、寄せ鍋をはじめとして、多くの鍋料理に対して用いられる。具材を煮込む前に焼く工程があるすき焼きなど、土鍋には向かない調理法がある場合は鉄、ステンレスなどの金属製の鍋(金属鍋)が使われる。もちろん、通常土鍋が使われる料理を金属鍋で代用することも可能。最近の電磁調理器の普及に伴い、それに対応した土鍋風ホーロー鍋なども販売されている。また、ジンギスカン鍋、フォンデュなど、それ専用に作られた独特の形状の鍋を使用する料理も多い。
日本料理では和紙を用いた「紙鍋」という技法もある。これは耐水加工をした和紙を器の形にしてスープと具材を盛り、下から直火で炙って鍋にするもの。紙が中に入れた水(スープ)の沸点である摂氏100度以上に熱せられず、燃える温度に達しないためにこのような技法が可能。見た目の優美さ、和紙が具材のあくを吸うためあく取りが不要であることなどのメリットがあるほか、容器を使い捨てに出来ることから、大人数による宴会などでの卓上鍋として用いられることが多い。
また、昆布を器にした「昆布鍋」というものもある。
なお、スーパーマーケットなどではアルミホイル製の「箔鍋」に1人前の具材まで入れたものが販売されている。
各人は鍋の中の具を手元の小鉢や椀や取り皿に取ってから食べるのが一般的である(通常、手元の小鉢類にはタレ類(ポン酢、ゴマだれ その他)を入れておく)。一人用の鍋を使う場合は、鍋の中で味を調整し鍋から直接食べる場合もある。
色々な具材を煮込んでいるためにスープには出汁が凝縮された状態になっている。このスープを利用しての食べ方にも色々あるが、一般的には雑炊が多い。
日本の一般家庭でさまざまな鍋料理が作られるようになり、それが有名になってきたものもある。その中には海外の料理と組み合わせた鍋もある。
海外の鍋料理で日本で知名度が上がってきて日本国内でも食べられることが増えてきた鍋料理。
鍋料理では、鍋に入れるネギその他の野菜を「ざく」ということがある[7]。
鍋料理に具材を入れる順序、位置、食べ頃など、非常に細かく指定して、鍋料理の場を仕切る人を「鍋奉行(なべぶぎょう)」と称する[8][9]。時代劇でとかく権力を振るう役回りである「奉行」(槍奉行や畳奉行のように、それぞれを管理する役職)をもじり、また少々迷惑な存在であるという意味も含んだ呼称である。
なお、鍋奉行の他に以下のような呼称もある。