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![]() ホビーセンターカトー東京 上層階に本社機能を有する | |
種類 | 株式会社 |
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略称 | KATO |
本社所在地 |
![]() 〒161-0031 東京都新宿区西落合1丁目30番15号 北緯35度43分16.8秒 東経139度40分45.7秒 / 北緯35.721333度 東経139.679361度座標: 北緯35度43分16.8秒 東経139度40分45.7秒 / 北緯35.721333度 東経139.679361度 |
設立 |
1957年8月 (関水金属彫工舎) |
業種 | その他製品 |
法人番号 | 4011101011071 |
事業内容 | 鉄道模型の企画、製造、販売 |
代表者 | 代表取締役社長 加藤 浩 |
資本金 | 3,600万円 |
売上高 | 30億5,100万円(2006年5月期) |
従業員数 | 400人 |
主要子会社 |
株式会社カトー 株式会社ホビーセンターカトー KATO U.S.A., INC. |
関係する人物 | 加藤祐治(創業者・代表取締役会長) |
外部リンク |
www |
株式会社関水金属(せきすいきんぞく、英: Sekisui Kinzoku Co., Ltd.[1])は、東京都新宿区西落合に本社を置く日本の鉄道模型メーカーである。車両や線路、ストラクチャーや制御機器などを扱う総合メーカーである。ブランド名はKATO(カトー)。
1957年に加藤祐治によって創業された関水金属彫工舎を前身とする。関水金属は鉄道模型専業であり、直流二線式のNゲージおよびHOゲージ・16番ゲージの車両、線路、ストラクチャー・アクセサリー、制御機器などを製造する。日本国内向け製品だけでなく外国向け製品も製造し、輸出比率は事業の3割を占める。
日本向け製品は子会社の株式会社カトーを、アメリカ向け製品は、現地法人KATO USA (KATO U.S.A.,Inc.) を通して発売される。ヨーロッパ向け製品は、現地メーカーからの受注生産という形態で製造を担当している。日本では「カトー」と呼称されるが、アメリカでは「ケイトゥ」と呼称されることが多い。
主な生産国は日本で、埼玉県鶴ヶ島市と坂戸市に2工場を稼動させている。内製化率が高く創業時から自社開発と自社製造に対するこだわりが強い。
2004年、加藤祐治は経営から退き、息子の加藤浩を中心とする経営体制となった。2007年9月現在の執行役員は、創業者の加藤家と国竹家で占められており同族経営となっている。
同社の製品は模型専門店のほかに模型の取り扱いがある家電量販店や玩具店などでも販売されている。系列会社である株式会社ホビーセンターカトーが東京(本社ビル内[注 1])と京都(京都府下京区、京都駅構内)にて直営ショップを開設しているほか、ホビーセンターカトーによりインターネット通信販売も行われている。
なお、埼玉工場の敷地内には、国鉄EF65形電気機関車(536号機)の先頭部カットボディが展示されており、この16番モデルがホビーセンターカトーで発売されている(2013年12月現在)。その後、鉄コン2020東京大会オンライン開催記念として製品化されている。
加藤祐治は1949年に交通博物館で開催された鉄道模型コンクールにおいてHOゲージの車両が入賞したことがきっかけとなり[3]実家の加藤金属(世田谷)から独立し[4][5]1957年8月、東京都文京区関口水道町[注 2]に鉄道模型用金属部品工場を興し、この地にちなんで関水金属彫工舎と名づけた。当初はドロップフォージングにてHOゲージの台車枠などの部品を他社向け(アトラス工業、天賞堂、カワイモデル、カツミ模型店、つぼみ堂模型店、アカネ、トビー[5])にOEM生産していた。
加藤は1960年代初頭、普及型鉄道模型の量産を計画し、小型鉄道模型の構想・開発に着手した。当初TTゲージ(1/110・12mmゲージで制作)のC50形蒸気機関車を試作したが[6]『鉄道模型趣味(TMS)』主筆・山崎喜陽のアドバイスで、1964年に9mm軌間であるNゲージ完成品分野への進出を正式に発表し、翌1965年に射出成形によるプラスチック製の国産初の本格的Nゲージ製品としてC50形蒸気機関車とオハ31形客車が発売された。当時は、小型模型に適したモーターやネジ等の部品がなく、工作機械も未整備だった黎明期に独自の設備と技術の自助努力によって模型を作り上げた。
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Nゲージ・HOゲージの車両、線路、ストラクチャー・アクセサリー、制御機器などを展開している。
製品はほとんどが射出成形によるプラスチック製であるが、動力機構や通電部分などには一部金属製部品を使用している。
国内向け製品番号の凡例は下記の通り。特記ない限りはNゲージ規格品。
もっとも開発に力を注いでいる分野である。基本的にすべて自社で設計し、精密金型加工技術などが駆使され、射出成形から塗装印刷・組立て・出荷まで自社で一貫して行う。1980年代後半より、まだ普及途上であったCAD/CAMをいち早く導入し、高品質の製品を供給してきた。1990年代以降の設計の製品については、「フライホイール」・「KATOカプラー」・「サスペンション機構」・「DCCフレンドリー」・「振り子機構」など独自開発の新基軸(後述の特殊な装備を参照)を積極的に導入している。
販売形態は、クリアケース入りの1両単品販売と、実編成を再現するのに必要な車両を複数両ブックケースに纏めたセット販売の2形態がある。
かつては塗装済みキット形態の製品(Nゲージ京急800形など)や、未塗装の製品(HOゲージキハ65形気動車など)も存在したが、現在はほとんどが塗装済み完成品での販売に統一されている。屋根上機器を中心にユーザー取付けのパーツが多く、方向幕などのシール類も選択式となっていたが、2000年代後半からは、すべての部品が取り付け済みかつ行先表示も印刷済みで、購入後すぐに運転が可能な製品を増やしている。車番・表記等が印刷済みのもの、ブロック式の選択ナンバープレートを購入者が取り付けるものなどがある。
また製品発売と同時期に製品内の車両を構成する部品をそれぞれ補修用として「Assyパーツ」の名称で販売している。ただし、近年は共通部品を除いて予約方式の受注生産に変更されている。
日本形Nゲージは、加藤祐治が小型鉄道模型の参入を企画した際に、『鉄道模型趣味(TMS)』主筆・山崎喜陽のアドバイスによって、縮尺1/150・軌間9mmとした。1965年に完成品第一号となるC50形蒸気機関車とオハ31系客車を発売して以後、新製品と再生産を織り交ぜながら展開してきた。カタログモデルだけでも国鉄時代から現在のJRまでの多岐に渡る製品群を持つ。ただし、私鉄の車両は同業他社と比べると少ない。JR貨物の新型電気機関車については、量産化に至らなかったEF500形、ED500形を除き網羅している。バブル期には近鉄21000系電車やJR東日本651系電車、北斗星、フラノエクスプレス、JR東海キハ85系気動車、JR東日本253系電車等の特急形を中心に一部製品へあらかじめ電球タイプの室内灯を組み込んで販売していた。なお、これらの車両のリニューアル発売品は既製品の室内灯ではなく、キハ85系用または651系用のLED室内灯装着になる。2024年現在は特殊な構造であるJR東日本251系電車、小田急10000形電車のみ室内灯取り付け済み製品となっている。TRAIN SUITE 四季島・TWILIGHT EXPRESS 瑞風・ななつ星in九州や首都圏通勤形車両の2階建てグリーン車などは室内灯はついていないもののプリズムが特殊構造であることから、あらかじめプリズムのみ装着されている。E26系・285系・651系・キハ85系については専用の室内灯を別売りしている。国鉄車よりもJR車を積極的に発売している。北斗星を例に取ると、機関車はほぼ全車種発売されているが、客車は登場時の北海道編成と晩年の混成編成しか出ておらず、TOMIXは夢空間やエルムをも含めてオハネフ24-500、カニ24-511と言った特定車番も含めて、ほぼ全車種を網羅している。国鉄485系電車も国鉄色と東武線直通車しか出ておらず、地域色はほぼ未発売。
日本形Nゲージの蒸気機関車モデルには、日本型Nゲージの基準となる縮尺1/150を少しオーバーする縮尺1/140ほどの製品が多い。これは、かつて蒸気機関車本体に内装できる小型モーターが存在せず、キャブ(運転室)内にモータ-を納めるためだったが、これに合わせる形で他の機関車や貨車製品もオーバースケールとなっていた。2007年にリニューアルしたC62形蒸気機関車以降、縮尺1/150の蒸気機関車として発売している。
なお、鉄道省・国鉄時代の電車・気動車・客車をモデルとした製品では、所属標記が「関スイ」という社名に因んだ架空のものになっているものがあるが、セット製品など(リニューアル品も含めて)配置区所や運用線区が明らかにされているものには実際の所属標記が印刷される。
車両ケースは、1両単品用の「クリアケース」(大中小)と、複数の車両を収納可能な「ブックケース」に大きく分けられる。単品用のクリアケースは無色透明のプラスチック製で、車両の形に合わせた中敷が入れられている。下端部には積み重ね可能なリブがついており、大型機関車(EH500形・EH200形など)用や2軸貨車用など一部を除きサイズを統一している。ケースの上蓋には2023年10月生産分より社章が刻印されている(それ以前は青色または赤色の社章が印刷されていた)。ブックケースはウレタン製の中敷が入れられており、保護用のスリーブに収納する。車両の収納数に応じて大小のサイズに分かれており、収納可能両数が小サイズ3・4・5両、大サイズ5・6・7・8・9・10・12・14両と合わせて数種類ある(このうち12・14両用はは貨車用)。ブックケース単体の販売では、クリアケースを7つ収納可能な製品もある。上記のうち3・5・6・9・14両用は単体での販売はない。また、新幹線車両は対応してないので、サードパーティ製または中古品になる。
この他、2・4両セット用として紙箱に発泡スチロール製のケースが入れられているものも存在する。
製品にはHOゲージと表記されているが、規格としては縮尺1/80・軌間16.5mmの日本型16番ゲージ規格を採用している。国鉄時代の電車や、機関車、貨車などを出しているが、同業他社と比べると車種は少ない。私鉄の車両は近鉄アーバンライナーのみである。車種は少ないものの、D51蒸気機関車のようにシリンダー前後の構造を従来の他社16番ゲージ製品とは変更し急曲線に対応させるといった点に同社のこだわりと技術を垣間見ることができる。
車両ケースは、単品販売・セット販売のものは紙製で、ケース内に車両の形に合わせた発泡スチロール製の中敷きが入れられている。複数の車両が収納可能なケースはアタッシュケースタイプで、3両まで収納可能なプラスチック製である。中敷きはついておらず、紙製ケース内の発泡スチロール製中敷きをそのまま入れる。
欧米向けにHOゲージやNゲージを輸出している。かつてKATOはNゲージ開発販売当初の1960年代後半からイタリアのリバロッシ、アメリカのアトラス、Con-Corと提携して、ハドソン型蒸気機関車やログカー(運材車)やカブースなどのアメリカ向け製品を生産していた。また、Con-Cor社にペンシルバニア鉄道塗装のキハ20系気動車やEF70形電気機関車を輸出していた。技術の向上・確立により、国外でも評価が高く、多数の鉄道模型会社がひしめくヨーロッパにおいても他社に引けをとることなくTGVやタリス等において高い評価を得ている。アメリカにおいては特に旅客車やその牽引機の製品化に積極的であり、現代のアムトラックや往年の各社の看板列車を製品化している。貨物車についてもコール・ポーター(石炭車)やダブルスタックトレインなど編成物のセット販売が主体である。ユニオン・パシフィック鉄道の機関車側面に見られる星条旗など、細かな印刷表現を売りとしている。人気のある車種においては再発売までの周期が長い場合、プレミアが付いて小売価格よりも高価格で取引される場合もある。ドイツ鉄道のET425近郊形電車で用いられた連接構造(→小田急ロマンスカーNSE車)[22]、アムトラックのアムフリート用パイオニアIII台車(→東急7000系電車 (初代))のように、外国型で培われた新技術が日本型製品にフィードバックされることもある。
通常製品のほかにNゲージにおいて以下の特殊な製品群が存在する。
通常製品に対し特別塗装やラッピングなど実車に合わせた色変えを行ったもので、金型は通常製品のものを流用することから「○○タイプ」として発売されるものが多い。特別企画品として販売された製品であっても後に通常品として再生産された製品もある。なお、通常製品との共通部品を除いてAssyパーツ(工場組立用部品)の販売はない。
近年は「ホビーセンターカトー製品」(旧ROUND HOUSE)の名で販売されるが、その際には車両ケースを赤色単色として販売することが多い。これも再生産される場合があるがAssyパーツの販売はない。
長らく「限定品」の製品はなかったが、2012年4月に「E2系東北新幹線はやて全線復旧1番列車」と題し、2011年4月29日東京駅6時40分発「はやて115号」に充当されたE2系1000番台J59編成(先頭車両に貼付された復興推進キャンペーンのステッカーも再現)が「限定品」として製品化され、売上の一部が日本赤十字社を通じて東日本大震災の被災地に寄付された[23]。
2005年から鉄道史を語る上でのエポックメイキング的な昭和時代の名列車を中心に、「レジェンドコレクション」を展開している。通常の製品と異なり、緑色単色のスリーブの代わりにイラスト入りの化粧箱に入れられた状態で販売される。特別企画品扱いであり、原則として再生産されず(後に同一形式を仕様を違えたうえで一般商品として販売することはある)Assyパーツの設定もない。
2005年から2017年までに101系中央線快速、151系「こだま・つばめ」、近鉄10100系新ビスタカー、キハ81系「はつかり」、381系「しなの」、581系寝台特急「月光」、小田急ロマンスカーNSE(3100形)、711系0番台、東京急行電鉄7000系の7形式がラインナップされている。
「はじめませんか、鉄道模型」のキャッチフレーズを掲げ、鉄道模型の入門者向けとして身近で親しみやすい全国の人気車両を中心に設定し、紙箱の吊り下げパッケージに手頃な3・4両セットをまとめ継続的に販売している。
別売りの増結セットを購入することによって、実車通りのフル編成を楽しむこともできる。
KATO USAでも"Starter Series"として同様のパッケージにて商品展開をしているが、こちらは継続的な再生産を前提としない各年ごとのクリスマス列車が含まれる[24]などベストセレクションとは異なる点もある。
KATO USA(アメリカ市場)向け製品として、一般流通品と異なる塗装や仕様の車輌をカスタム商品として少量販売する。過去に発売された製品としてはM-497(DCCサウンド付き)、カルトレイン客車などがある。詳細はオンラインストアを参照。
小型の動力を使用した、2軸の小さな車両を題材としたシリーズ。ヨーロッパ風の蒸気機関車列車をモチーフとした「チビロコ」・「チビ客車」、2連の軽快電車風路面電車の「チビ電」、産業用を思わせるデザインの凸型電気機関車「チビ凸」、無蓋貨車「チビ貨車」がラインナップされている。動力ユニットの分売もされており、バンダイのBトレインショーティーシリーズ企画時にはKATOの協力を得られたことによりこの動力に合わせて全長約60mmに決定し、交換用Nゲージ化パーツとして指定された[25]。一連のシリーズ製品の発売は1982・83年と古いが、2010年以降リニューアルされ、新たな塗装、スタイルとなって商品展開されている。
2011年12月のポポンデッタ限定製品「SLコーヒー列車セット」[26]や2018年のレムケ・カトー限定製品「ÖBB BR 88」[27]などの特定機を再現した製品(いわゆる“タイプ”)も製造した。
2019年10月にはコアレスモーターの動力にリニューアルされた[28]。
1982年に当時は珍しい西武百貨店とコラボ商品で、西武系列の鉄道模型取扱店舗やイベント催事で発売されていた。西武ライオンズのロゴと獅子が交互にプリントされていた積替不可のコンテナ貨車。車番は既製品と同じで、コキフのコンテナは白・緑の2色で、コキは白・緑・青の3色あった。西武E851形電気機関車とのセットのほか、ベーシックセットや単品発売もされていた。
2008年12月に来日20周年を記念して「オリエント・エクスプレス '88」を発売。専用マーク付きのD51 498も発売された。2014年には、パリから香港までを走行した時の仕様が発売された。これは、日本走行時とは仕様が異なるため金型も変えている。同時に、箱根ラリック美術館に保存されているプルマンカー・4158号車も単品で発売された。
2018年2月2日には、来日30周年を記念して再生産が発表された。
2018年9月、英国のPECO社と提携してフェスティニオグ鉄道「スモールイングランド (プリンセス/プリンス)[注 4]」の製品化を発表した[29][注 5]。KATOでは初めてのOO-9(1/76スケールのナローゲージ規格・軌間9mm)である[31]。
2019年7月には、フェスティニオグ鉄道「ダブルフェアリー (リビングストン・トンプソン)[注 6]」の製品化を発表した。
2021年10月より発売開始した、鉄道模型・ジオラマづくりにSTEAM教育の手法を取り入れたシリーズ[32]。ナローゲージの「ディーゼル機関車キット」はチビ凸用動力を使ったペーパーキットで、自社保有の酒井工作所製7t内燃機関車(愛称:BILLY)をモデル機としている。「箱トロ 真ちゅうはんだ付けキット」はカツミと提携した真鍮キットで、ワ12000の下回りの他に、カツミ製のベークブロック・ベーク板、白光製のはんだごて・はんだ・フラックスが付属している。一方、Nゲージの「赤い電車キット」及び「高圧鉄塔キット」は既製品[注 7]の流用である。
「ジオラマくん」は初心者向けのジオラマキットで、はがきサイズ(14.5×9 cm)のモジュールレイアウトを製作できる[33]。「ミニジオラマベース」とレールのみの販売もされている[34]。2021年の鉄道模型コンテストより、これらジオラマベースを規格としたイベント「ミニジオラマサーカス」が新設された。
メジャーな新幹線や特急形車両の顔である先頭車を、土産や旅行の記念品として手軽に扱えるディスプレイモデルという位置付けで、2024年5月から発売している[35]。2024年8月時点ではE259系・E5系・E6系・E7系・N700S・E353系が製品化もしくは発表されている。
新機構の開発にも意欲的で、付加価値の高い装備を施している。国内製品はもとより海外製品とも同業他社との差別化を図っている。特許を取得しているものも多数存在する。
吊り下げ式のブリスターパックや、紙製ケース入りで販売される。9mmゲージ参入当初は固定式線路 (道床なし・組み立て式線路) のみを展開していたが、後に道床つき・組み立て式のユニトラックを発売した。道床なし・フレキシブル線路も含め、固定式線路は2010年現在でも発売されている。
ユニトラックはプラスチック製の道床つき・組み立て式線路製品の総称で、直線、曲線、ポイントなどの各種線路が用意されている。単品販売やセット販売以外に、車両と制御機器が加えられたスタートセットにも含まれる。
1980年にNゲージ用が発売され、当時の道床は薄茶色の成型色であった。1987年に枕木に彩色が施された明灰色塗装の道床に変更され、89年にはグッドデザイン賞を受賞した[36]。 HOゲージ用は1986年に発売されたが、枕木と道床部分が別パーツであったため、重い車両を走らせると線路全体がたわんでしまうことがあった。後年、Nゲージ用と同様に枕木と道床部分が一体成型となり、強度が増したため問題は解消された。Nゲージ用の線路には、道床無しの自社の固定式線路や他社規格の線路[注 8]を接続するためのジョイント線路を発売している。
Nゲージは直線248mmが、HOゲージは直線246mmが基準の長さとなっている。複線とする場合の間隔はNゲージでは33mm、HOゲージでは60mmである。Nゲージのみ複線レールを発売している。
ユニトラムはライトレールを用いた「未来の街を描く」という街づくりを開発コンセプトとし、Nゲージ規格の複線軌道とシーナリーベースを一体化した路面軌道プレートからなるシステムである。スタートセットと路面軌道プレートセット (V50) を展開している。
直線部の複線間隔は22mmである。これは既存のユニトラック線路を隙間なく2本並べた状態と同等で、接続も可能である。曲線部分は内側線・外側線ともに同一曲率であり、90度ごとに外側線の曲線開始部が若干オフセットしている。そのため、曲線開始部から45度のプレート同士の接続点で複線間隔が33mmとなる。
路面軌道プレートの軌道面の高さはユニトラックと同一に設計している。なお、ユニトラックの標準的な複線間隔は33mmであり、従来のユニトラック複線線路やポイントなどと直線部で接続する場合には複線間隔の変更が必要であるが、そのための接続線路も用意されている[注 9]。
近年はアメリカのデジトラックス社と提携して、DCCに対応した入門用コントローラーD101なども展開している。DCC用の車載デコーダー (受信機) をワンタッチ装着可能とした、DCCフレンドリー対応の製品も多く発売している。2006年以降の欧州向け製品はNEM規格に適合済みである。
伝統的な直流12ボルト制御方式では、パワーパック、新コントローラーシステム (定電圧直流電源) に加え、リアルな質感を備えレバー操作で計器類が連動する運転台形コントローラーを発売している。
日本型Nゲージレイアウトづくりのためのシステム商品を自社ブランドで展開する。また、日本国外の提携各社のレイアウト用品を自社パッケージブランド化し幅広く投入している。HOゲージでは人形のみ発売している。
かつては車両開発にはかなり積極的であったものの、ストラクチャー類に関しては消極的で、ヨーロッパやアメリカの輸入キットに頼っていた。1980年代から国産のストラクチャーを徐々に展開し始め、90年代には駅舎やプラットホームといった鉄道シリーズのほか住宅などの一般情景用品も扱う様になった。イージーキットと呼ばれるキット形態と、完成品形態のものを展開している。1970年代の鉄道施設や町並みを再現する「ローカルストラクチャーシリーズ」は、蒸気機関車時代に強みがある。一部アトラス、ファーラー[注 10]製品も含まれる[40]。過去にはヘルヤン[注 7]やフォルマー、キブリ製品も輸入販売していた[41]。
プレート上に町並みを再現したシリーズで、完成品形態で販売する。いわゆるお座敷運転でも、建物やプレートを並べるだけで風景付きレイアウトの雰囲気を楽しめる。駅前施設のほか、レストランや商業ビル、公共施設など幅広い。郵便自動車や人形などのアクセサリーが展開されている。一部の製品で中国生産のものが存在する。
樹木や草地、地面、ユニトラック用バラストを自社展開している。一部ノッホ[注 11]、ウッドランドシーニックス[注 12]製品も含まれる[41][40]。
1978年から概ね3・4年ごとに「KATO 鉄道模型総合カタログ」を発行していたが、2008年からはホームページでの情報提供が充実された事に伴い、車両製品についてはその年の新規生産予定のモデルや再生産を予定している車種を中心に掲載し、カタログを毎年発行する事になった。ユニトラックやレイアウト用品、制御機器は生産時期を問わず全て掲載されている。カタログに未掲載の車両製品については「KATO Nゲージ アーカイブス - 鉄道模型3000両の世界」で補完することにしている。また、それ以前は季刊発行の小冊子「KATO NEWS」で新製品情報を補完していたが、ホームページの充実化により通巻99号を最後に休刊状態となっている。
一部の冊子では、アルファベット(ラテン文字)のNの文字をモチーフにした「エヌジロー」がマスコットとなっている。口癖は語尾「なのだエヌ!」。
自社製品を主に取り扱うショールーム店舗で、系列会社の株式会社ホビーセンターカトーが運営する。店内にはレイアウトが設置され、自社製品の展示と販売が行われる。メーカー窓口としての性格も強く、故障修理をはじめとするアフターサービス受付を担当する。また、ASSYパーツ(工場組立用部品)の品揃えに絶大な強みを持つ。輸入ストラクチャー製品やレイアウト用品の取り扱いも豊富である。なお、1977年に東京都新宿区高田馬場に開設されたショールームは、1986年に新宿区西落合の本社屋内に移転し[42]、ホビーセンターカトー東京として集約された。その後、店舗ビル建替え工事のため、2012年12月18日から2014年2月16日まで歌舞伎町で仮営業し、同年2月22日に本社[注 1]新社屋内にてリニューアルオープンした。
過去の店舗として大阪店:大阪府吹田市豊津町12番15号 があったが、 KATO京都駅店(京都駅ビル9階)への移転のため、2016年3月10日をもって閉店。大阪店は1980年代には大阪市浪速区難波中の南海難波駅近くにあった[43]。
2019年に包括協定を締結した鶴ヶ島市と今後のまちづくりに向けた地域の活性化と市民サービスの向上のため、同市に建設された鶴ヶ丘工場(SEKISUI WORKS)に隣接する鶴ヶ丘児童公園と一体化させた地域の新たな拠点として、2024年6月9日に開業した。
公園と新工場を外周するかたちで敷設されるナローゲージ「関水本線」は本線のみ762mm軌間と610mm軌間の三線軌条で敷設されており、保存車両を収容する機関庫は3線のうち2線が762mm軌間で、1線が610mm軌間で敷設されている。本線はエンドレスで全周の長さは630mである。車両の運行と公開は特定日のみとなるため、通常は非公開である。
以下に関水本線で保存される車両を概説する。