関節可動域(かんせつかどういき、Range Of Motion、ROM)は、関節における異常を発見するための検査法である。
関節可動域の制限因子を調べ、障害の程度を判定し、治療計画の樹立に対する資料を得、治療を進める上での必要な評価手段である。
自然起立位で体幹・四肢の諸関節が取る肢位である。日本整形外科学会の表示法では解剖学的肢位を0゜としている。ただし、 前腕の回内、回外:手掌面が矢状面にある状態→0゜ 肩関節の水平屈曲と水平伸展:外転90°位→0゜
関節が動かなくなった場合に、日常生活動作において支障の少ない肢位のことである。肩関節は外転位60~80°、肘関節は屈曲位90°、前腕回内外中間位、手関節は背屈位10~20°、手指はテニスボールを握るような肢位、股関節は屈曲位15~30°、外転位0~10°、外旋位0~10°、膝関節は屈曲位10~20°、足関節は底屈位5~10°である。
体幹・四肢の運動については解剖学における運動の表現を参照
各関節での諸運動における生理的な運動範囲
角度計を計測する軸心(関節の中心)に当て、固定バーを固定軸の骨軸、移動バーを移動軸の骨軸に合わせ、動かす前の角度を測定する。最大可動域まで5゜刻みで自動運動させる。毎回同じ方法で測定し、正常値と比較する他、健側と比較する。
基本肢位での関節角度と自動運動による最大可動域を5゜刻みで記録する。関節痛がある時はP(Pain)、筋に痙性がある時はS(Spastic)と記入する。