頓絶法(とんぜつほう、または黙説法、Aposiopesis)とは、語り手または作者が、何かの考えにとらわれて途中まで進めていた発言に間を置くか、発言をやめてしまう修辞技法のこと。語り手または作者が話を続ける気がなくなったか、できなくなった印象を読者に与える。語源はギリシャ語の ἀποσιώπησις(黙ってしまう)。
最もよく見かけるものでは、「出て行け、さもないと—!」という脅迫の台詞である。語り手が恐怖・怒り・興奮といった感情に圧倒されたか、あるいは謙遜していることを描く場合が多い。頓絶法であることを示すのには「—」(emダッシュ)か「‥」「…」(リーダー)が使われる。
古典作品でいえば、ウェルギリウスの『アエネイス』の中では、頓絶法が2100カ所使われている。
統語論では、「もし(If)」ではじまるIf節つまり条件節(Protasis)が、「その場合には(then)」のthen節つまり帰結節(Apodosis)なしに述べられる時に、頓絶法が発生する。