龍井茶 | |
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西湖龍井の茶葉 | |
各種表記 | |
繁体字: | 龍井茶 |
簡体字: | 龙井茶 |
拼音: | Lóngjĭngchá |
発音: | ロンジンチャ |
英文: | Longjing Tea |
龍井茶(ロンジンちゃ/りゅうせいちゃ・りゅういちゃ)は、中華人民共和国杭州市特産の緑茶である。色が緑、茶葉が平、味が醇和、香が馥郁であることから四絶と中国では称されている。
大きく分けると三つの手順で構成される。まずは茶葉を採取し、それを半日ほど天日に晒して茶葉の青臭さを取り去る晾曬を行う。ただ単に天日に干すのではなく、この時に茶葉の選別をおこなう。その日の内に専用の釜で煎る殺青によって茶葉内の酵素による発酵を阻止する。次に、湯に入れた際に味が十分に出るように揉捻を行う。この作業によって龍井茶特有の扁平の茶葉が仕上がる。揉捻の手法として、定義上「抖、帯、擠、甩、挺、拓、扣、抓、壓、磨」十大手法が行われる。殺青と揉捻の後に茶葉の水分を抜く乾燥をして製品として仕上がる。
採取する茶葉の時期と部位、殺青の茶葉量、揉捻の際の手間などで差をつけることで、製品としての価値が変わる。中国で墓参りの時期として有名な清明節(太陰太陽暦4月5日)前に採取した茶葉で作った龍井茶が高級品明前茶として扱われる。また、清明節の後、穀雨の前に採取した茶葉で作られたものを特に雨前茶、別称二春茶と呼ぶ。それ以降は三春茶と呼ばれ、立夏以降「龍井茶」としては採取されない。
杭州市以外の茶行で一般的に売られている龍井茶は、茶葉を採取した時期に明前茶などの区別をつけていない。
摘み取るときに上の新芽をとったら特級、その下の部分をとったら2級、それより下の青々と茂った部分は売店には出されない。出されるとすれば、立夏以降の茶葉と共に、ペットボトル飲料やティーバッグ用の茶となる。
(煎茶の名前の通り)煎ることで茶葉の中の酵素を熱変性させ発酵を止めるので、茶葉は蒸してある日本の緑茶よりも緑色が鮮やかではない。特徴的なのは、揉捻の作業によって茶葉が扁平形をしていることである。湯の中で茶葉が開くと、一芽一葉=一心一葉の姿になる。産毛が多く、一芽一葉の葉が芽と同じ位の大きさであるほど、高級品である。茶は黄色がかった茶色であり、高級品ほど飲用後に甘味が残る。
飲み方は、コップ等の飲用容器に茶葉を好みの分だけ入れ、81〜90度の熱湯を加える。飲む時は、茶をコップの三割ほど残して、その都度お湯を加えてゆく。それを繰り返して数杯は堪能できる。出涸らしになってきたところで茶葉もろとも茶を捨てる。
龍井茶は、茶葉そのものを食べても、カテキンやテアニンが豊富に含まれていて、健康的と言える。一方で、カフェインも含んでいるため、寝る前などに飲むことはなるべく避けた方がよい。
中国の書籍等では特に、西湖と銭塘江の中間に位置する虎跑泉の水を使って飲むのが最高に旨く煎れる方法であると中国国内の人々の間で言い伝えられている。これは虎跑泉の水質の良さも理由の一つであるが、茶葉がその場所の水と土で大きくなったことから、その土地の水が良く馴染んで茶葉の味を最も良く引き出すとする思考法に基づく表現とされる(参考:陸羽『茶経』)。
龍井茶は、西湖の西に位置する龍井村で作られていたことからその名がつけられた。
現在、生産地として有名となっているのは、獅峰、虎跑、雲栖、梅家塢の四地域である。杭州市内でこの四つ以外の場所で作られる龍井茶は、単に「西湖」龍井茶と表示され、浙江省以外の地域では、その流通量から西湖龍井茶の名前で広く知られている。
近年、杭州以外の生産地を冠した龍井茶、例えば紹興新昌産の「大仏龍井茶」や温州永嘉烏牛産の「烏牛早龍井茶」等の“龍井茶”も製造販売される様になった。