『サムライスピリッツ』(SAMURAI SPIRITS、侍魂)は、1993年にエス・エヌ・ケイ(旧社)が制作した江戸時代の天明〜寛政期(『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』のみ文化期)を舞台とした対戦型格闘ゲーム、およびそのシリーズの総称である。『サムスピ』とも略されることもある[1][2][3]。日本国外では『SAMURAI SHODOWN』(サムライショーダウン)というタイトルになっており、シリーズのほとんどはナンバリングタイトルに変更されている[注 1]。
素手を中心とした従来の格闘ゲームと異なり、武器を用いて戦う。
強攻撃の斬りである通称「大斬り」は、隙は大きいものの通常時でも一撃で3割ほどの体力を奪っていくほど攻撃力が高い。さらにダメージを蓄積されると「怒り状態」となり、攻撃力はさらに上昇する。ただし一気に体力ゲージの半分以上を奪うような連続技はほとんどない。よってこのゲームでは大斬りを受けずにいかにこちらの攻撃を当てていくかという駆け引きが要求される、まさに一撃がとても重いゲーム性になっている[5]。また、真剣勝負による「負け=死」という演出でのシビアさが緊張感を作り出している。『天下一剣客伝』などでは必ずしも「負け=死」ではなく、勝負後に会話のやり取りがあるなどマイルドな表現になっていることもある。
ストーリーや一部キャラクターの設定に山田風太郎の伝奇小説『魔界転生(の主に映像化作品)』のパロディ、オマージュ要素が多々含まれており[要出典]、『魔界武芸帖 サムライスピリッツ』原作者の七月鏡一[6]は、『魔界武芸帳』を『新幻魔大戦』と『魔界転生』のオマージュ作品と語っている。
1994年9月には、『サムライスピリッツ 〜破天降魔の章〜』というタイトルでフジテレビ系によりテレビスペシャルアニメとして放送された。
本シリーズでは登場人物のナコルルが人気を博し、他のエス・エヌ・ケイ作品にもゲスト出演することが多い。シリーズ関連としては1999年にはナコルルを主人公として、ゲーム版『SAMURAI SPIRITS 2 アスラ斬魔伝』の世界観をベースに製作された、OVA版『SAMURAI SPIRITS 2 アスラ斬魔伝』(全2巻)が発売された。
また、派生作品として、ナコルルがヒロインのアドベンチャーゲーム『ナコルル 〜あのひとからのおくりもの〜』とそれをOVA化した『ナコルル 〜あのひとからのおくりもの〜 郷里之畏友編』(OVAは前後編予定であったが、発売元の倒産の影響で前編のみしか出ていない)がある。
1993 | SAMURAI SPIRITS |
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1994 | 真SAMURAI SPIRITS 覇王丸地獄変 |
1995 | サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣 |
1996 | サムライスピリッツ 天草降臨 |
1997 | SAMURAI SPIRITS 〜侍魂〜 |
1998 | SAMURAI SPIRITS 2 〜アスラ斬魔伝〜 |
1999 | |
2000 | |
2001 | |
2002 | |
2003 | サムライスピリッツ零 |
2004 | サムライスピリッツ零SPECIAL |
2005 | サムライスピリッツ 天下一剣客伝 |
2006 | |
2007 | |
2008 | サムライスピリッツ閃 |
2009 | |
2010 | |
2011 | |
2012 | |
2013 | |
2014 | |
2015 | |
2016 | |
2017 | |
2018 | |
2019 | SAMURAI SPIRITS (2019年版) |
2020 | |
2021 | |
2022 | サムライスピリッツ零SPECIAL完全版 |
1993年7月7日稼働。シリーズ1作目。英語版タイトルは『SAMURAI SHODOWN』。
1994年10月28日稼働。シリーズ2作目。英語版タイトルは『SAMURAI SHODOWN II』。
1995年11月27日稼働。シリーズ3作目。英語版タイトルは『SAMURAI SHODOWN III』。前2作とシステムが大幅に変更された。
1996年10月25日稼働。シリーズ4作目。英語版タイトルは『SAMURAI SHODOWN IV AMAKUSA'S REVENGE』。前作のシステムと世界観を受け継いでいる。
1997年12月19日稼働。シリーズ5作目。1997年にエス・エヌ・ケイ自社開発の新筐体ハイパーネオジオ64向けに製作された。英語版タイトルは『SAMURAI SHODOWN 64』。時系列は『真』からの一年後となる。
この作品および、これを筆頭とした3Dシリーズは「3Dポリゴンのサムライスピリッツ」を略してしばしば「ポリサム」と通称される。
「修羅」・「羅刹」でナコルルのキャラクターグラフィックがさらに変化し、「修羅」はこれまで通りロングヘアにリボン、「羅刹」はボブヘアにヘアバンドになった。キャラクターの表情の違いに伴い、より別人格のナコルルというキャラクター付けがされるようになった。羅刹ナコルルの髪型が変化した理由は、羅刹ナコルルがシクルゥと共に戦うため、『侍魂』制作時の当時の3Dでは大きな狼であるシクルゥに取られ容量がオーバーになってしまったため、やむを得なくナコルルのロングヘアが削られ、ボブヘアになったという逸話がある。
システムは『天草降臨』のものを継承した形になっている。また、3Dゲームらしくステージ間移動などのフィーチャーも盛り込まれた。
勝利時や一閃時などに墨絵のキャラクターイラストが挿入される。
従来のシリーズからは10名の既存キャラクターが参戦。今作からの新キャラクターとして「色」「柳生磐馬」、その他CPU専用中ボスの「巖陀羅」「木偶♂」「木偶♀」が追加。ボスキャラクターは「壊帝ユガ」。
キャラクターイラストは北千里が担当(続編の『アスラ斬魔伝』も同様)。
1998年10月16日稼働。シリーズ6作目。1998年にハイパーネオジオ64向けに制作された。英語版タイトルは『SAMURAI SHODOWN 64 WARRIORS RAGE』。前作と同様に3D格闘ゲーム。時系列は前作『侍魂』の続編で『侍魂』第二部にあたる。前作までは、怒りゲージがMAXの状態でないと「怒り爆発」を発動できなかったが、本作の発動条件はキャラクターが着地しており、操作可能な状態のみとなった。また相手の攻撃を弾いて隙を作る「弾き返し」などのシステムが追加された[7]。
前作とは異なり、システムのみ2D作品のようなシステムに戻っている。
今作からの新キャラクターは「アスラ」と「八角泰山」の2名が追加。ボスキャラクターは前作に引き続き「壊帝ユガ」。前作に登場したキャラクターは「黒子」「木偶♂」「木偶♀」を除き全て続投され、「巖陀羅」と「壊帝ユガ」は前作同様にCPU専用のまま。
これまで「修羅」と「羅刹」ではキャラクターグラフィックの細分化が「ナコルル」のみであったが、今作では全キャラクターが修羅・羅刹で設定が区別された。修羅と羅刹で名前まで大きく異なるキャラクターは「アスラ」の羅刹は「反面のアスラ」、「色」の羅刹は「半陰となりし色」、「柳生磐馬」の羅刹は「柳生カラクリ磐馬」、「風間火月」の羅刹は「炎邪火月」、「風間蒼月」の羅刹は「水邪蒼月」などがいる。他に今作で明確にデザインの描き分けのあるキャラクターは「覇王丸」、「ナコルル」、「リムルル」、「服部半蔵」、「ガルフォード」がいる。
2003年10月10日稼働。シリーズ7作目。英語版タイトルは『SAMURAI SHODOWN V』。再び2Dで制作されている。
今作から株式会社SNKプレイモア(旧エス・エヌ・ケイの後継会社、のち旧社と同じSNKに社名変更)がリリースしている。
2004年4月22日稼働。シリーズ8作目。英語版タイトルは『SAMURAI SHODOWN V SPECIAL』。『サムライスピリッツ零』の対戦バランスを調整したバージョンアップ版であるが、オープニングやキャラクターセレクト画面の変更、演出の新規追加、2Dシリーズ歴代のボスがプレイアブルキャラクターに追加されている。また、イラストレーターを変更し、全キャラクターイラストは新規に描き下ろされている。
家庭用ネオジオで発売された最後の作品となった。
2005年9月14日稼働。シリーズ9作目。英語版タイトルは『SAMURAI SHODOWN VI』。現時点では2Dシリーズ最終作と言われている。過去の2D作品に登場したキャラクターほぼ全てが出演。『零SPECIAL完全版』の全キャラクターのエンディングが本作の伏線になっていた事から本作は『零SPECIAL完全版』の正当な続編作品になっている。但し『零SPECIAL』『零SPECIAL完全版』同様物語はパラレルワールドで本作独自の物語を持ち、一連の作品との直接の繋がりは無い。
2008年4月18日稼働。シリーズ10作目。英語版タイトルは『SAMURAI SHODOWN EDGE OF DESTINY』もしくは『SAMURAI SHODOWN SEN』。タイトーの新基板TAITO Type X2でリリースされた、PS作品『蒼紅の刃』以来の3D作品。製作動機は細谷壮一郎(SNKプレイモアのコンテンツ事業本部の本部長)によると「『SAMURAI SPIRITS 〜侍魂〜』で散ったリベンジ」とのこと。
時系列は『アスラ斬魔伝』の1年後だが、ポリサム関連の設定と一部矛盾が見られる。
既存キャラクターの声の出演は『零SPECIAL』より以前のキャスティングに戻っている。日本版では残虐描写は一切ないが、日本国外版では胴体切断や出血描写などがある。
2009年12月10日にはXbox 360版が発売された。
2011年10月5日からはネットワーク型業務用ビデオゲーム筐体NESiCAxLiveにてダウンロード配信されている。
2019年10月24日にNESiCAxLive2で配信。シリーズ11作目。サブタイトルは無く『SAMURAI SPIRITS』が正式タイトルとなっている。英語版タイトルは『SAMURAI SHODOWN』。以下、シリーズ第1作目と区別するために本稿では便宜上『SAMURAI SPIRITS(2019)』と年号を明記する。
ゲームエンジンはアンリアルエンジン4を採用。グラフィックは『閃』と同じく3DCGで描かれた3D対戦型格闘ゲームであるが、システムは『ザ・キング・オブ・ファイターズXIV』などと同様に従来の2D対戦型格闘ゲームに準拠した内容になっている。
家庭用版はアーケードでの稼働に先駆けて、PlayStation 4、Xbox One版が2019年6月27日発売。その後、PC(Google Stadia)版が2019年11月19日発売。Nintendo Switch版が2019年12月12日発売[8]。
2022年9月29日にexA-Arcadiaで配信予定。2004年10月にあるゲームセンターでロケテストが短期間行われたのが目撃されたものの、SNKプレイモア公式サイトで「同人ソフト」と存在を否定され幻となっていた作品。2020年発売の家庭用オムニパスソフト『サムライスピリッツ ネオジオコレクション』に収録され、公認ソフトに加えられることになった。さらに2022年にアーケード版が稼働した。
1997年6月27日に家庭用ゲーム機ソフトとして開発され、ネオジオCD、セガサターン(SS)、PlayStation(PS)で発売されたRPG。いずれも日本国内のみ発売。
当初はこの2つのシナリオと江戸を舞台にした「魔都封滅之章」の計3つのシナリオの中からハード別に2つの組み合わせとする予定であったが、最終的にどのハードも前述の2つの収録となっている。 本作はアーケード版の各キャラクターの声優陣が声を吹き込んでいる。戦闘時とイベント時の会話、特殊会話などは声優による音声出力。
最初のキャラクターセレクトで、主人公を覇王丸、牙神幻十郎、ナコルル、ガルフォード、橘右京、チャムチャムの6人の中から1人を選択する。主人公にしたキャラクターを主軸としたストーリーを進めながら、最大の敵の討伐を目指す。
各キャラクターのプロローグの後に話を進めると、一緒に旅をするキャラクターを選ぶポイントに到着する。仲間となるキャラクター(幻十郎以外で主人公に選択したキャラクターを除いた主人公で選択出来た4人と、仲間キャラクターとして追加されているリムルル、千両狂死郎、シャルロット)の内から邪天降臨之章では仲間を「2人」、妖花慟哭之章では強制的にパーティに参加してくる鈴音以外に仲間を「1人」を選び、主人公と合わせて3人でパーティを組んで旅をすることになる。なお、幻十郎のみ「邪天降臨之章」ではパーティを組めず1人旅(「妖花慟哭之章」では「疾風の鈴音」との2人パーティ)になる。
パーティで仲間になることはないが、ストーリーで重要なキャラクターとして柳生十兵衛、服部半蔵、花諷院和狆が登場する。 その他イベントで登場する人物としてアースクエイク、ナインハルト・ズィーガー、王虎、不知火幻庵、首斬り破沙羅、花諷院骸羅などがいる。
格闘ゲームにおける通常の武器の斬攻撃のこと。プレイステーション版とセガ・サターン版は「弱斬り」「中斬り」「強斬り」の三段階攻撃があり、それぞれの攻撃の強さでメリットとデメリットがある。
格闘ゲームにおける必殺技攻撃、超必殺技攻撃のこと。奥義と超奥義は「気力」ステータスを消費することで使うことが出来、奥義が強力なほど気力の消費量も大きくなる。通常の奥義はレベルを上げると奥義覚える。奥義はキャラクターによって覚える数が違い、約13個~19個程度の固有奥義を覚える。奥義は攻撃奥義のみ覚えるキャラクターもいれば、回復等の味方をサポートする奥義を覚えるキャラクターもいる。超奥義(超必殺技)は修行場で修得していれば使用が可能になる[11]。本作の特徴でもある、デュアルコマンドシステムを採用しており、プレーヤーは奥義の出し方を、技名を選択する方法と、コマンド入力リストが表示されている状態で格闘ゲームと同じくダイレクトにコマンド入力を行う二種類から選ぶことが可能。
格闘ゲーム版と同じく、敵の攻撃によって怒りゲージが徐々に貯まることで、怒りゲージが満タンになると、斬攻撃や奥義の攻撃力がアップし、超奥義を使用することが出来る。
キャラクターはそれぞれ、攻撃力、防御力、体力、気力、力、早さなどのステータスが設定されており、レベルが上がることでステータス上昇する。キャラクターによって伸びやすいステータスも違う。例えば早さの高いキャラクターは、戦闘で敵や味方より先に動けたり回避率が高く、1ターンで攻撃回数が複数回回ってくることが多いという特徴がある。
5種類の状態異常があり、ふらふら(相手の強烈な一撃を受け、1ターン反撃や攻撃が出来ない状態)、混乱(1~3ターンの間、敵味方構わず攻撃する)、麻痺(1~3ターン全く動けない)、毒(自分のターンが回ってくる度10~40%のダメージを受る。)、呪い(奥義を使用出来なくなる)がある。 ふらふらや混乱は戦闘で自然回復もするが、戦闘のターンで自然回復しない状態異常は適薬を使うことで異常を治すことができる。
武器は鍛冶屋で鍛えてもらう、防具は店で購入することで攻撃力と防御力を上げることが出来る。アイテムは回復やステータスを上げる物などさまざまなアイテムがある。
本作に登場するキャラクターは『風、炎、冷、雷、聖、魔、無』の7種類の属性があり、必ずキャラクターはどれかの属性を持っている。主人公の6人は、覇王丸→『風』、牙神→『魔』、ナコルル→『聖』、ガルフォード→『雷』、橘右京→『炎』、チャムチャム→『無』というように格闘ゲームでの必殺技の属性に準じた固有属性を最初から持っている。ただし、属性は鍛冶屋で武器を鍛える、防具に元々付属している、アイテムの属性粉を使うなどで属性を変更することは可能である。 各属性には、他の属性との相性があり、「プレイステーション版、セガ・サターン版」と「ネオジオCD版」では属性の相性の設定が違っている。
大きく分けると『ネオジオCD版』と、『プレイステーション版、セガ・サターン版』ではシステムにいくつかの違いがある。特に大きく違う特徴は以下。
「風、炎、冷、雷」は三すくみの関係を持っている。風→炎→冷→雷→風というように、矢印が向いてる属性に攻撃、守備面で強く、矢印が向かれてる属性は攻撃、守備面でその属性に弱い。属性の相性は攻撃力などに影響しており、相性が有利な時は、与えるダメージが最大で通常の1.5倍になる[10]。 「聖、魔」は聖⇔魔という対極の関係を持っている。攻撃面ではお互いの属性に強く、守備面ではではお互いの属性攻撃に弱い。「無」属性はどの属性にも相性は無く、攻撃でも守備でも影響は受けない。
戦闘時、『前衛』と『攻撃』の並びで攻撃力と守備力に以下の特徴がある。「前衛」の利点は、本来の攻撃力が100%でダメージを与えることが出来る。欠点は、敵に狙われやすく、受けるダメージが多くなる。「後衛」のメリットは敵に狙われにくく、受けるダメージが小さくなる。欠点は本来の攻撃力の80%のダメージ量になる。 この特性を生かしたキャラクターフォーメーションを組む方が有利に働くようになっている。素早く動ける回避力の高いキャラクターや、攻撃力や体力の高いキャラクターは本来の力を発揮出来る前衛向きとなり、体力や防御力や攻撃力の低いキャラクターは後衛向きとなる。
弱・中・小の3パターンの斬攻撃がある。「弱斬り」では必ず相手に攻撃が命中し、敵から反撃されることもないが、攻撃力は本来の75%にダウンする。渾身の一撃は絶対に出ない。「中斬り」は攻撃の命中率は高いが敵から直後に反撃されることがある。攻撃力は100%のダメージ量で、渾身の一撃が出やすい。斬攻撃では一撃スタンダードな攻撃となる。「強斬り」では攻撃の命中率が低く、敵から直後に反撃を受けやすい。攻撃力は125%のダメージを与えられる。渾身の一撃が中斬り攻撃の3倍出やすくなる。
他のハードとは属性の相性の設定が変わっており、やや相性が複雑化している。「聖⇔魔」の関係性のみプレイステーション版、セガ・サターン版と同じ。三すくみになっているのは「炎」のみで、風→炎⇔冷。「炎、冷」は対極の相性でお互いへの攻撃は強く守備は弱い。「雷」は雷→無にのみに強く、他の属性には攻撃も守備も影響は受けない。「無」は、風・炎・冷・雷・聖・魔→無 というように全ての属性に弱く、無が強い属性無いため、非常に不利な属性となっている。
ネオジオCD版では前衛・後衛の並びによる戦闘の影響は無い。
斬り攻撃の種類はないので、他ハードのような影響もない。
各機種ごとに決定的な違いがあり、それぞれの中には、別々の隠し要素が搭載されている。
キャラクターイラストは漫画家のしろー大野が担当。
エンディングテーマ「天空(そら)へ」の歌をKEN(錦織健)が担当。
1998年12月25日にネオジオポケットで発売。英語版タイトルは『SAMURAI SHODOWN!』。
『天草降臨』をベースとしたアレンジ作品で、デフォルメキャラクターが画面狭しと剣を交える。ネオジオポケットカラー発売前の作品であるため、カラー本体で遊んだ場合でも画像は白黒表示である。
『天草降臨』と異なりタイムアタック要素はなく、登場キャラクターは「シャルロット」、「千両狂死郎」、「タムタム」、「首斬り破沙羅」、「花諷院骸羅」が削除されているが、独自の隠しキャラクターとして「色」が2D作品では初めて登場する。
1999年6月10日にネオジオポケットで発売。英語版タイトルは『SAMURAI SHODOWN! 2』。2019年12月19日発売のNintendo Switch版『SAMURAI SPIRITS』(2019年版)の早期購入特典として初移植版となるNintendo Switch版が配信された[12]。その後、2020年8月6日に一般配信された[12]。 レイティングはCERO:A(全年齢対象)。
『アスラ斬魔伝』をベースとしたアレンジ作品だが、前作の続編という位置づけでもあるため、引き続き2Dのデフォルメキャラクターとなっている。モノクロ本体でも遊べるが、今作ではカラー表示にも対応している。
『アスラ斬魔伝』と異なり、修羅と羅刹でのグラフィック変化が無い他、「柳生磐馬」が削除され、使用キャラクターに「シャルロット」と「柳生十兵衛」、ランダムセレクトキャラクターとして「黒子」が追加されている。また、最終ボスである「壊帝ユガ」を隠しコマンドで使用できる唯一の作品。
各種条件で入手できるアイテムによりキャラクターの強化が可能。壊帝ユガはこれを使用しないと秘奥義が使用できない。
1999年12月22日にPlayStationで発売された家庭用完全オリジナルの3D格闘ゲーム。英語版タイトルは『SAMURAI SHODOWN WARRIORS RAGE』。本作は『サムライスピリッツ新章』の部分が従来と逆順でサブタイトル扱いとなっており[13][14]、公式サイトでは単に『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃』[15]とも表記される。
ストーリーは『アスラ斬魔伝』から約20年後の設定で、主人公は新キャラクターの「九葵蒼志狼」。ボスキャラクターは使用キャラクターによって異なる。次世代を描いた作品であるため、登場キャラクターがこれまでのシリーズから一新されており、過去作から続けてプレイヤーキャラクターとして登場するのは、年を経た覇王丸、服部半蔵(実際には半蔵の名を受け継いだ息子・真蔵であるため別人)、「幽堕」(正体は記憶を失ったアスラで、性能は全く異なる)のみ。ナコルルとリムルルはプレイヤーキャラクターではなく、ストーリー上の重要サブキャラクターおよびミニゲームの主役となっている。
現時点での「時系列順」によるストーリーはこの作品が一番後年となっている。
登場キャラクターは23人で、初期ではプレイできるキャラクターが少人数に限られているが、ストーリーモードで対応キャラクターでクリアすると、プレイできるキャラクターが増えてゆく。これまでのような「修羅・羅刹」設定は廃止されているが、使用技のモーションや性能を一部共有する別キャラクターが複数存在する。また、追加キャラクターの「ゴロツキ」と「朧衆」と「伊賀忍軍」と「お侍」は必殺技などを持たず特殊技しか使用できない。
ストーリーモードを進めるとギャラリーモードにイラストやムービー(歴代シリーズの多数のキャラクターイラスト、本作に挿入されたムービーが場面別に見られる)が追加されていく。
PocketStationの連動で、ナコルルと遊べるミニゲーム「ナコPG」、「サムライウォッチ」が存在する。
キャラクターイラストは『アスラ斬魔伝』から引き続き、北千里が担当。
ポリゴン化された3Dキャラクターの作り込みが甘い、武器が相手にヒットする過程の表現が2D的であり、3D作品であるはずが視覚的に違和感を抱いてしまう、などのような点からゲームとしての完成度はあまり高くないという評価が下されている[16]。
2007年4月26日にはゲームアーカイブスでも配信開始されている。レイティングはCERO:C(15才以上対象)。
株式会社エス・エヌ・ケイが2001年10月30日に倒産したため、旧エス・エヌ・ケイが手がけた『サムライスピリッツ』シリーズ最後の作品となった。その後発売されたサムライスピリッツシリーズのソフトは、後継会社のSNKプレイモア(現SNK)からリリースされることになる。
上記のほか、セガサターン版『斬紅郎無双剣』と『天草降臨』を2枚組でカップリング収録した『サムライスピリッツ ベストコレクション』もあるが、そちらは各単体版と同内容となっている。
家庭用のみで発売されたものも含む。括弧内は発売元。
SAMURAI SPIRITS
真SAMURAI SPIRITS 覇王丸地獄変(以降は新キャラクターのみを記述)
サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣
サムライスピリッツ 天草降臨
SAMURAI SPIRITS 〜侍魂〜
SAMURAI SPIRITS 2 〜アスラ斬魔伝〜
剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章
サムライスピリッツ零 / サムライスピリッツ零SPECIAL
サムライスピリッツ 天下一剣客伝
サムライスピリッツ閃
SAMURAI SPIRITS(2019)
2001年に発表されたナコルルがヒロインのアドベンチャーゲーム。制作会社は『サムライスピリッツ』シリーズの「SNK」ではなく、「インターレッツ」の「ナコルル制作委員会」である。「サムライスピリッツ」でナコルルを作った企画(セイウチ)など、SNKのスタッフが参加している。Windows版とドリームキャスト(DC)版がある。
初代『サムライスピリッツ』から『真サムライスピリッツ』へと続く話で、戦いを終えてカムイコタンに帰ってきたナコルルたちの生活を、ナコルルの従者である主人公の「ミカト」の視点から描いている。ただし、サムライスピリッツのシリーズとは設定に矛盾があるため(ナコルルの祖父母の設定や、リムルルの血縁関係、本作で語られる結末部分)パラレルワールドに位置する。
紫ナコルルの設定を元にした「レラ」が初登場した作品。本作のオリジナルキャラクターの「マナリ」は『CAPCOM vs SNK 2』にもナコルルの試合前のデモなどで登場する。
携帯電話アプリゲームとして配信されている恋愛ゲーム『Days of Memories』シリーズの一部作品にて本作のキャラクターが登場する。特にシリーズ3作目となる『Days of Memories 〜大江戸恋愛絵巻〜』は、ほぼすべての登場人物が『サムライスピリッツ』のキャラクターで占められており、世界観もそれに合わせたものとなっている。なお、タイトルに「大江戸」とあるが舞台は大坂の江坂である。また、7作目『Days of Memories 〜僕と彼女と古都の恋〜』、8作目『Days of Memories 〜風舞う都でつかまえて!〜 』、9作目『Days of Memories 〜世界で一番熱い冬〜』にも本作のキャラクターが多数登場する。
これらの4作品は、後にニンテンドーDS用ソフト『Day of Memories』(『大江戸恋愛絵巻』を収録)、『Days of Memories 3』(『僕と彼女と古都の恋』から『世界で一番熱い冬』までの3作品を収録)に移植されている。
2007年よりi-mode用アプリゲームとして配信されている育成シミュレーションゲーム。『天下一剣客伝』から参戦した「いろは」を最高のメイドにすることを目的とする。
2008年より携帯電話アプリゲームとして配信されているビジュアルノベルのシリーズ。ヒロインは「いろは」で、舞台は現代。サブタイトルは1作目が『〜さくら咲く春〜』、2作目が『〜ひまわり輝く夏〜』、3作目が『〜もみじ色づく秋〜』、4作目が『〜さざんか散る冬〜』。
タイトルロゴが『電子メイド手帖 恋のいろは』(発売中止作品)の「恋のいろは」の部分と共通している。
1994年9月18日にフジテレビ系で放送された単発のテレビアニメ作品。ゲームとは異なるオリジナルストーリーである。DVDと小説(著・岸間信明)が発売されている。覇王丸の声をSMAPの香取慎吾が当て、『真サムライスピリッツ』における覇王丸の隠し技である「天覇封神斬」のコマンドが番組中で公開された。覇王丸が天覇封神斬を出す瞬間に閃光がコマンド型に走るという演出であった。右京は本編中に登場せず、エンディングのスタッフロールのバックに彼の映像が流れるのみとなっている。
覇王丸が主人公。本作ではシャルロットがストーリーのヒロインを務めている。
本作では覇王丸とシャルロットは「前世で恋人同志」というゲーム版には無い設定がされている。また、天草四郎時貞はゲーム版とは別の武器を使用している。
1999年にOVAとして発表された作品(全2巻)。「DVD」版と「VHS」版で発売された。声を当てている声優はゲーム版と同一である。当時、同人誌や雑誌のコラムなどでナコルルのファンであることを強烈にアピールしていた七瀬葵をキャラクターデザインに起用している。
本作ではナコルルが主人公。ナコルルとは別人格のキャラクターとして羅刹ナコルルも登場している。
ストーリーはゲーム版『アスラ斬魔伝』の前日譚となっている。
『ナコルル 〜あのひとからのおくりもの〜』のアニメ版。2002年にOVAとして発表。主人公はミカトからナコルルに変更されている。声優はアドベンチャーゲーム版とほぼ一緒であるが、レラの声優が生駒治美から氷上恭子に変更された。その影響から『サムライスピリッツ零』でも氷上がレラの声優を務めた。一応時代設定としては初代と『斬紅郎無双剣』の間となる。
前編・後編の2巻発売予定であったが、発売元のグルーヴコーポレーションが倒産した影響で続編の製作は中止になったらしく、ストーリーは中途半端に終わってしまっている。