BRICSコンティンジェント・リザーブ・アレンジメント(英: BRICS Contingent Reserve Arrangement, CRA)は、BRICSの5か国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)によって2015年に設立された、現実または潜在的もしくは短期的な国際収支の圧力に対応して、流動性と予防手段を通じて支援を提供するための枠組み[1]。CRAは一般的に国際通貨基金(IMF)の競争相手と見なされており、新開発銀行とともに南南協力の拡大の例と考えられている[2]。
法的根拠は、2014年7月15日にブラジルのフォルタレザで署名された「BRICSコンティンジェント・リザーブ・アレンジメントの設立に関する条約」によって形成されている。2015年7月の第7回BRICS首脳会議で発表された、すべてのBRICS諸国による批准時に発効した。この準備金の目的は、世界的な流動性圧力に対する保護を提供することである。これにはBRICS加盟国の通貨が、世界的な金融圧力によって悪影響を受けている為替レートの問題が含まれる[3]。
1,000億ドルの資本金は次のように分配される。BRICS諸国が協定に要求できる最大アクセスは、資本拠出額の半分(中国)から2倍(南アフリカ)まで様々である。この取り決めは2016年に融資を開始する。
国 | 資本拠出 (10億米ドル) |
資金へのアクセス (10億米ドル) |
投票権 (%) |
---|---|---|---|
ブラジル | 18 | 18 | 18.10 |
ロシア | 18 | 18 | 18.10 |
インド | 18 | 18 | 18.10 |
中国 | 41 | 21 | 39.95 |
南アフリカ共和国 | 5 | 10 | 5.75 |
合計 | 100 | 85 | 100.00 |
コンティンジェント・リザーブ・アレンジメント(Contingent Reserve Arrangement)は、日本語訳では「緊急時外貨準備金基金」や「偶発準備金協定」、「緊急時外貨準備相互融通制度」、「偶発準備制度」など様々である。