生産時期 | 2007年から |
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設計者 | サン・マイクロシステムズ |
生産者 | テキサス・インスツルメンツ |
CPU周波数 | 1.2 GHz から 1.6 GHz |
アーキテクチャ | SPARC V9 |
コア数 | 4, 6, 8 |
コードネーム | S2 |
サン・マイクロシステムズのUltraSPARC T2マイクロプロセッサは、マルチスレッド、マルチコアCPUである。SPARCファミリのメンバーであり、UltraSPARC T1の後継である。このチップは元々コードネーム "Niagara 2"と呼ばれていた。サンは、2007年10月にT2プロセッサを搭載したサーバーの販売を開始した。
T2は、UltraSPARCシリーズのマイクロプロセッサのコモディティ化した派生物であり、インターネットサーバ向けのコンピュータ、ストレージ、ネットワークデバイスを対象としている。 65 nmで製造されプロセッサは、8つのCPUコアがあり、各コアは8つのスレッドを同時処理できる。したがって、プロセッサは最大64の同時スレッドを処理ができる。その他の新機能は次の通りである[1]。
T1は整数演算は6つのステージがあったが、T2には以下の8つのステージがある。
プロセッサ | ステージ | |||||||
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T1のパイプライン | フェッチ | -------> | スレッドの選択 | デコード | 実行 | メモリアクセス | -------> | ライトバック |
T2のパイプライン | フェッチ | キャッシュ | スレッドの選択 | デコード | 実行 | メモリアクセス | バイパス | ライトバック |
T2プロセッサは、サン、富士通の次の製品に搭載された。
また、サンは、Themis ComputerにT2プロセッサのライセンスを供与した。これを元に、2008年にサン以外で最初のT2ベースのサーバが市場に導入された。
2008年4月、サンは、UltraSPARC T2のSMP対応バージョンであるUltraSPARC T2 Plusプロセッサをベースにしたサーバをリリースした[3]。
サンは、次の変更を加えたUltraSPARC T2 Plusプロセッサをリリースした。
UltraSPARC T2 Plusプロセッサは、サンと富士通の次の製品に搭載された。
双方向SMPサーバー:
4-way SMPサーバー:
カナダのハイパフォーマンスコンピューティング仮想研究所は、78台のSun SPARC Enterprise T5140サーバーを使用してコンピューティングクラスターを構築した。 2つの1.2 GHzT2 Plusチップが各T5140サーバーに搭載されているクラスターには、10,000近くの計算スレッドがあり、高スループットのワークロードに最適である[4]。
T1と同様に、T2は超特権実行モードをサポートする。 SPARCハイパーバイザーはこのモードで実行され、T2システムの場合は64の論理ドメインに分割することができ、双方向SMP T2 Plusシステムの場合は128の論理ドメインに分割できる。各ドメインは、独立したオペレーティングシステムインスタンスを実行できる。
UltraSPARC T2は、以前のUltraSPARCT1プロセッサに比べてさまざまな点でパフォーマンスの向上が行われている。
T2は、通常のシステム動作中に95ワットを消費し、ピークの消費電力は123ワットに達する。これは、T1からの72ワットから増加している。 サンは、これはチップへのシステム統合の度合いが高いためだと説明している。
2006年4月12日、サンはUltraSPARC T2のテープアウトを発表した[5]。 サンは2007年8月7日にT2のリリースを発表し、"世界最速のマイクロプロセッサ" と称した[6]。
2008年4月9日、サンはUltraSPARC T2 Plusを発表した。
2007年12月11日、サンは、OpenSPARCプロジェクトの中でGNU General Public Licenseの下でUltraSPARC T2プロセッサの設計を公開した。公開内容には次のものが含まれる。