オープンソースの定義(オープンソースのていぎ、英: The Open Source Definition、略称:OSD)とは、オープンソース・イニシアティブ(OSI)により策定され、文書としてまとめられた「オープンソース」の定義である[1]。この定義はDebianフリーソフトウェアガイドラインを基にしている。
「オープンソースの定義」はオープンソースを名乗るソフトウェアが満たすべき条件として以下の要件を挙げている[2]。
オープンソース・イニシアティブはオープンソースの定義に準拠したソフトウェアをオープンソース・ソフトウェア、定義に準拠したライセンスをオープンソースライセンスとして承認している。
オープンソースの定義はソフトウェアの在り方を定義しており、その定義を準拠したソフトウェアはオープンソース・ソフトウェアである。
オープンソース・イニシアティブはコンピュータプログラムのライセンスがこの定義に合致しているかをライセンス認証プロセス[3]にてチェックし[4][5]、オープンソースライセンスとして承認している。
Debianは同団体のソフトウェアパッケージに含まれるソフトウェアが準拠すべきガイドラインとして「Debianフリーソフトウェアガイドライン」を掲げている。
オープンソースの定義は、Debianプロジェクトでブルース・ペレンズにより作成されたDebianフリーソフトウェアガイドラインを基にしている。
フリーソフトウェア財団(FSF)は自由ソフトウェアを定義するものとして、「自由ソフトウェアの定義」を掲げている。
自由ソフトウェア運動とオープンソース運動の根本的思想の違いにもかかわらず、フリーソフトウェア財団による「自由ソフトウェアの定義」とオープンソース・イニシアティブによる「オープンソースの定義」は、2、3の細かい例外を除いて、基本的には同一のソフトウェア、ソフトウェアライセンスを対象としている。フリーソフトウェア財団は思想的違いを強調すると同時に、次のようなコメントを述べて、ソフトウェアライセンスを図解している。
The term “open source” software is used by some people to mean more or less the same category as free software. It is not exactly the same class of software: they accept some licenses that we consider too restrictive, and there are free software licenses they have not accepted. However, the differences in extension of the category are small: nearly all free software is open source, and nearly all open source software is free. — Free Software Foundation、https://www.gnu.org/philosophy/categories.html
参考訳:
「オープンソース」ソフトウェアというのは多かれ少なかれ自由ソフトウェアと同一の範疇にあることを意図する目的で、いくつかの人々により採用されている用語である。しかし実際にはこれは同一種のソフトウェアではない。例えば、彼らは制限が極めて強い(訳注:フリーではない)と我々が考えているいくつかのソフトウェアライセンス[注釈 1]を受け入れており、同時に彼らが受け入れていない自由ソフトウェアライセンス[注釈 2]が存在する。しかしながら、カテゴリを拡大すればその違いは小さいものといえる。すなわち、ほとんど全ての自由ソフトウェアはオープンソースであり、ほとんど全てのオープンソースソフトウェアはフリーである。 — フリーソフトウェア財団、https://www.gnu.org/philosophy/categories.html
マイクロソフトは仕様に準拠する範囲において、実装に対して特許を主張しない旨を約束した文書として「Microsoft Open Specification Promise」を掲げている。
マイクロソフトのプロプライエタリソフトウェアの互換製品を開発をする際、この約束によりオープンソースの定義と競合することなくソフトウェア開発をすることができる。