ジャンル | 育成RPG |
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対応機種 | PlayStation |
開発元 | ベック |
発売元 | バンダイ |
人数 | 1人 |
メディア | CD-ROM |
発売日 |
1999年1月28日 2001年7月26日(廉価版) |
その他 |
品番:SLPS-01797/ SLPS-91233(廉価版) ©BANDAI 1997・1998/BANDAI 1999 |
『デジモンワールド』は、1999年1月28日にバンダイより発売されたPlayStation(PS)用育成ロールプレイングゲームおよびそのシリーズ作品。本項は初代『デジモンワールド』について扱う。
デジタルモンスターシリーズ初のPS用ソフト(テレビゲームとしては2作目)である。
デジモンサマーキャンペーン特典のものには名前の文字が銀色基調の虹色に輝くメタルグレイモンのデジモンカードが付属した。また、2001年7月26日には廉価版『デジモンワールド PlayStation the Best for family』が発売された。
『デジモンワールド』シリーズ第1作目。本作品を皮切りに『デジモンワールド2』などのナンバリングタイトル(以下「本シリーズ」)、PocketStationと連動した「ポケットデジモンワールドシリーズ」、デジモンカードがテーマの「カードバトルシリーズ」が展開された。タイトルに「デジモンワールド」を含むこれらの作品群を「デジモンワールドシリーズ」と総称する。各シリーズは独立した内容となっており、基本的にストーリーや世界観に関連性はないが『ポケットデジモンワールド』と『デジモンワールド -next 0rder-』は本作のストーリーと繋がりが見られる。
本作では、プレイヤーはパートナーとなるデジモン1体を連れて、デジタルワールドにある小さな島「ファイル島」を冒険する。デジモンは食事やトイレ、睡眠やトレーニングなどの育成を通じて進化していき、敵デジモンと戦ったり、味方となるデジモンを町に招待するなどしてゲームを進めてゆく。
2022年に開催されたイベント「DIGIMON CON」のQ&Aコーナーにおいて「移植やリメイクについては前向きに検討しているが、移植とリメイクどちらにするかという悩ましい点がある[1]。移植やリマスターであれば実現性は高いが、リメイクの場合は新作として開発することも検討する必要が出てくるため、皆様の意見を聞いていきたい」と語られている[1]。
デジモンの育成が得意な主人公の少年は、ある日携帯育成ゲーム「デジタルモンスター」の中に吸い込まれてしまう。ゲーム世界は「デジモン達が心を失う」という危機に直面しており、デジタルモンスターの育成が得意な主人公を必要としたのだった。現実世界から主人公を召喚したジジモン達から事情を聞いた主人公は、問題解決のためパートナーデジモンを連れてファイル島の探索を開始する。
本作の最も大きな特徴は時間の概念である。画面には時計(クロックモン)が表示され、プレイ中は常に時間が進む。1日は24時間で朝、昼、夕、夜があり、それに合わせて景色も変化する。なお1年は30日間。また、ゲーム中の1時間は現実世界の1分に相当する。このような時間の流れの存在は、特定の日時にのみ発生するイベントの設定のほか、成長や寿命などデジモンの育成にも影響を与えている。
主人公は十字キーによりフィールド上を8方向に移動し、パートナーデジモンはそのすぐ後ろをついてくる。敵デジモンや味方デジモンもフィールド上に配置されており、その場から動かないものや周辺を徘徊しているもの、主人公に向かってくるものもいる。また、アイテムがランダムで配置されていることもある。フィールドは一定の広さで区切られており、それぞれのフィールドには名前が付けられている。フィールド間を移動する際のロード時間はやや長い。
フィールド上には敵デジモンが一定数配置され、主人公がそれらと接触するとバトルとなる。バトル発生時に画面内に他の敵デジモンが存在する場合、それらもバトルに参加する(逃げるものもいる)。また、バトルは敵デジモンと接触した位置で展開される。そのため接触位置によってバトルフィールドは広くも狭くもなり、パートナーデジモンの種類やセットされた技次第ではバトルを有利に進めることができる。
バトルはリアルタイムに進行する形式で、デジモン同士が独自の判断で行動し、半自動でバトルを繰り広げる[2]。プレイヤーはパートナーデジモンに簡単な作戦や指示を出したり、アイテムを与えたりして戦闘を補助する。アイテムを選択する際にもバトルは進行しているため、使用するタイミングが重要となる。
デジモンが戦闘で使用する技は、習得したものを任意にセットできる「つけかえ技」と、条件を満たしたときに使用できる「必殺技」の2種類がある。「つけかえ技」はMPを消費して使用する技で、敵を攻撃したり自身を強化したり様々な種類がある。「必殺技」は戦闘中に「FINISH!!」の文字が全て表示されたときにだけ使用できるデジモン固有の技で、ボタン連打で威力を高めることができる。
バトルに勝利すると賞金を獲得する。さらにアイテムの入手、パートナーデジモンのステータス上昇、稀だが相手の技を習得したり、デジモンが負傷したりすることもある。バトルに敗北するとパートナーデジモンのライフポイントが一つ減る。
デジモンの育成は、デジタルモンスターシリーズ最大のテーマである。主人公はタマゴからデジモンを孵し、デジモンを育ててゆく。デジモンは時間経過でお腹が減ったり眠たくなったり、トイレに行きたくなったりするため、その都度プレイヤーが世話をする必要がある[2]。食事や睡眠を与えずに放置したり、トイレに行かせずにその場で排泄(野グソ)させたりした場合は「育成ミス」となり、ペナルティが発生する。
本作の育成における特徴は寿命の存在であり、通常は幼年期→成長期→成熟期から一定時間の経過後、デジモンの寿命は尽きてタマゴ(デジタマ)に戻る(『2』以降はパートナーデジモンが死ぬことはない)。ただし、成熟期中に特定の条件を満たすことで完全体へと進化する。進化条件は時間経過だけでなく、パートナーデジモンの能力値やバトルの回数、育成ミスの有無などによって判定され、条件を満たすと特定のデジモンへ進化することができる。能力値の上昇は、ジムでデジモンを「トレーニング」するのが基本で、トレーニングの種類によって上昇する能力が変化する[2]。
なお、本作では育成面において究極体は基本的に存在しない(発売当時は携帯機デジタルモンスターにおいても幼年期I~完全体の一連以外の進化形態が存在しなかったため)[3]。 またバグを使用することでパンジャモン・ギガドラモン・メタルエテモンに進化できるアイテムが手に入るが、通常プレイは絶対に手に入らない(進化ルートもない)。なおこれらのアイテムは発売当時、雑誌の懸賞等でデータがプレゼントされていた。
各デジモンの詳細はデジモン一覧を参照。名前が斜体のデジモンは本作オリジナル(シリーズ初登場)デジモン。
本作品はバグが多い事でも有名で、プレイ中は十分注意する必要がある。下記はその一例である。