ジャンル | シューティング(高機動シューティング) |
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対応機種 |
アーケード(AC) ドリームキャスト(DC) Xbox 360(360、Live Arcade) iアプリ Nintendo Switch(Switch) Steam(PC) エンハンスド PlayStation 2(PS2) Nintendo Switch(Switch) |
開発元 | 童 |
発売元 |
童 コスモマキアー (Switch、PC) エンハンスド アルケミスト(PS2) コスモマキアー(Switch) |
人数 | 1人 |
メディア |
AC: NAOMI-GD DC: GD-ROM 360、Switch、Steam(PC): ダウンロード販売 エンハンスド PS2: DVD-ROM Switch: ダウンロード販売 |
稼働時期 |
AC: 2006年5月末 DC: 2007年2月22日 360: 2008年2月27日 iアプリ: 2008年12月1日 Switch: 2023年12月14日 PC: 2024年4月26日 エンハンスド PS2: 2009年3月26日 Switch:2025年4月24日予定 |
対象年齢 |
CERO:A(全年齢対象) エンハンスド CERO:B(12才以上対象) |
『トリガーハート エグゼリカ』[注 1] (TriggerHeart EXELICA)は株式会社童(わらし)が開発・販売したゲームソフト。ジャンルは縦スクロール型シューティングゲーム。2006年5月末にアーケードゲームとして販売され、システム基板にはNAOMIが使用された。後には家庭用ゲーム機やモバイル通信端末への移植作も発売された。
その後は、ドラマCDや設定集のついた攻略本、フィギュアなどキャラクター面でのアプローチも行われている。
未来的な兵器で武装した少女の姿をした自機を操作して、敵機を殲滅しながらゲームを進めていく。操作は8方向レバーと3ボタンを用い、Aボタンで自動連射の「ショット」、Bボタンで敵機を捕縛し攻防に利用する「アンカーシュート」(詳細は後述)、Cボタンで画面全体の敵を攻撃する「ボム」を使用する。「得点アイテム」を効率良く稼いでいくためには、ゲームの特徴である「アンカーシュート」を敵の位置を考えながらうまく使う必要があるため、パズル的要素も含んでいる。
アンカーで絡め取った敵を引き寄せることで敵弾を防ぐための盾にしたり、振り回して勢いをつけて別の敵に投げつけることで攻撃したりできるという、本作の最も特徴的なギミック。得点アイテムを稼ぐためにも利用される。なお、敵を捕まえ攻撃に転用するという要素自体は本作独自のアイディアではなく、本作以前の作品においても『ザ・グレイト・ラグタイムショー』『スペースボンバー』『ダライアスシリーズ』などに類似のギミックが用いられている。
敵を倒したり、上記のアンカーシュートを利用した方法で出現する。Aボタンを離すことで、画面上にある全ての得点アイテムを自機に引き寄せて取得することができる。得点アイテムは大きさによってランクが5段階あり、大きければ大きいほどランクが高い。得点アイテムは、出現後すぐに取得せずに画面上にしばらく放置することで大きくなりランクが上がっていく。なお、得点アイテム自体はスクロールと共に後方へと流れていき、画面外に出てしまうと消えてしまうため、高い得点を得るには上記の引き寄せる技のタイミングが重要である。
得点アイテムを多く所得することによって、難易度や、ストーリーの展開が変化する[2]。後述の「V.B.A.S.」も参照。
なお、得点アイテムの獲得状況に応じて実際に獲得するスコアの計算法は、オリジナル、各家庭用移植版によって異なる点を持つ。
「V.B.A.S. / Variable stage Boss Attack System」とは、プレイヤーの腕前によってボスキャラクターの難易度が変わるシステム[3]。具体的には、得点アイテムの取得数によってボスキャラクターの形態が第2、第3形態へと変化していくというもので[2]、スコアを稼ごうとせずにただ単にクリアするだけなら簡単に、スコア目的ならば弾幕系シューティングのごとく激しくボスと戦える。
地球から遠く離れた星系で超惑星規模防衛組織チルダは、ヴァーミスと呼ばれる敵との戦いに少女型兵器「トリガーハート」を投入していた。トリガーハートであるエグゼリカとクルエルティアは、戦闘中に敵軍の退避に巻き込まれて地球へと転送されてしまう。もとの星系に帰ることもかなわず、戦いの結末を知ることもできず、地球での暮らしに溶け込みながら修復を行っていたが、退避していた敵軍の残存兵力が地球を襲撃し、第二の故郷となった地球を守るためにエグゼリカとクルエルティアはヴァーミスと戦う。
戦いの舞台は、ヴァーミスの侵蝕体に融合されてしまった地球の都市で[1]、エグゼリカとクルエルティアが二手に分かれる場面からゲーム本編が開始する。ステージ1では海からヴァーミスの前線基地「フラグメントI」へと攻め入り[1]、敵の侵蝕コアを撃破するが、ゲーム上で一定の条件を満たすことにより[2]、トリガーハートを模したヴァーミス側の少女型兵器、フェインティア・イミテイトの挑戦を受けることになる。続くステージ2ではヴァーミスに占拠された市街地へと突入して建築物への被害を抑えながら戦い、ステージ3では高度を上げて上昇して空中戦を行う[1]。ステージ3では再びイミテイトと遭遇することになる。ステージ4では再び高度を下げ、ヴァーミスに侵蝕されて変わり果てた工業地帯での戦闘となり、最終ステージであるステージ5へと進入する[1]。ステージ5では塔のような巨大建造物に沿って上昇していき、その最上部でイミテイトとの最後の戦いが行われる。
アーケード版、および家庭用版のノーマルエンドの展開では、エグゼリカとクルエルティアのうち自機として選ばれなかったヒロインが、自機を庇おうとしてラストボスである巨大な敵機体「ヴァーミス・エンダ」に取り込まれてしまう。崩壊する敵建造物の中、自機は次々と落下してくる瓦礫をアンカーで拾って応戦してこれを撃破するが、自機として選ばれなかったヒロインはヴァーミス・エンダによって浸食を受けた事で、崩壊する敵建造物から自機のヒロインを脱出させるために犠牲となり、悲劇的な形のエンディングを迎えてしまう。
一方、家庭用ゲーム機版では一定の条件を満たすとトゥルーエンドの展開となり、その内容はストーリーモードとアーケードモードで大きく異なるものの、いずれにせよ最後はエグゼリカとクルエルティアは二人揃っての生還を果たす。DC版/『エンハンスド』ストーリーモードのエグゼリカエンディングでは、エグゼリカに倒されつつも最後に一矢報いようとしたイミテイトを、クルエルティアとエグゼリカが協力して退ける展開となり、DC版/『エンハンスド』ストーリーモードのクルエルティアエンディングでは、ヴァーミスの支配から自由になり自我を取り戻したイミテイトが自らの素性を明かして去り、彼女のオリジナルとなった本物のフェインティアの行方をクルエルティアらが探すことを決意する展開となる。『エンハンスド』アーケードモードおよびXBLA版では、イミテイトを攻撃に巻き込んで自機を攻撃してきたヴァーミス・エンダを、エグゼリカ、クルエルティア、イミテイトが協力して撃破するという展開になっている。
『エンハンスド』で追加されたフェインティア(オリジナル)のストーリーモードでは、本物のフェインティアはユニットの一部をパージして自力で脱出したが、その際に地球に飛ばされてしまい、エグゼリカやクルエルティアよりも遅れて到着したという設定で登場する。エグゼリカやクルエルティアの支援艦であるカルナダインをヴァーミスの攻撃から救助したフェインティアは、先行するエグゼリカとクルエルティアを追いかける過程で、ヴァーミスに鹵獲されたユニットから生み出されたイミテイトとの交戦を経験する。途中、エグゼリカからイミテイトと誤認されて危うく攻撃されそうになったり、クルエルティアとの再会を喜んだりしながらヴァーミスの中枢を目指し、イミテイトとの決着に挑む。アーケードモードでは展開が異なり、ラストボスの直前でエグゼリカやクルエルティアと合流する展開となっている。
ストーリーモードのノーマルエンド、アーケードモードのノーマルエンドおよびトゥルーエンドは、細部の展開は異なるものの、ヴァーミスの精神支配を脱しつつも暴走したイミテイトを撃破し、フェインティアはエグゼリカ、クルエルティアらと生還を果たす展開となる。ストーリーモードのトゥルーエンドではイミテイトと和解し、再会の際には彼女に名前をつけることを約束して分かれた後、ドラマCD版の内容に準じたヴァーミスが使用したワープゲートの残滓を利用し、イミテイトが残したファルドットの外郭に今までの戦闘記録を搭載し、故郷のチルダへ送るという場面で幕を閉じる。
プレイヤーは、エグゼリカまたはクルエルティアの2人から1人を選んでゲームをプレイする。『エンハンスド』では、これに追加キャラクターのフェインティア(オリジナル)を加えた3人の中から1人を選択できる。
バックストーリーとしては、故郷に帰還する手段を失い地球に漂着した、異星の人型兵器であるヒロインらが、第二の故郷となった地球を守るために侵略者と戦うという内容が設定されている。自機のキャラクターには一見してメカを装備したスクール水着、競泳水着を着た美少女という[9]、当時の他のシューティングゲームと比べると非常にストレートな萌えを思わせる[10]「メカ少女」的なデザインが用いられている。
アンカーとキャプチャーについては、初期の段階では投網のようにフィールドで覆われた複数の敵をまとめて振り回すタイプであった。また、開発当初は、クルエルティアの原案キャラクターデザインは少女型ではなく、外観から見ても分かる人型ロボットのデザインであった。
ドリームキャスト・Xbox 360・PlayStation 2・Nintendo Switch・PC(Steam)に移植されている。
ドリームキャスト版は、童にとって参入作になる。童はドリームキャスト発売前より参入を発表しており、発売から実に8年越しで公約を果たしたことになる。ドリームキャスト版では、新規カットインとボイスが追加され、「ストーリーモード」や「アレンジモード」などの新モードも追加された。サウンドトラックCDと小冊子の特典がついた「限定版」も同時発売。
2008年2月27日よりXbox 360用のダウンロード販売版がXBOX 360 LiveArcade(以下XBLA版と明記)で配信された。XBLA版は、ドリームキャスト版とは異なった新規カットインの追加、16:9ワイドテレビやハイビジョンへの対応などの演出面の強化が施され、オンラインランキングにも対応しているが、ドリームキャスト版にあったストーリーモードやアレンジモードは存在しない。移植作業にはガルチ(現・カヤックアキバスタジオ)も関わった。Xbox Oneでの後方互換に対応している。
2008年12月1日[11]、2009年9月1日[12] には、NTTドコモのフィーチャーフォン対応のアプリ(iアプリ)が、前後編のシューティングゲームとして配信された。ゲーム本編の移植版のほか、きせかえツールや待ち受けの配信も行われた[11]。
2009年3月26日にはアルケミストからPlayStation 2版『トリガーハート エグゼリカ エンハンスド』が発売された。開発は、XBLA版に引き続いてガルチが担当。新規の主題歌つきオープニングアニメや、自機として使用できるキャラクターの追加が行われた。PS2版では限定版として『ねんどろいど スペシャルセット』が発売され、グッドスマイルカンパニーが手掛けている2.5頭身のデフォルメフィギュアシリーズ「ねんどろいど」に準拠したデザインのフィギュアが同梱された[13]。
2023年5月13日、コスモマキアーが本作のゲーム等に関する権利を取得したことを正式発表。今後は、積極的に同タイトルを制作・配信し、広く世界中の人々に知っていただく活動を進めるとのこと[14]。
2023年7月7日より、同年12月末発売予定のNintendo Switch版の復活応援プロジェクトがMakuakeにて開始。8月5日の終了までに約630万円の応援購入があった[15]。『エンハンスド』はアルケミストの倒産による関連資料消失で復刻は不可能と明言している。
2023年8月10日、Nintendo Switch版の発売予定日が同年12月14日に決定したことを発表[16]。内容、キャラクターの声はドリームキャスト版準拠。
2023年9月6日、同年8月31日をもってXBLA版の配信が終了となったことが報告された[17]。
2024年4月26日、PC(Steam)版の配信が開始。また、DC版初回限定版同梱サントラCD「サウンドアンカー」とNitendoSwitch版クラウドファンディング実施時のリターン品のサントラCD「RE:サウンドアンカー」の収録楽曲を網羅したサウンドトラックデータも同時に配信開始(ゲーム未購入でも購入可能)
2024年9月11日、移植不可能とされていた『トリガーハート エグゼリカ エンハンスド』のNitendoSwitch版の発売を発表。シューティングゲーム部分の調整、ビジュアルの高画質化、追加操作キャラ「フェインティア」の再調整などのリマスターが行われる。同年9月26日よりMakuakeにてクラウドファンディングを開始[18][19]。
ドリームキャスト版には「ストーリーモード」と「アレンジモード」というモードが追加されている。
ストーリーモードは、各ステージの冒頭などでキャラクターの会話が挿入される。コンティニューの有無などのプレイの結果でエンディングが変わる。ゲームのステージ構成は、ステージ1、3、5で稼いだ得点に関わらずフェインティア・イミテイトが登場する事を除いて、アーケードモードと変わらない。
アレンジモードは、上級者向けの高難易度モードである。敵弾の数が増え、コンティニュー不可能だが、得点を稼ぎやすいという特徴がある。
XBLA版では自分の得点をサーバーにアップロードして、世界中のプレイヤーと順位を競える。
アップロードはプレイ終了時に自動で行われるので、特別な操作をする必要は無い。
ランキングはエグゼリカ、クルエルティアのEASY、NORMAL、HARDの各難易度の6項目にて別々に集計されている。なお、ランキングの登録及び閲覧は無料のシルバーメンバーシップでも可能である。ただし残機、ボム数、エクステンドの設定が全てデフォルトの状態になっていないと正当なスコアと見なされず、アップロードは行われない。
これらの設定を変更すると登録されない旨の警告が出る。このXBLA版のオンラインランキングは、スコアに関してはコンティニュー以前のスコアが、到達ステージに関してはコンティニューの是非に関係なく最後に到達したステージがサーバーに記録される。例えばスコアを5千万点稼いで3面で死亡し、コンティニューしてオールクリアした場合、「スコア5千万点でオールクリアした」とみなされる。
XBLA版では他のXbox 360の全てのゲームと同様、ゲームの進行状況に応じて様々な「実績」を獲得できる。本作の実績は全部で12項目存在し、全て獲得した際のゲーマースコアは合計200ポイントとなっている。あくまでも実績であり、獲得することによってゲームの進行が有利になるような要素はない。
アーケードや他の移植版にはないステージとボスが追加されており、携帯電話用のコンテンツも多数配信されている。
iアプリ版のシューティングゲーム本編は前後編に分割されているが、前編からデータを引き継いで後編をプレイして、ノーマルエンディングとトゥルーエンディングへと分岐する[12]。
本編のシステムを用いたパズルゲームで、色分けされた敵をキャプチャーし、開いたパネルに投げ込む。
その際、投げ込んだ敵とパネルの色が同じだとFEVERゲージが上昇する。MAXになるとFEVERモードに突入し、パネルが金塊パネルに変化して高得点が得られる。
本作のみフェインティア・イミテイトとエグゼクマがプレイヤーとして使用可能。
『エンハンスド』ではオープニングアニメの追加や、それまで設定上の存在であったキャラクターであるフェインティア(オリジナル)が自機として使用可能になっているほか、ストーリーモードも用意された。
『エンハンスド』のストーリーモードはドリームキャスト版のあらすじを踏襲しつつも、アドベンチャーゲーム的なビジュアルおよび音声が挿入されるようになった。ストーリーの内容についてもドリームキャスト版から膨らまされ、ステージやボスキャラクターの特徴に関する説明や、エグゼリカやクルエルティアが地球に漂着してから地球人として過ごした日々を回想する場面、クルエルティアとフェインティア(オリジナル)の関係についての言及などが追加されている。新キャラクターであるフェインティア(オリジナル)にも新規のストーリーが用意されている。
『エンハンスド』では、オープニングアニメとしてP.A.WORKSによる新規のムービーが追加されている。
キャラクターが注目を集め、美少女キャラクター及びメカ少女関係の雑誌から記事として取り上げられたほか、『月刊アルカディア』では、2006年12月号から2007年4月号にかけてファンページが連載されていた。なお、2006年度の『アルカディア』のキャラクター投票では、主人公エグゼリカが1位に選ばれたのをはじめ、登場する全てのキャラクターがランクインしている。
2001年にハードが生産中止となっているドリームキャストへの移植版発売が、2006年12月に発表され話題となった。これは2007年2月22日に発売された。本体が生産中止になって久しいにも係わらず、予約販売のみの限定版が完売したことに加え、メッセサンオーの週間売り上げでも1位を記録するなどの反響を得た。
『月刊アルカディア』に「トリガーハート エクステンション」というコーナーが掲載された。エグゼクマというキャラが書き起こされており、同コーナーではゲームには登場しない裏設定なども掲載されていた。
また、イラストコンテストも行われ、オリジナルトリガーハートのイラストも募集された。