ファニメーション

ファニメーション
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解散 2024年4月2日 7か月前 (2024-04-02)
運営者
開始 2016年1月7日 (8年前) (2016-01-07)

ファニメーション(Funimation)は、かつて存在したアメリカ合衆国のスクリプション・ビデオ・オンデマンド・サービス。東アジアの映像作品、特に日本のアニメの制作や市場展開・配信を行っていた。

2016年にFunimationNowとして開設した。2017年にサービスとその親会社はソニーに買収され[1]、2017年から2019年まではソニー・ピクチャーズ エンタテインメントを通じて運営され、その後は2019年から2024年までアニプレックスと共同で運営された。2021年には、ソニーがCrunchyrollを買収した[2][3]。やがてサービスも完全にクランチロールへ統合され[4][5]、2024年4月2日をもってアプリとWebサイトも閉鎖された[6][7]

親会社は1994年にゲン・フクナガによってファニメーション・プロダクションズとして設立され、2005年にナヴァール・コーポレーションの子会社になったが後に不採算事業とされ、売却された[8]

歴史

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ファニメーションは、1994年、ゲン・フクナガによってテキサス州フォートワースに設立された[9]。この企業は『ドラゴンボールZ』と『ドラゴンボールGT』の配信で大きな会社へと成長した。1999年までにこれらの作品はアメリカ合衆国のカートゥーン ネットワークを通じて放映され、さらにはアメリカ国外でも放送されるようになった(ただし、カートゥーン ネットワークに委託する前にファニメーション自身でこの2作を配信するという計画はあったが、実行にはいたらなかった)。

2005年5月11日、ファニメーションは1億40万USドルの現金と、ナヴァール・コーポレーションの株180万株分と引き換えにナヴァールの傘下へ入り、社名もファニメーション・プロダクションからファニメーション・エンタテインメントへ変更した。CEOにはゲン・フクナガがとどまった[10][11]

ナヴァールのCEO、ケイリー・ディーコン(Cary Deacon)が2008年2月に報告したところによると、ファニメーションは2007年12月に操業停止したジェネオン エンタテインメントのアメリカ部門を通して、いくつかの作品のライセンスを取得するための交渉が初期段階に入っているとした[12]。2008年7月、ファニメーションは未完成のまま打ち切りになった作品を含むジェネオンの作品の権利を購入した[13]。2008年のAnime Expoにおいて、ファニメーションは、かつてADVフィルムのものだった双日作品を30作以上購入したことを宣言した[14]

ファンサブへの対応

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2005年、ファニメーションの法的部門は、ライセンス取得した作品の著作権保護についてより熱心な姿勢を見せだした。これらの作品のファンサブへリンクを張っているサイトに "cease and desist"(C&D)を送りつけ始めた。これと似たようなことは、数年前ADVフィルムも行っていた。ファニメーションの法的部門は、『ツバサ・クロニクル』、『BLACK CAT』、『SoltyRei』、その他北米では知られていないものを含め、ライセンスを取得したことを公表していない作品のファンサブ公開サイトに対してC&D書を送った[15]。ファニメーションは2006年10月06日に『XXXHOLiC』『蟲師』『RAGNAROK THE ANIMATION』などの放送を求めるファンサブサイトに対して送ったCease and Desistを通してライセンスを主張した[16]

ナヴァールの売却とNiconicoとの提携

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2010年の第一四半期に、ナヴァール・コーポレーションはファニメーションを「不採算事業」の分類に入れ、同社の売却の準備を始めた。ナヴァールは2011年4月にファニメーションがもともとの所有者であるゲン・フクナガも含まれる投資家のグループに2400万ドルで売却されたことを追認する声明を発表した。[8]ファニメーションがそのような低価格で(2005年に現金で約1億ドル、株式で1500万ドルもの額が元々の購入に当てられたのとは対照的に)売却されたわけは、ナヴァールがその製品に関わる商品を配給し続けるが、発売を制御しないという形を望んだからだと推測されている。ナヴァールはファニメーションのタイトルの独占配給社であり続けるだろう[要出典]

2011年10月14日に、ファニメーションはニコニコ動画の英語版のNiconicoとの半永久的な提携を発表した。ストリーミングおよび家庭向けビデオリリース用のアニメのライセンス付与を目的とした「Funico(ファニコ)」ブランドという形をとっている。この時から事実上、Niconicoが同時放送しているすべてのタイトルがファニメーションによって取得されたということである[17]

ソニー傘下への参入とグローバル配信・配給 

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2017年7月31日、ソニーの子会社であるソニー・ピクチャーズ テレビジョンが、株式の95%を1億4300万ドルで取得した。その後株式は、同じくソニーの子会社であるアニプレックスソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが保有している。

2019年9月24日、ファニメーションと、アニプレックス傘下の仏ワカニム(Wakanim)、豪マッドマン・アニメ・グループ(Madman Anime Group)の3社を事業統合すると発表[18][19]。それに先立つ5月には英マンガ・エンタテインメント(Manga Entertainment UK、現:Crunchyroll UK and Ireland[20])の買収により[21]、北米、欧州、オセアニア市場をカバーする体制を実現。ファニメーションがアニメ作品のグローバルライセンスを獲得し、各地域で配信を軸に劇場配給、商品化を行う[18][19]

2020年12月10日、アメリカの大手通信会社であるAT&Tグループでファニメーションと同業会社であるCrunchyroll(クランチロール)を11.75億ドルで買収すると発表され[22][23][24]、2021年8月9日に買収完了が報告された(約1300億円)[25][26]

2022年3月1日、ソニーグループはクランチロールとの間でブランド統合を行い[27]、社名をファニメーション・グローバル・グループから、クランチロール, LLCに変更すると発表した[2][3]。一部残るファニメーションのサービスも、やがて完全にクランチロールへ統合され[4][5]、2024年4月2日をもってアプリとWebサイトも閉鎖された[6][7]

主な日本アニメ参加作品

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放送年 タイトル スタッフ 備考
2016年 Dimension W 企画 - Gen Fukunaga
プロデューサー - Steven Shipley
2019年 炎炎ノ消防隊 企画 - Gen Fukunaga
製作 - Karen Mika(第壱話 - 第拾四話)
Colin Decker(第拾伍話 - 第弐拾四話)
エグゼクティブプロデューサー - Geetanjali Dhillon(第壱話 - 第四話)
Lisa Gibson(第五話 - 第拾四話)
Adam Zehner(第拾伍話 - 第弐拾四話)
プロデューサー - Chris Han(第壱話 - 第拾四話)
アソシエイトプロデューサー - Justin Cook
Adam Zehnerは海外ライセンスも担当。
2020年 ID:INVADED イド:インヴェイデッド 製作 - Colin Decker
プロデューサー - Adam Zehner
プランダラ 製作 - Colin Decker
プロデューサー - Adam Zehner
はてな☆イリュージョン 企画 - Colin Decker
チーフプロデューサー - Adam Zehner
グレイプニル 企画 - Colin Decker
プロデューサー - Adam Zehner
社長、バトルの時間です! エグゼクティブプロデューサー - Colin Decker
プロデューサー - Adam Zehner
フルーツバスケット 2nd Season 企画 - Colin Decker
プロデューサー - Adam Zehner
第14話よりクレジット。
天晴爛漫! スペシャルサンクス - Sarah Lindholm(第9話、第12話) 製作自体は非参加。
炎炎ノ消防隊 弐ノ章 企画 - Gen Fukunaga
製作 - Colin Decker
エグゼクティブプロデューサー - Adam Zehner
アソシエイトプロデューサー - Chris Han
海外ライセンス - Mitchel Berger
ムヒョとロージーの魔法律相談事務所 製作 - Colin Decker
プロデューサー - Adam Zehner
第2期のみ。
神達に拾われた男 企画 - Colin Decker
キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 製作 - Colin Decker
プロデューサー - Adam Zehner
2021年 戦闘員、派遣します! エグゼクティブプロデューサー - Colin Decker
プロデューサー - Adam Zehner
フルーツバスケット The Final 企画 - Colin Decker
プロデューサー - Adam Zehner
MARS RED 企画 - Colin Decker
エグゼクティブプロデューサー - Adam Zehner
Sonny Boy - 協力のみ。
2022年 トライブナイン 企画 - Colin Decker
エグゼクティブプロデューサー - Adam Zehner
賢者の弟子を名乗る賢者 エグゼクティブプロデューサー - Colin Decker
プロデューサー - Adam Zehner
2023年 The Legend of Heroes 閃の軌跡 Northern War -

アメリカ国外での放送

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ファニメーション自身は、アメリカ国外への直接的なリリースを行っていないが、イギリスのRevelation Filmsや、オーストラリア・ニュージーランドのマッドマンエンタテインメントといったところは二次的にライセンスを取得している。2005年末、Beez Entertainmentの『WOLF'S RAIN』とファニメーションの『鋼の錬金術師』は、衛星放送Rapture TVの大ヒットアニメの1つになった(なお、OPは途中からREADY STEADY GOに変更された)。『幽☆遊☆白書』もイギリスでの放送が決まったが、どの年齢層を対象にしているかまでは不明。

ファニメーションチャンネル

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ADヴィジョンのAnime Networkにつづいて、ファニメーションは24時間アニメを放送するデジタル・ケーブルチャンネルであるファニメーションチャンネルを始めた。OlympuSATが独占的に配信しており、ファニメーションチャンネルは、ビデオ・サービス・プロバイダを使うことができる。2015年12月31日、FunimationとOlympuSATは契約を終了し、同チャンネルでのFunimationタイトルの放送も終了した。テレビチャンネルはTokuに置き換えられたが、Funimationは2016年にFunimation Channelを再始動する計画を発表している。

携帯電話向けサービス

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2008年7月、ファニメーションとRed Planet MediaはAT&Tスプリント・ネクステルの加入者向けのビデオ・オン・デマンドを始めるとした[28]。その一環として、『銀河鉄道物語』、『月詠-MOON PHASE-』、『GUNSLINGER GIRL』の配信が行われた。

無料オンラインサービス

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2006年9月、ファニメーションはYouTubeに公式チャンネルを設け、ライセンスを取得した作品のDVD-Boxセットの宣伝や、アニメの映像、先行放送をアップロードしている。2008年9月にはHuluにもチャンネルが作られた[29]

脚注

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  1. ^ “ソニー・ピクチャーズ 米国の日本アニメ配給ファニメーションを買収”. アニメーションビジネス・ジャーナル. (2017年8月1日). http://animationbusiness.info/archives/3541 2017年9月26日閲覧。 
  2. ^ a b 「クランチロール」が「ファニメーション」と統合 ブランド、社名ともに「クランチロール」として展開へ”. gamebiz. 株式会社ゲームビズ (2022年3月2日). 2022年3月4日閲覧。
  3. ^ a b "Anime Fans Win As Funimation Global Group Content Moves to Crunchyroll Starting Today" (Press release). Sony Pictures. 1 March 2022. 2022年3月4日閲覧
  4. ^ a b 数土直志 (2022年9月27日). “クランチロールはどんな作品を世界に届けるのか? 末平アサ氏(チーフコンテンツオフィサー)インタビュー”. アニメーションビジネス・ジャーナル. 2022年11月4日閲覧。
  5. ^ a b 数土直志 (2022年10月1日). “配信・劇場はアニメの旅の出発点、クランチロール / ミッチェル・バーガー氏インタビュー”. アニメーションビジネス・ジャーナル. 2022年12月19日閲覧。
  6. ^ a b Pineda, Rafael (February 7, 2024). “Funimation App Shuts Down on April 2 as Its Accounts Merge With Crunchyroll”. Anime News Network. February 8, 2024時点のオリジナルよりアーカイブFebruary 8, 2024閲覧。
  7. ^ a b Funimation End of Services”. Crunchyroll. Crunchyroll, LLC (2024年). 2024年5月5日閲覧。
  8. ^ a b “Navarre Corporation Announces Sale Of FUNimation Entertainment”. GLOBE NEWSWIRE. (2011年4月4日). オリジナルの2011年4月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110407020523/http://www.tradershuddle.com/20110404196448/globenewswire/Navarre-Corporation-Announces-Sale-of-FUNimation-Entertainment.html 2011年4月4日閲覧。 
  9. ^ “Interview with Gen Fukunaga, Part 1”. ICv2. (2004年11月1日). https://icv2.com/articles/comics/view/6036/interview-gen-fukunaga-part-1 2008年2月8日閲覧。 
  10. ^ "Navarre Corporation Acquires Funimation, and Provides Financial Update and Guidance" (Press release). Navarre Corporation. 11 May 2005. 2012年7月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年7月8日閲覧
  11. ^ "Navarre Completes Funimation Acquisition" (Press release). 12 May 2005. 2008年2月8日閲覧
  12. ^ “Navarre/FUNimation Interested in Some Geneon Titles”. ICv2. (2008年2月8日). https://icv2.com/articles/news/view/12043/navarre-funimation-interested-some-geneon-titles 2008年2月8日閲覧。 
  13. ^ "FUNimation Entertainment and Geneon Entertainment Sign Exclusive Distribution Agreement for North America" (Press release). funimation.com. 3 July 2008. 2008年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年7月3日閲覧
  14. ^ "Funimation Picks Up Over 30 Former AD Vision Titles" (Press release). animenewsnetwork.com. 4 July 2008. 2008年7月4日閲覧
  15. ^ Funimation Enforces Intellectual Property Rights (ANN)”. 2006年10月14日閲覧。
  16. ^ Funimation Sends out Cease & Desist Letters For Multiple Anime (ANN)”. 2006年10月14日閲覧。
  17. ^ Funimation, Niconico to Jointly License Anime”. Anime News Network (2011年10月14日). 2012年8月13日閲覧。
  18. ^ a b Tadashi Sudo (2019年9月24日). “ソニー・ピクチャーズテレビジョンとアニプレックス、米仏豪3ヵ国海外アニメ配給会社事業統合”. アニメーションビジネス・ジャーナル. 2020年12月14日閲覧。
  19. ^ a b 米国ソニー・ピクチャーズテレビジョンと株式会社アニプレックスがアニメ海外配信事業の統合を発表』(プレスリリース)株式会社アニプレックス / 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント、2019年9月24日https://www.sme.co.jp/pressrelease/news/detail/NEWS001089.html2020年12月14日閲覧 
  20. ^ 引用エラー: 無効な <ref> タグです。「アニメーションビジネス・ジャーナル 2021-04-17」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません
  21. ^ 引用エラー: 無効な <ref> タグです。「アニメーションビジネス・ジャーナル 2019-05-29」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません
  22. ^ ソニー、米アニメ配信大手買収を正式発表 1200億円で”. 日本経済新聞 (2020年12月10日). 2020年12月10日閲覧。
  23. ^ 日本放送協会 (2020年12月10日). “ソニー 米 通信大手AT&Tが展開のアニメ配信事業を買収で合意”. NHKニュース. 2020年12月10日閲覧。[リンク切れ]
  24. ^ Tadashi Sudo (2020年12月11日). “ソニー、海外向け日本アニメ配信のクランチロールを1200億円超で買収”. アニメーションビジネス・ジャーナル. 2020年12月14日閲覧。
  25. ^ "Sony's Funimation Global Group Completes Acquisition of Crunchyroll from AT&T" (Press release). Sony Pictures Entertainment. 9 August 2021. 2021年8月13日閲覧
  26. ^ Tadashi Sudo (2021年8月10日). “ソニーグループ 米国アニメ配信クランチロール買収完了 アニメ海外事業強化へ”. アニメーションビジネス・ジャーナル. 2021年8月13日閲覧。
  27. ^ ソニー、アニメ配信事業を統合へ-クランチロール・ブランドの下で”. Bloomberg.com (2022年3月2日). 2022年3月2日閲覧。
  28. ^ “Full Seasons of the Best Anime from FUNimation Channel Launch on JumpInMobile.TV – The New Mobile Video-on-Demand Service from Red Planet Media”. Anime News Network. (2008年7月9日). https://www.animenewsnetwork.com/press-release/2008-07-09/full-seasons-of-the-best-anime-from-funimation-channel-launch-on-jumpinmobile.tv-the-new-mobile-video-on-demand-service-from-red-planet-media 2008年7月9日閲覧。 
  29. ^ https://www.animenewsnetwork.com/news/2008-09-23/hulu-website-launches-channel-for-free-legal-anime

外部リンク

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