リゾートしらかみ | |
---|---|
驫木駅付近を走行する2代目「青池」編成 (2020年9月) | |
概要 | |
種類 | 快速列車 |
現況 | 運行中 |
地域 | 秋田県・青森県 |
前身 | 普通「ノスタルジックビュートレイン」 |
運行開始 | 1997年4月1日[1] |
運営者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
路線 | |
起点 | 秋田駅 |
終点 | 弘前駅・青森駅 |
平均所要時間 | 5時間10分 - 5時間17分(秋田 - 青森間) |
列車番号 |
8620D+号数(秋田 - 東能代間) 8520D+号数(東能代 - 弘前間) 8630D+号数(弘前 - 青森間) |
使用路線 | 奥羽本線・五能線 |
車内サービス | |
クラス | 普通車 |
身障者対応 | 1号車 |
座席 | 全車指定席 |
娯楽 |
途中区間での徐行運転あり 途中駅での長時間停車あり |
技術 | |
車両 |
キハ48形気動車 HB-E300系気動車 (いずれも秋田総合車両センター南秋田センター) |
軌間 | 1,067mm |
電化 |
交流20,000 V・50 Hz(秋田 - 東能代間、弘前 - 青森間)[注釈 1] 非電化(東能代 - 川部間) |
備考 | |
臨時列車扱い |
リゾートしらかみは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が秋田駅 - 弘前駅・青森駅間を奥羽本線・五能線経由で運行している臨時快速列車である。
本項では、当列車の前身である「ノスタルジックビュートレイン」および冬季以外で車両検査時に運行される代替列車についても併せて記述する。
「のってたのしい列車」の中でも長い歴史を持ち、使用車両の交換も行いつつ20年以上にわたって運行されている。
当初は4両編成1本のみの存在であったが、好評にともなって2006年までに3編成体制にまで増強された。2021年現在も仕様の異なる4両編成3本が使用されており、本数も最大3往復と他の列車と比べて非常に規模が大きいものとなっている。
青森発着2往復と弘前発着1往復の計3往復が設定されている。いずれも特定日運行の臨時列車であるが、青森発着の2往復は運行日が多く、4月から11月まではほぼ毎日運転される(冬季は土休日を中心に運行)のに対し、弘前発着の3・6号は4月から11月の土休日を中心に運行され、冬季の運転はない。
全車指定席。2号車は4人がけのボックス席で、マルス端末で発行する際は「リゾートしらかみB」という別の列車名で登録されている。
海沿いを走る岩館駅 - 大間越駅間、大戸瀬駅 - 北金ケ沢駅間の一部区間では徐行運転を行う。また、千畳敷付近においても徐行が行われるほか、2・3号は千畳敷駅に15分間停車し、停車時間中に千畳敷海岸を散策することが可能である。
1・3号の鰺ケ沢駅 → 五所川原駅間先頭車と2号の五所川原 → 鰺ケ沢間の3号車では「津軽三味線」の演奏が、土休日の3・4号の陸奥鶴田駅 - 川部駅間先頭車では「津軽弁語り部体験」が行われる。
当列車は日本海沿岸を運行するため、荒天時、荒天が予想される時は全区間または一部区間が運休となる(一部区間運休の場合、スケジュールと一部異なる車両が充当されることもある)。また、運休にならずとも、徐行運転や途中駅で抑止となる場合もあり、1・4号は五能線内の遅れ次第で弘前 - 青森間が運休となることがある。
なお、2014年(平成26年)3月15日のダイヤ改正で快速「深浦」が廃止されたため[広報 1]、翌日以降は当列車が五能線から青森駅まで直通する唯一の列車となっている。
号数 | 1・2号 | 4・5号 | 3・6号 | |
---|---|---|---|---|
奥羽本線 | 秋田駅 | ● | ● | ● |
追分駅 | ● | ● | ● | |
八郎潟駅 | ● | ● | ● | |
森岳駅 | ● | | | | | |
東能代駅◆ | ● | ● | ● | |
五能線 | ||||
能代駅 | ● | ● | ● | |
あきた白神駅 | ● | ● | ● | |
岩館駅 | ● | ● | ● | |
十二湖駅 | ● | ● | ● | |
ウェスパ椿山駅 | ● | ● | ● | |
深浦駅 | ● | ● | ● | |
千畳敷駅 | ◎ | ◎ | ◎ | |
鰺ケ沢駅 | ● | ● | ● | |
陸奥森田駅 | ● | ● | ● | |
木造駅 | ● | ● | ● | |
五所川原駅 | ● | ● | ● | |
陸奥鶴田駅 | ● | ● | ● | |
板柳駅 | ● | ● | ● | |
藤崎駅 | ● | ● | ● | |
川部駅◆ | ● | ● | ● | |
奥羽本線 | ||||
弘前駅◆ | ● | ● | ● | |
新青森駅 | ● | ● | - | |
青森駅 | ● | ● | - |
川部-弘前間を折り返すので川部駅を2回通るが、停車順は藤崎-川部-弘前-新青森(またはその逆)となり、1回しか停車しない。
かつては日本レストランエンタプライズ秋田列車営業支店(2019年4月以降はJR東日本東北総合サービストレインクルーセンター)による車内販売(橅編成はORAHOカウンターでの営業)が行われ、駅弁や乗車記念グッズなども販売していた。現在は青池編成・橅編成でセルフレジによる無人販売となり、取扱品目が大幅に削減されている。
かつて「晩酌セット」が4号で提供されていた。川部 → 鰺ケ沢間で車掌に専用申込書を渡すと、あきた白神駅で積み込まれ、座席にて支払いとともに商品を引き換えるという形であった。5号でも「晩酌セット」を注文できたが、この場合は各自で八森いさりび温泉 ハタハタ館に当日14時までに予約することが必要であった。現在は各自で直接予約し、あきた白神駅停車中に現金で支払い、受け取る形になっている。特に列車の指定はなくなり、「晩酌セット」に酒の代わりにご飯の追加や、「焼きおにぎり週替わり弁当」も注文可能である[3]。
各列車には記念スタンプが備えつけられている。
リゾートしらかみ | ||||||||||||||||||||||||||||||
← 秋田・青森・川部 弘前・東能代 →
| ||||||||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||||||||
|
リゾートしらかみ「青池」 | ||||||||
← 東能代・弘前 秋田・青森 →
| ||||||||
| ||||||||
車両:HB-E300系
|
リゾートしらかみ「橅」 | ||||||||
← 東能代・弘前 秋田・青森 →
| ||||||||
| ||||||||
車両:HB-E300系
|
当列車では駅での停車時間にイベントを実施したり、駅の外を散策できるほか、地元とタイアップした観光体験メニューを多数用意している。
年度や季節により実施内容が異なるので、詳細はJR東日本秋田支社の公式サイトもしくは専用冊子を参照。
下記は地元の観光団体や商工業者が実施する観光体験で、直接の申込が必要なものが多い。また、下車後、バスやタクシーに乗り継ぐ必要があるものがほとんどである。いずれも時間帯の都合で利用できる列車が限られるが、いずれも「リゾートしらかみ」以外の交通手段でも訪問できる。
2011年まで設定された列車である。秋田車両センター(当時)所属のキハ40系国鉄色2両が使用され、全車自由席として運転されていた。運行時は専用のヘッドマークが取り付けられていた[12]。
なお2008年6月に運転された際は、秋田 - 鹿角花輪間の快速列車で使用されていたキハ58・28形グレードアップ車が充当され、1両が指定席であった。
2012年夏季より運行されている列車である。初代「青池」編成を再改造した「クルージングトレイン」2両編成を使用しており、全車指定席。車内イベントは省略される[13]。
蜃気楼ダイヤとは、1999年(平成11年)から2005年(平成17年)までの夏季限定で運行されたダイヤの愛称。観光駅に当たる、あきた白神駅・十二湖駅・ウェスパ椿山駅・深浦駅の4駅の中から好きな駅でいったん下車し、観光の後、再び同じ列車で目的駅へと向かう。あきた白神駅については運転上、岩館駅まで無料送迎車で向かっていた。
時刻表には、深浦駅で3時間停車の掲示か、列車の直通の記号を用いて表示されているが、深浦駅で数分止まった後、岩館駅まで引き返し、十二湖駅・ウェスパ椿山駅の乗客を乗せて、深浦駅に向かう。指定席券は、目的地までの乗車券・指定席券であれば、特例で途中下車できるようになっていた。
2006年(平成18年)春から「くまげら」編成投入により、「リゾートしらかみ」が3往復体制での運行になったために、この蜃気楼ダイヤでの運行はされなくなった。
西村京太郎の推理小説『五能線の女』では、このダイヤをトリックとして使用した。2006年(平成18年)12月16日、テレビ朝日の『西村京太郎トラベルミステリー』シリーズで映像化されたが、放送された時点ではすでに蜃気楼ダイヤでの運転はしていなかったので番組の最後でその旨の字幕が表示された。
五能線全線開通80周年記念の一環として、2016年7月13・14日に「リゾートしらかみ蜃気楼号」を運転、蜃気楼ダイヤが復活した[広報 5]。