ジャンル | 縦スクロールシューティング |
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対応機種 |
アーケード (AC) 対応機種一覧
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開発元 | タイトー熊谷研究所 |
運営元 | タイトー |
プロデューサー | 阿部幸雄 |
ディレクター |
阿部幸雄 中村辰男 |
デザイナー |
中村辰男 阿部幸雄 山下智久 |
プログラマー |
中村辰男 征矢野伸二 谷口晃 樫野正雄 大山功 |
音楽 | 河本圭代 |
美術 |
加藤秀幸 山下智久 磯部孝幸 杉谷伸二郎 鯨井洋代 野口泰弘 |
シリーズ | レイシリーズ |
人数 | 1 - 2人(同時プレイ) |
メディア |
業務用基板 (11.50メガバイト) |
稼働時期 |
AC![]() ![]() ![]() |
対象年齢 |
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デバイス |
8方向レバー パドルコントローラ 4ボタン |
システム基板 | F3システム |
CPU | 68EC020 (@ 16 MHz) |
サウンド |
MC68000 (@ 16 MHz) ES5505 (@ 15.238 MHz) |
ディスプレイ |
ラスタースキャン 縦モニター 320×224ピクセル 58.97Hz パレット8192色 |
『レイフォース』 (RAY FORCE) は、タイトーが開発した縦スクロールシューティングゲーム。日本では1994年2月よりアーケードゲームとして稼働を開始した。アーケード版はシステム基板に同社製「F3システム」を使用している。欧州では『Gunlock』のタイトルで稼働された。
本作は好評を博し、後年にタイトルの「レイ」を作品名に継承したシューティングゲームが2作品リリース、それらは後付けで本作も含めて「レイシリーズ」と通称されるようになった。これにより本作は遡って「レイシリーズ」の第1作目と定義されている。
プレイヤーは自機である「X-LAY」[注釈 1]を操作し、暴走して人類無差別殺戮を行っているAIシステム「Con-Human」を破壊することが目的。ゲーム中では(各面開始時の面数・タイトルを除き)文字を使用せず映像演出のみでストーリー展開することが特徴。
開発はタイトー熊谷研究所が行い、プロデューサーは同社アーケードゲーム『アラビアンマジック』(1992年)を手掛けた阿部幸雄、音楽はカプコンのアーケードゲーム『戦場の狼』(1985年)や同『大魔界村』(1988年)を手掛けた河本圭代が担当している。
アーケード版のリリース以降、日本では『レイヤーセクション』、欧米では『Galactic Attack』 のタイトルで1995年にセガサターンほかいくつかの機種に移植。2007年にリリースしたPlayStation 2用ソフト『タイトーメモリーズII 上巻』で、はじめて原題の『レイフォース』のままで移植された。以降もゲーム機のみならずスマートフォンへも移植されている。
アーケード版はゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第8回ゲーメスト大賞」(1994年度)において大賞5位を獲得し、セガサターン版はゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」にてゴールド殿堂を獲得した。
8方向レバーとショット、ロックオンレーザー用の2つのボタンで自機「X-LAY」を操作し、アイテムを取ることでショットの威力強化やロックオンレーザーの同時発射数の増加をしながらステージを進める。全7面×1周。
通常ショットは常にオート連射になっている。敵が自機と同じ高さにいないと通常ショットは当たらない。敵のいる高さは、敵の色で見分けられる。自機と同じ高さにいる敵は明るい色で描かれており、低い位置にいる敵は若干暗い色で描かれている[1]。
「ロックオンマーカー」と呼ばれる自機前方に表示されている照準を低高度の敵機に合わせることでロックオンし、その状態でボタンを押すことで自動追尾するレーザーを発射、攻撃する。敵がロックオンされた状態で発射されたレーザーは、自機の後ろから放たれて弧を描いて画面外の敵も追尾するため外れることがない。ただし、自機と同じ高さにまで上昇してしまった敵には、ロックオンすることができない。最大で8発まで同時にロックオンが可能となり[1]、耐久力のある敵には重ねてロックオンできる。なお、2人同時プレイ時は2人合わせて8発(1人最大4発まで)である。なお、ロックオンはレーザーを撃たないでいると4秒後または標的が画面外に出ることで自動的に解除される。
一度に多くの敵機をロックオンレーザーで破壊することで、レーザー1発で破壊できる敵の得点に倍率がかかる。このため、高得点を狙うにはロックオン順序、ロックオンレーザーの発射タイミングのパターン化が必須であり、そのパターン構築が本作の醍醐味の1つとなっている。逆に、高得点を狙わず、効率的な敵の破壊に重点を置いた攻略をすることで、難易度を相対的に低下させることも可能である。
ロックオンレーザーはそれぞれ性能が異なるものの、後に制作されたレイシリーズ2作品(『レイストーム』『レイクライシス』)にも採用されている。
本作で出現するアイテムは、以下の3種類である。いずれも、特定の敵機を破壊することで出現する。
本作は、ステージ構成のみでそのストーリーを表している。「防衛艦隊を突破後、味方の艦隊を決死の囮として犠牲にしながら、宇宙からかつての母星である敵本星に降下、地下都市最深部にあるマザーコンピュータの破壊を目指す」という物語が、ゲーム開始から終了まで絶え間なく続くステージの流れで表現されている。序盤のみ部分的に交信音の演出は取り入れているが、基本的にそれ以外で文字や音声を使わずに展開する。
そのエンディングが悲劇的なもので、同社がかつて制作した『ガンフロンティア』(1991年)や『メタルブラック』(1991年)に複数のエンディングが存在していたこともあり、本作にも、最終ステージの行動によって別パターンのエンディングが存在するのではないかという噂が流れていた。これについては、開発者がゲーム誌上で公式に否定している。
関連製品であるサウンドトラック付属の資料・ブックレットには、本作の作戦に至るまでの歴史年表が記載されている。
ステージ構成と各ステージBGMのタイトルは以下の通り。
舞台 | ステージタイトル | BGM | 中ボス | ボス | ボスBGM | |
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AREA 1 | 敵本星リング状小惑星帯 | RED POWER TO PIERCE THROUGH | PENETRATION | デュアルランス | AGGRESIVENESS | |
AREA 2 | 敵本星衛星軌道 | THE GRAVITY OF BLUE SIDE | G | アーマースケイル ポセイドン |
ギラソル | |
AREA 3 | 敵本星上空 | THE PHANTASM OF SILVER | VISION | アスラ | ギガ | |
AREA 4 | 敵本星地表付近 | THE FISSURE OF CONSCIOUSNESS | CRACKING! | G.P.M.S.-2 | ||
AREA 5 | 敵本星地下都市 | TOWARD THE DARKNESS | INTO DARKNESS | オーディン | ATROCITY | |
AREA 6 | 敵本星地下深奥部 | THE END OF DEEP LAYER | MÖBIUS | ファランクス | ダイナモ | |
AREA 7 | 敵本星中心核 | RELEASING INFINITELY | THE PLOT THICKENS QUARTZ |
テンタクル | コンヒューマン | THE FATES DOOMSDAY |
アーケード版は縦画面であったが、各移植版では画面構成を横画面向けにアレンジしているものが多い(後述するとおり、マニア向けに縦置き対応したディスプレイを用いる前提で「縦画面」表示が可能な移植版もある)。後年の移植版では、表示能力の向上から横画面でもアーケード版の縦画面の表示を再現するようになった(例外あり)。
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 | 出典 |
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1 | ![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() |
セガサターン | ビング | ![]() ![]() ![]() |
CD-ROM | ![]() ![]() ![]() |
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2 | レイヤーセクション | ![]() ![]() |
Windows | ![]() ![]() |
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CD-ROM | - | ||
3 | サタコレ レイヤーセクション |
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セガサターン | ビング | タイトー | CD-ROM | T-1112G | 廉価版 | |
4 | PCゲームBestシリーズ Vol.5 レイヤーセクション |
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Windows | サイバーフロント | サイバーフロント | CD-ROM | - | 廉価版 | |
5 | Ultra Series レイヤーセクション | ![]() |
Windows | メディアカイト | メディアカイト | CD-ROM | - | 廉価版 | |
6 | タイトーメモリーズII 上巻 | ![]() |
PlayStation 2 | タイトー | タイトー | DVD-ROM | SLPM-66649 | アーケード版の移植 | |
7 | Taito Legends 2 | ![]() ![]() ![]() |
PlayStation 2 Xbox Windows |
タイトー Empire Interactive Atomic Planet |
![]() ![]() |
DVD-ROM | - | アーケード版の移植 | |
8 | レイフォース | ![]() |
iPhone (iOS) |
タイトー | タイトー | ダウンロード | - | アーケード版の移植 | [2][3][4] |
9 | タイトークラシックス レイフォース |
![]() |
Android iOS |
タイトー | タイトー | ダウンロード | - | アーケード版の移植 | [5][6] |
10 | レイフォース | ![]() |
イーグレットツー ミニ | 瑞起 | タイトー | プリインストール | - | アーケード版の移植 | |
11 | レイヤーセクション & ギャラクティックアタック Sトリビュート |
![]() |
Nintendo Switch PlayStation 4 Xbox One Steam |
シティコネクション | シティコネクション | ダウンロード | - | セガサターン版ベースの移植 海外版(Galactic Attack)も収録 |
[7][8][9] |
12 | レイズ アーケード クロノロジー | ![]() |
Nintendo Switch PlayStation 4 |
エムツー | タイトー | ダウンロード | - | アーケード版の移植 | [10] |
以下のサウンドトラックが発売されている。
※ 各人の肩書きは稼働開始時点のもの。現在はタイトーを離れている者も多い。
メインショットが一種類のみでボンバーなどの緊急回避動作がないなど、時代に逆行したデザインの作品ながら、全国のゲームセンターにおいてロングランヒットを記録した。しかし、当時のゲームセンターは対戦格闘ゲームが中心に設置されており、基板自体の出回りは今一つだった。
評価 | ||||||||||||||||||||||
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項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
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得点 | 3.9 | 4.0 | 4.2 | 4.2 | 4.2 | 3.8 | 24.3 |
本作のヒットを受け、『R-GEAR』というタイトルで続編が開発されていた。しかし1ステージのみ開発した時点でプラットフォームがPlayStation(1)互換のAC基板「FXシステム」に変更されたため、R-GEARとしての開発は中止、いわゆる「お蔵入り」となり、タイトルも『レイストーム』に変更してゼロベースで開発されることとなった。後年R-GEARの存在が様々なメディア[注釈 3]で明らかになって以降は、俗に『レイフォース1.5』とも呼ばれている。世に出る前だったため詳細は後述する特別公開まで明確な情報が不明な点も多いが、本作と同じくF3システム基板を使用し、基本的なゲームシステムはそのままではあるが新自機候補として新しいロックオンレーザーを仮実装されたメカでプレイが可能となっているといったくらいまでは判明している。なお『レイストーム』に登場する自機のひとつ「R-GRAY2」は、前述した新ロックオンレーザーのアイデアが流用されている。
2023年にリリースを予定しているレイシリーズ三部作を1まとめにしたオムニバスソフト『レイズ アーケードクロノロジー』の「Amazon(日本)プライムデー限定商品」(発売の前年である2022年7月、Amazonプライムデー開催中にのみ限定して予約が実施された商品)に、本作のNintendo Switch / PlayStation 4移植版をダウンロードコンテンツとしてプレイ出来る権利が特典として付与される。前述のとおり1ステージのみではあるが「幻の続編」は約30年の時を越え、一般プレイヤーも(入手さえ出来れば)プレイすることが可能となる。
なお、移植版のゲーム音楽(VGM)はレイフォースVGM作曲者・TAMAYO(河本圭代)が新規に作曲したものが使用される[注釈 3]。