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ジャンル | 横スクロールシューティング |
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対応機種 |
アーケード (AC) 対応機種一覧
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開発元 | カプコン第3企画室 |
発売元 | カプコン |
デザイナー |
安田朗 西谷亮 船水紀孝 岡本吉起 |
プログラマー |
江川陽一 こじまのりこ TAKEYO 山之内一雅 |
音楽 |
河本圭代 坂口由洋 |
美術 |
栗原明美 TAKATA SHINSYUDON 新谷さゆり EMETARO |
人数 | 1 - 2人(同時プレイ) |
メディア | 業務用基板(5.31メガバイト) |
稼働時期 |
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対象年齢 |
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コンテンツアイコン |
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デバイス |
8方向レバー ローリングスイッチ |
システム基板 | CPS-1 |
CPU |
MC68000 (@ 10 MHz) Z80 (@ 3.580 MHz) |
サウンド |
YM2151 (@ 3.580 MHz) OKI6295 (@ 1 MHz) |
ディスプレイ |
ラスタースキャン 横モニター 384×224ピクセル 60.00Hz パレット4096色 |
『ロストワールド』 (Lost Worlds) は、1988年7月に稼働したカプコンのアーケード用横スクロールシューティングゲーム。日本国外および家庭用移植版では、タイトルが『フォゴットンワールド』 (Forgotten Worlds) に変更されている。業務用システム基板CPシステム用ソフトの第一弾。
アーケード版は後にPlayStation 2およびXbox用ソフト『カプコン クラシックス コレクション』(2005年)に収録された他、PlayStation Portable用ソフト『Capcom Classics Collection Remixed』(2006年)に収録された。メガドライブ版は2008年にWii用ソフトとしてバーチャルコンソールにて配信された。
アーケード版はゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第2回ゲーメスト大賞」(1988年度)において、大賞2位、ベストシューティング賞2位、ベストエンディング賞3位、ベストグラフィック賞1位、ベストVGM賞9位を獲得した他、ゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』(1991年)にて第26位を獲得した。
8方向レバーと1ボタン(ローリングスイッチ)で自機を操作する。残機無しのライフ制。自機はサテライトと呼ばれる子機を一機従えている。サテライトは、特殊弾による攻撃や、敵弾に対する防御に用いられる。敵を倒すと出現する通貨・ゼニーを集め、ステージ内にあるショップで装備を購入してパワーアップしつつ進行する。2人同時の協力プレイが可能[1]。2人同時プレイ時に1Pと2Pが近接すると、2人の間にあり余る闘気(オーラ)が噴き出してオーラスパークが発生し、ノーマルショットがパワーアップする[2]。
なお、本作には旧バージョンと新バージョンの2種類の基板が存在している。旧バージョンはバウンドサテライトとバルカンサテライトの威力が入れ替わっており、新バージョンは一部敵の耐久力や攻撃パターンが変化している。
本作には、ボリュームレバーとボタンスイッチを組み合わせた独自の入力デバイス「ローリングスイッチ」が導入されている。大きさは直径5cm・高さ2cmほどで、上部には指を置くための3つの窪みが付いている。ボリュームを左右に回転させることによりショット方向を360度、16方向に動かし、スイッチを押し込むことで攻撃を行う[1]。
なお、自機とサテライトは常に同じ方向を向く。
攻撃は自機による通常のショットと、サテライトから発射される特殊ショットによって行われる。上述のとおりショップでアイテムを購入することでパワーアップが可能であるが、プレイヤー自身に対する攻撃力、防御力の向上アイテム、体力回復アイテムなどだけではなく、サテライトについても、武装を購入する形でのパワーアップが可能である。敵を追尾するミサイルやビーム、ワイドショット、壁で跳ね返るバウンドショットや火炎放射器など、11種類の武装が用意されている[1][3]。
破壊神にして魔の創造主、天帝バイオス(BIOS)。彼の生み出した8邪悪神は、あらゆる文明を滅ぼしていった。最後まで抵抗を試みた人族(ひとぞく)の都市も破壊されて、今はダストワールドと呼ばれる廃墟となってしまった。しかし、人々の無念のオーラは、この地に2人の超戦士を誕生させた[4]。超戦士たちは自らの生みの親となった失われし世界の人々の無念を背負い、平和を取り戻すべく天帝バイオスに立ち向かう。
本作のストーリーは、ダストワールドと呼ばれる廃墟の世界に現れた屈強な姿の超戦士2人が、文明を滅ぼした破壊神・天帝バイオスに戦いを挑むというものである[1]。
自機となる超戦士はどちらも肩パッド付きミリタリー服で、サングラスにより素顔は見えない。青いコスチュームの白色人種風の1Pと、赤いコスチュームの黒色人種(髪型はモヒカン)風の2Pで判別される。
非常に細かい部分にまで設定が行き届いており、雑魚からボスに至るまで全ての登場キャラクターに名前が存在するが、主人公の2人にだけは名前がつけられていない[1][注釈 1]。西谷亮は名前の付け忘れに気づいたものの、面倒だからそのままにしたとインタビューの中で振り返っており、当時は現在(2020年)ほど主人公の名前や設定にこだわる風潮がなかったので、なくても大丈夫だろうとも話している[5]。そのため、雑誌媒体[5]などや他作品へのゲスト出演時には「超戦士」「名も無き超戦士」「名無しの超戦士」などと呼ばれ、さらにその後ろに「1P」「2P」とつけ、彼らを区別していた。メガドライブ版の広告チラシでは1Pが「名無しの超戦士」、2Pが「モヒカン野郎」となっている。あきまんによると、岡本吉起による案でアポロンとペガサスという名前があったが、受け入れられず聞かなかったふりをしたという[6]。
本作の話の流れは、ステージ間に挿入される台詞入りの静止画アイキャッチで説明される。その際、開発スタッフによる台詞の朗読音声が挿入されるが、「パラメシウムごときで俺を止めることはできん!」「クレオパトラとのデートが台無しだぜ!」[1]といった朗読の演技が棒読みなことで知られている[5]。これらの台詞は岡本吉起によって考えられられた[7]。
あきまんによると本作のコンセプトは「神狩り[8]」「狂った神を倒す[9]」であり、天帝バイオスにより神々が狂った世界となっている[10]。あきまんは音楽担当の河本圭代に宗教音楽の要素を入れた曲調を頼んだが、これは『伝説巨神イデオン』の影響だという[11]。
また、あきまんは『ファイナルファイト』が未来になると『キャプテンコマンドー』の世界になり、さらに地球が滅ぶと『ロストワールド』の世界になると語っている[12]。
全9ラウンドはダストワールド、ピラミッドワールド[注釈 2]、天空界の三世界に大別され、8邪悪神と天帝バイオスが超戦士を待ち受ける。
全9ラウンドのうち、最終ラウンド以外のボスは全て8邪悪神[2]。
本作はのちに『ファイナルファイト』や『ストリートファイターII』などで知られる西谷亮が、カプコン入社後に初めて手掛けた作品である[5]。当初は、『魂斗羅』のような横スクロールアクションゲームになる予定だったが、その時の内容は岡本吉起が抱いていた派手なアクションとは程遠いものだった[5]。そこへ、CPシステム開発の話が入り、岡本がイメージが実現できると感じたと西谷はのちに振り返っている[5]。
主人公の見た目はそこまで変化しなかったものの、多彩な要素を取り入れようという試みが起こった[5]。
元々西谷は自機のパワーアップ要素を入れるつもりではいたが、普通にアイテムを拾う方法では面白くないと感じ、『ファンタジーゾーン』へのリスペクトもかねて、ショップでアイテムを購入する形式にしたとゲーム文化保存研究所・所長の大堀康祐との対談の中で振り返っている[5]。また、ローリングスイッチの押下方法によるサテライト(子機)の挙動の変化は、当時流行していた『R-TYPE』を参考に、細かな変化を楽しめ、かつその変化を攻略に反映できるようにするために導入された[5]。ホーミングレーザーは西谷のアイデアであり、目新しさを出すために提案した。一方、天帝関連の企画はあきまんが担った[5]。
あきまんは当初ステージ1を『沙羅曼蛇』をイメージした有機的なデザインにしたが、当時社長の辻本憲三に「みんなが見知っているものでないと感情移入ができない」と言われ、急遽荒廃した都市に作り直した[16]。
本作には、10名近くのグラフィッカーが参加しており、西谷が方眼紙をつなげて作った大きな紙におおよその地形を描き、当たり判定といった大まかな条件を伝え、そこにデザイナーが地形や建物を描きこむという方法で背景を作成した[5]。これをもとに西谷が敵の配置を考え、その座標を割り出してパソコンに打ち込んだ[5]。
BGMは河本圭代が作曲している。
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 |
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1 | Forgotten Worlds | ![]() |
Amiga Amstrad CPC Atari ST コモドール64 ZX Spectrum |
Arc Developments | U.S. Gold | フロッピーディスク カセットテープ |
- | |
2 | フォゴットンワールズ | ![]() ![]() ![]() |
メガドライブ | セガ | セガ | 4メガビットロムカセット[17] | ![]() |
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3 | Forgotten Worlds | ![]() |
セガ・マスターシステム | サンリツ電気 | セガ | 2メガビットロムカセット | ![]() |
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4 | Forgotten Worlds | ![]() |
PC/AT互換機 | Arc Developments | U.S. Gold | フロッピーディスク | - | |
5 | フォゴットンワールド | ![]() ![]() |
PCエンジンSUPER CD-ROM2 | A Wave | NECアベニュー | CD-ROM | ![]() ![]() |
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6 | カプコン クラシックス コレクション | ![]() ![]() ![]() |
PlayStation 2 Xbox |
カプコン | カプコン | DVD-ROM | ![]() ![]() ![]() |
アーケード版の移植 |
7 | Capcom Classics Collection Remixed | ![]() ![]() |
PlayStation Portable | カプコン | カプコン | UMD | ![]() ![]() |
アーケード版の移植 |
8 | フォゴットンワールズ | ![]() ![]() ![]() |
Wii | セガ | セガ | ダウンロード (バーチャルコンソール) |
- | メガドライブ版の移植 |
9 | カプコンアーケードスタジアム | INT 2021年2月18日 |
Nintendo Switch | カプコン | ダウンロード | - | アーケード版の移植 | |
10 | カプコンアーケードスタジアム | INT 2021年5月25日 |
PlayStation 4 Xbox One PC(Steam) |
カプコン | ダウンロード | - | アーケード版の移植 |
本作は当時のアーケードゲームにしては珍しく、テレビCMが流れていた[5]。
特殊なインターフェースを採用した作品が数多くリリースされた1980年代中期から末期にかけてのアーケードゲーム業界の中でも、押しボタンと方向指示を一つのデバイスで兼用する本作のローリングスイッチは取り分け異色の存在であり、発売当初から話題を集めていた。しかし、ボタンの根元に大きく負担がかかる構造だったために故障が頻発したため[5]、以降の作品にこのデバイスが採用されることはなかった。西谷自身も故障の頻発を認めており、企画として「メガクラッシュ」を入れたのが原因ではないかと推測している[5]。
1994年に同社が発売した『アルティメット エコロジー』には、サブボードでローリングスイッチに対応するバージョンも制作されていたが、実際に出荷されたのは3ボタンバージョンのみだった。
また、ゲーム文化保存研究所・所長の大堀康祐は西谷亮との対談の中で、近所のゲームセンターに本作の導入を求めたところ、基板が高いとの回答が返ってきたと話している[5]。対談に同席していた娯楽産業研究家の石黒憲一はインターフェースが特殊なので導入に消極的なゲームセンターが多かったのだろうと推測し、西谷も当然だと答えている[5]。
評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計27点[28]、『メガドライブFAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り18.86点(満30点)となっている[17]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
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得点 | 3.26 | 3.06 | 2.96 | 3.20 | 2.96 | 3.42 | 18.86 |
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計24点[29]、『月刊PCエンジン』では85・90・80・80・80の平均83点(満100点)、『マル勝PCエンジン』では8・8・8・7の合計31点(満40点)、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り23.11点(満30点)となっている[36]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で81位(485本中、1993年時点)となっている[36]。同雑誌1993年10月号特別付録の「PCエンジンオールカタログ'93」では、「ビジュアルシーンは業務用を凌駕している」とグラフィックに関して肯定的なコメントで紹介されている[36]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
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得点 | 3.85 | 3.93 | 3.56 | 4.00 | 4.04 | 3.74 | 23.11 |