一般社団法人日本応用数理学会 (いっぱんしゃだんほうじんにほんおうようすうりがっかい、英語 : The Japan Society for Industrial and Applied Mathematics 、略称 : JSIAM)は、1990年 4月1日 に設立され、2012年 7月1日 に一般社団法人 に移行した学会 であり、応用数学 の研究 に関する交流の場である。SIAM (米国の工学と応用数学の学会)の日本版に相当する。
研究分野ごとに次の部会が設けられている[ 1] 。
ウェーブレット
応用カオス
応用可積分系 [ 2] (可積分アルゴリズム 、可積分幾何学 (英 : Integrable geometry )、超離散 (英 : Ultradiscrete )ソリトン モデル、セル・オートマトン などを扱う)
折紙 工学
科学技術計算と数値解析 (PDE /ODEの数値解法 を主に扱う)
機械学習
行列 ・固有値 問題の解法とその応用 (数値線形代数 を扱う)
計算の品質 (精度保証付き数値計算 、計算機援用証明 、区間演算 を主に扱う)
産業における応用数理
数理医学
数理政治学
数理設計
数理的技法による情報セキュリティ
数理ファイナンス
数論 アルゴリズム とその応用
CAE モデリングとデータ活用
離散システム
連続体力学 の数理
若手の会
環瀬戸内応用数理
毎年3月に研究部会連合発表会、9月に年会が行なわれる。会場は各大学の持ち回りである。年会では会員の申込により行われる口頭発表の他に、ポスター発表も行われる。
「科学技術計算と数値解析 」、「行列 ・固有値 問題の解法とその応用」、「計算の品質」の三部会が連携し、
学部生・大学院生、企業の研究者・技術者を対象にした応用数理セミナーを毎年実施している[ 3] [ 4] [ 5] 。
「若手の会」が毎年3月に行っている学生によるポスター発表会である。
日本応用数理学会による出版物として以下がある[ 6] 。
日本応用数理学会の授与する賞には次のようなものがある[ 15] 。
論文賞、ベストオーサー賞
業績賞
若手優秀講演賞
優秀ポスター賞
研究部会連合発表会優秀講演賞
(2022年4月現在)[ 16]
カッコ内は会長を務めた年度[ 17]
過去に論文賞・ベストオーサー賞を授与された人物[ 編集 ]
^ “研究部会 ”. 日本応用数理学会. 2019年4月26日 閲覧。
^ 解析学百科II 可積分系 の数理、朝倉書店 、中村佳正 et al. (2018) では「応用可積分系」を次のように位置付けている。応用可積分系 (applied integrable systems) とは、
可積分系 に理論的基盤を置き、
可積分系 のもつ記述力や機能性を、元来は
可積分系 とは無関係な「ビルトインされた線形性」を持つ問題の解析に広く適用しようという研究分野である。
^ 三部会連携「応用数理セミナー」2018 、東京大学大学院数理科学研究科 で開催
^ 三部会連携「応用数理セミナー」2016 、東京大学 工学部で開催
^ 三部会連携「応用数理セミナー」2015 、東京大学 工学部で開催
^ “刊行物 ”. 日本応用数理学会. 2019年4月26日 閲覧。
^ Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics, SpringerLink ISSN 0916-7005
^ 数理的技法による情報セキュリティ , 日本応用数理学会 監修・萩谷昌己・塚田恭章編
^ 公開鍵暗号 の数理, 日本応用数理学会 監修・森山大輔・西巻陵・岡本龍明 著
^ 折紙 の数理とその応用, 日本応用数理学会 監修・野島武敏・萩原一郎 編
^ 有限要素法 で学ぶ現象と数理―FreeFem++ 数理思考プログラミング― 日本応用数理学会 監修・大塚厚二・高石武史著
^ 応用のためのウェーブレット , 日本応用数理学会 監修・山田道夫・萬代武史・芦野隆一著
^ 数値線形代数 の数理とHPC , 日本応用数理学会 監修・櫻井鉄也・松尾宇泰・片桐孝洋編
^ (岩波オンデマンドブックス) 応用数理の遊歩道 , 岩波書店 , ISBN 9784007304385 .
^ “学会賞 ”. 日本応用数理学会. 2019年4月26日 閲覧。
^ “賛助会員 : 日本応用数理学会 ”. 日本応用数理学会. 2023年6月23日 閲覧。
^ “会長 : 日本応用数理学会 ”. 日本応用数理学会. 2023年6月23日 閲覧。
^ Cahn-Hilliard方程式の差分法 による数値的解析, 日本応用数理学会論文誌 Vol.3,No.3,1993,pp.217-228, 降旗大介, 恩田智彦, 森正武.
^ 高次と低次のモードの省略可能なモーダル周波数応答感度解析手法の開発, 日本応用数理学会論文誌 Vol.4,No.2,1994,pp.141-164, 小机わかえ, 萩原一郎, 馬正東.
^ 等角写像 とその円錐殻折り紙構造物設計への応用, 日本応用数理学会論文誌 2012, vol.22, No.4, pp.301-318, 石田祥子, 野島武敏, 亀井岳行, 萩原一郎.
^ 分布関数の再帰方程式による確率論 的破壊力学 の解法の提案, 日本応用数理学会論文誌 Vol.5,No.4,1995,pp.445-461, 秋葉博, 吉村忍, 矢川元基 .
^ Bessel関数 の零点 を標本点に持つ補間 および数値積分 公式, 日本応用数理学会論文誌 Vol.6,No.1,1996,pp.39-66, 緒方秀教, 杉原正顯.
^ 特異な係数行列をもつ連立一次方程式に対するCR法の収束性, 日本応用数理学会論文誌 Vol.9,No.1,1999,pp.1-13, 阿蔀邦美, 緒方秀教, 杉原正顯, 張紹良, 三井斌友.
^ 特異値 計算のためのdqds法とmdLVs法の収束性について, 日本応用数理学会論文誌 Vol.17, No.2, 2007, pp.97-131, 相島健助, 松尾宇泰, 室田一雄, 杉原正顯 .
^ 第二種積分方程式 に対するSinc選点法の改良とその理論解析, 日本応用数理学会論文誌 Vol.20, No.2, 2010, pp.71–113, 岡山友昭, 松尾宇泰, 杉原正顯.
^ Hawkes過程による信用リスク 伝播のモデリングとその応用, 応用数理 2017, Vol.27, No.1, pp.5-12, 山中卓,中川秀敏, 杉原正顯
^ 悪条件連立一次方程式の精度保証付き数値計算 法, 日本応用数理学会論文誌 Vol.15, No.3, 2005, pp.269-286, 太田貴久, 荻田武史, Siegfried M. Rump, 大石進一.
^ 有向丸めの変更を使用しないタイトな行列 積の包含方法, 応用数理 Vol.21, No.3, 2011, pp.186–196, 尾崎克久, 荻田武史, 大石進一 .
^ 劣決定逆問題に対する Cluster Newton 法とその薬物動態モデルへの応用, 応用数理2014,Vol.24,No.4,pp.7-15, 青木康憲, 速水謙 , 小長谷明彦.
^ 小野隼, 友枝明保, 杉原厚吉、「フットステップ錯視アートの設計法(応用) 」 『日本応用数理学会論文誌』 2013年 23巻 4号 p.585-600, doi :10.11540/jsiamt.23.4_585 , 日本応用数理学会
^ A new type of impossible objects that become partly invisible in a mirror, Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics 2016, Vol.33, pp.525-535, Kokichi Sugihara(杉原厚吉 )