チック・タック戦略 (チクタク戦略、Intel Tick-Tock)とは、インテル社が2006年から2015年まで採用していた開発ロードマップモデル。
便宜上、本稿ではその後継モデルであるプロセス・アーキテクチャ最適化についても併記する。
同社の主力製品である、PCないしサーバ向け(いわゆる「メインストリーム」)のマイクロプロセッサの設計と製造において、前世代から論理設計ないしマスクパターンを基本的に変更せずプロセスルールを縮小した世代を「チック」、逆に、前世代からプロセスルールはそのままでプロセッサの設計を更新した世代を「タック」と呼ぶこととし[1]、毎年「チック」と「タック」を繰り返すことで、スムーズな製造プロセスの立ち上げと、定期的な新製品の市場投入、予見性の向上を意図したものである。
この戦略は2006年のCoreマイクロアーキテクチャから採用され、2015年のSkylakeマイクロアーキテクチャまで10年近く続いたが、製造プロセス微細化の継続が困難を極めていくようになったことで事実上破綻した。
インテルは2016年に従来の「プロセス」(チック)「アーキテクチャ」(タック)に「最適化」(俗に「タック+」とも呼ばれる[2])の世代を加えた3ステージ制である、プロセス・アーキテクチャ最適化モデルへの転換を発表した[3][4][5]。
プロセス・アーキテクチャ最適化(英語: Process-Architecture-Optimization model)は、Intelが2016年に採用したプロセッサ開発モデルである。この3フェーズモデルでは、ダイの縮小の後に、マイクロアーキテクチャの変更が行われ、その後、最適化が行われる。これは、2006年にIntelが採用した2フェーズのTick-tockモデルを置き換えるものである。Intelによると、以前のモデルは、現在では持続可能なものではなくなっている[6][7][8][9]。